TradingView(トレーディングビュー)のコミュニティスクリプト「Vegas Tunnel strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingView(トレーディングビュー)のコミュニティスクリプトに投稿された「Vegas Tunnel strategy」(制作者名:wsk719)について紹介します。
1.ロジック概要
このストラテジーは、EMA、MACD、ボリンジャーバンドを使います。
EMAは7種類で、計算期間はそれぞれ36、43、144、169、576、676、2304です。
そして、ロングのエントリー方法は4つ、ショートのエントリー方法は3つあり、さまざまな方法で取引機会を狙う意図があります。
ロングの1つ目のエントリー方法は、MACDがプラスの状態で、36EMAが144EMAを下から上に抜ける場合です。
このポジションは、144EMAが576EMAを上から下に抜けると決済されます。
2つ目は、MACDがプラスの状態で、144EMAが676EMAよりも上にあり、かつローソク足の安値が144EMAを下から上に抜けるとエントリーします。
このポジションは、MACDがマイナスになるか、144EMAが676EMAよりも安くなると決済されます。
また、終値がボリンジャーバンドのアッパーバンドの値×0.999を上から下に抜ける場合も決済されます(以下の3つ目、4つ目でも同様に適用)。
3つ目は、MACDがプラスの状態で、36EMAが169EMAの上にあり、さらに安値が36EMAを上から下に抜ける場合です。
このポジションは、MACDがマイナスになるか、36EMAが169EMAよりも安くなると決済します。
4つ目は、MACDがプラスの状態で、169EMAが576EMAの上にあり、さらに安値が576EMAを上から下に抜ける場合です。
このポジションは、MACDがマイナスになるか、169EMAが676EMAよりも安くなると決済します。
一方、ショートのエントリー方法は3つです。
1つ目は、MACDがマイナスの状態で、36EMAが144EMAの下にあり、144EMAが676EMAの下にあり、さらに高値が36EMAを上から下に抜ける場合です。
このポジションは、MACDがプラスになるか、36EMAが169EMAよりも高くなると決済します。
また、終値がボリンジャーバンドのロワーバンドの値×0.999を下から上に抜ける場合も決済されます(以下の3つ目でも同様に適用)。
2つ目は、MACDがマイナスの状態で、169EMAが676EMAの下にあり、さらに高値が169EMAを上から下に抜ける場合です。
このポジションは、MACDがプラスになるか、169EMAが676EMAよりも高くなると決済します。
また、終値がボリンジャーバンドのロワーバンドを下から上に抜ける場合も決済されます(×0.999の条件はありません)。
3つ目は、MACDがマイナスの状態で、さらに高値が676EMAを上から下に抜ける場合です。
このポジションは、MACDがプラスになるか、676EMAが2304EMAよりも高くなると決済します。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは14種類です。
このうち、EMAの計算期間とSMAの計算期間はチャート表示で使用し、トレードそのものには影響しません。
パラメーター設定
Use Current Chart Resolution? | オン(選択しているチャートの時間軸を使用) |
---|---|
Use Different Timeframe? Uncheck Box Above | D(上の選択肢がオフの場合、どの時間軸を使用するか[Dは日足]) |
12 EMA | 12(EMAの計算期間) |
240 SMA | 240(SMAの計算期間) |
BB Length | 20(ボリンジャーバンドの計算期間) |
BB Source | close(ボリンジャーバンドの計算で使用する値) |
BB StdDev | 2(ボリンジャーバンドのσの値) |
BB Offset | 0(ボリンジャーバンドの描画を左右にずらす) |
Start Date | 1(当ストラテジー利用開始日) |
Start Month | 1(当ストラテジー利用開始月) |
Start Year | 2018(当ストラテジー利用開始年) |
End Date | 1(当ストラテジー利用終了日) |
End Month | 11(当ストラテジー利用終了月) |
End Year | 2030(当ストラテジー利用終了年) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 20注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
S&P500 日足
制作者によると、このストラテジーは個別株式、株価指数、商品での取引を意図しています。
そこでS&P500でバックテストしたところ、おおむね右肩上がりとなりました。
なお、勝率は65.91%と高く、プロフィットファクターは2.244となっています。
US30 日足
US30でバックテストしたところ、マイナス圏で推移する期間がほとんどで、改善が必要な結果となりました。
勝率は46.23%、プロフィットファクターは0.877であり、損失を出したまま終了しています。
バックテスト総括
S&P500のバックテストと比べて、US30は改善が必要な結果となりました。
パラメーターを調整することで成績を改善できる可能性があります。
3.注意すべきポイント
- ・エントリー条件とエグジット条件のパラメーターの多くが固定されており、変更できない
- ・ピラミッディングを採用しており、最大で20ポジションを保有する
- ・取引対象や時間軸によって成績にばらつきが見られる
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