TradingViewのコミュニティスクリプト「Wyckoff Range Strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「Wyckoff Range Strategy」(制作者名:deperp)について紹介します。
1.ロジック概要
このストラテジーはロングとショートでそれぞれ2種類のSMA(単純移動平均線)を使い、ドテンで取引を繰り返します。
ロングのエントリー条件は2つあり、終値がSMAを下から上に抜けることと、安値がSMA(安値)を下から上に抜けることです。
これらが共に満たされるとエントリーします。
終値だけでなく安値でも上昇トレンドを確認して、精度を高めています。
ショートのエントリー条件はロングの逆です。
なお、ドテンでなく特定の価格等で逆指値決済することも可能です。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは5種類です。
4種類のSMAに対して、それぞれ異なるパラメーターを設定できるのが特徴です。
パラメーター設定
Accumulation | 32(ロングエントリー判定用SMAの計算期間その1) |
---|---|
Distribution | 35(ショートエントリー判定用SMAの計算期間その1) |
Spring | 10(ロングエントリー判定用SMAの計算期間その2) |
Upthrust | 20(ショートエントリー判定用SMAの計算期間その2) |
Stop Percentage | 10(ロスカット比率[%]) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 1,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 10%(資産比) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
米ドル/円 日足
米ドル/円の日足チャートのバックテストでは、エントリー回数が少なくなりました。
トレンドフォロー型であり、利幅が大きく損失幅は小さくなっています。
勝率は55.56%、プロフィットファクターは4.471であり、プロフィットファクターが過大になっています。
ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドルの日足では、取引回数が多くなっています。
勝率は64.44%、プロフィットファクターは5.404です。
損益グラフは右肩上がりで申し分ありませんが、プロフィットファクターの値が過大である可能性があり、こちらも注意が必要です。
バックテスト総括
良好な成績ですが、プロフィットファクターが極端に高く、今後も継続的に同じような成績を残せるかどうかには注意が必要です。
取引頻度が低く、他の通貨ペアや別の取引期間などでもチェックすると成績の良いものを見つけられそうです。
3.注意すべきポイント
- ・ロスカットのパラメーターのデフォルト値は10%と数字が大きく、この機能で決済される前にドテンが繰り返される傾向がある
- ・トレード頻度が低い
- ・ドテンで取引するため、常にポジションを持つ傾向がある
- ・通貨ペアや時間軸によって相性がありそう
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