TradingViewの内蔵ストラテジー「Pivot Reversal Strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「Pivot Reversal Strategy」について紹介します。
1.ロジック概要
ピボット反転ストラテジーは、TradingView に搭載されているPivots HLというテクニカル指標を使用した、トレンドフォロー型の戦略です。
Pivots HLは値動きの変化や反転を予測するために用いられるインジケーターで、任意のローソク足の本数からピボットハイ、ピボットローの価格水準を算出してチャート上に示します。
このストラテジーでは、ピボットハイを上にブレイクしたら買い、ピボットローを下にブレイクしたら売りというルールをドテンで行います。
2.ストラテジーテスター
パラメーターは以下の2種類です。
Pivots HL を算出するためのローソク足の本数を任意で設定でき、LeftBarsは左側の本数、RightBarsは右側の本数を表します。
デフォルトでは左側が4本、右側が2本です。
パラメーター初期設定
LeftBars | 4(Pivots HL算出の対象とする左側のローソク足本数) |
---|---|
RightBars | 2(Pivots HL算出の対象とする右側のローソク足本数) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
Pivots HLを抜けた方向へのトレンドフォロー戦略で、トレンドが強い場合は利幅を伸ばせる傾向にありますが、そうでない場合はダマシに遭うケースも多そうです。
以下のテストは、すべてデフォルト設定で行い、チャート上にはカスタムインジケーターの「Pivots High Low Line」(ピボットハイ、ピボットローの水準にラインが引かれる)を表示しています。
【米ドル/円 日足】
米ドル/円の日足では、右肩上がりの成績となりました。
ただし勝率は40%を下回るほど低いため、決済の部分などで改善の余地があると言えそうです。
【米ドル/円 4時間足】
米ドル/円は日足以外の多くの時間軸でも右肩上がりの成績となりました。
多くの時間軸で右肩上がりとなる傾向は、その他の通貨ペアでも見られました。
ドテンのストラテジーであるため、利益確定や損切りが遅くなってしまう傾向があり、それが勝率やPFに影響しています。
トレンドの初動を捉えるブレイクアウトなので、損切りは浅めに、利益確定は欲張らないというルールに改良することで、成績向上が図れそうです。
3.注意すべきポイント
- ・多くの通貨ペア、時間軸で右肩上がりの成績となった
- ・ただし勝率やPFは不十分
- ・ドテンのストラテジーなのでポジションを長く持ち続けてしまう
- ・決済ルールを改良することで勝率やPFを向上できそう。
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