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TradingViewのコミュニティスクリプト「YJ Mean Reversion」のロジック概要や注意点を解説


この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「YJ Mean Reversion」(制作者名:TsangYouJun)について紹介します。

1.ロジック概要

長期運用向けのストラテジーで、上昇が見込まれる通貨ペア(銘柄)でのトレードを想定しています。
基本はロングでのみエントリーし、ショートは例外的に保有する場合もあります。
移動平均線を中心にして上下に5本、一定の幅ずつ離れた場所に移動平均線をずらして描きます。

そして、移動平均線直下の線と2本目の線の間をB1、2本目の線と3本目の線の間をB2とし、以下同様に繰り返して一番下の線の下の範囲をB5とします。
移動平均線の上側も同様に名称をつけ、S1、S2…S5とします。

取引開始後、ローソク足の終値がB1に収まる場合、次の始値で指定の数量(パラメーターの「Level 1」)を新規買いします。
同様に、ローソク足の終値がB2に収まる場合は別途指定した数量(パラメーターの「Level 2」)を買い、以下同様です。

その後、為替レート等が上昇して終値がS1に収まる場合、指定数量(パラメーターの「Level 1」)を決済します。
S2に収まる場合も指定数量(パラメーターの「Level 2」)を決済し、以下同様です。

ロングポジションを保有している場合だけショートします。
ただし、保有しているロングの数量よりもショートの指定数量の方が大きい場合は、例外的にショートポジションを持ちます。

このショートポジションは、終値がB1~B5の範囲に収まると決済されます。
なお、最大ポジション数量の指定はなく、終値が買い条件に当てはまると、繰り返しロングポジションを新規保有します。
資金の上限に達して新規ポジションを保有できない場合は、ポジションを構築しません。

このストラテジーは、価格が下落しても最終的には上昇するという意図に基づいて作られています。
このため、価格が下がれば下がるほど大きなポジションを保有します。

2.ストラテジーテスター

ユーザーが設定可能なパラメーターは7種類です。
移動平均線から遠くなればなるほど多くのポジションを新規保有・決済する設定になっており、上下動の大きい相場で利幅を積極的に狙う意図が分かります。

パラメーター設定

 
Moving Average (bars) 28(移動平均線の計算期間)
Deviation Increment (%) 3(乖離率[%])
Level 1 (units) 1(レベル1に到達したときの取引数量)
Level 2 (units) 2(レベル2に到達したときの取引数量)
Level 3 (units) 4(レベル3に到達したときの取引数量)
Level 4 (units) 8(レベル4に到達したときの取引数量)
Level 5 (units) 16(レベル5に到達したときの取引数量)

プロパティ初期設定

 
初期資金 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金)
基準通貨 デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨)
発注サイズ 1取引(取引ごとの枚数)
ピラミッディング 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) ピラミッディングの指定にかかわらず、条件を満たすたびに繰り返し新規保有します。

S&P500 月足

S&P500 月足

このストラテジーはS&P500の月足チャートを基準にして作られています。
バックテスト開始初期に含み損になった時期がありますが、その後は順調に利益を伸ばしています。
勝率は81.63%でプロフィットファクターは13.739という驚異の成績です。

S&P500 週足

S&P500 週足

S&P500について週足チャートでもバックテストしたところ、月足チャートと同様に右肩上がりになりました。
週足チャートは取引回数がより多くなっている様子が分かります。
勝率は85%でプロフィットファクターは12.589となっています。

バックテスト総括

このストラテジーは長期的に上昇する場合に好成績になる仕組みです。
勝率、プロフィットファクターのいずれも驚異的な数字であり、長期的に上昇する銘柄に投資できるかどうかが重要なポイントになりそうです。

3.注意すべきポイント

  • ・取引条件に合致すると、買いポジションを繰り返し構築する
  • ・長期的に下落し続ける場合、含み損が大きくなる可能性がある
  • ・押し目なく上昇し続ける場合、ポジションを新規保有できない可能性がある

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