「PineScript v4 - Forex Pin-Bar Trading Strategy」とは?バックテスト結果や使う際の注意点
この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「PineScript v4 – Forex Pin-Bar Trading Strategy」(制作者名:TsangYouJun)について紹介します。
1.ロジック概要
このストラテジーは、ピンバー(ヒゲが長く実体が短いローソク足)とSMAを使ってエントリー条件を設定します。
ロングのエントリーは、以下の4条件を同時に満たすときに実行されます。
- 1つ目は、直近4本のローソク足において、短期SMAが長期SMAよりも大きいこと
- 2つ目は、ピンバーが上昇を示唆していること
- 3つ目は、ピンバーが短期SMAまたは長期SMAと重なっていること
- 4つ目は、SMAが一定の傾きを持っていること(この条件は使用しないことも可能です)
なお、エントリー価格は1本前のローソク足の高値に設定されます。
価格が一定の期間にわたって同水準に到達しない場合、注文はキャンセルされます。
そしてポジション保有後、利食いポイントまたは損切りポイントに到達するか、または短期SMAが長期SMAを上から下に抜けるとポジションを決済します。
一方、ショートのエントリー条件は、ロングの逆です。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは11種類です。
パラメーター設定
Equity Risk (%) | 3(1取引で投入する資金の割合[%]) |
Stop Loss (x*ATR, Float) | 1.9(ATRを何倍にするか。ストップロス計算時に使用) |
Risk:Reward (1:x*SL, Float) | 3.1(エントリー価格とストップロスの間の値幅を何倍にするか。利幅計算時に使用) |
Fast MA (Period) | 20(短期SMAの計算期間) |
Slow MA (Period) | 50(長期SMAの計算期間) |
ATR (Period) | 14(ATRの計算期間) |
Use MA Slope (Boolean) | オン(SMAの傾きをエントリー条件に入れるか) |
Bull Slope Angle (Deg) | 1(短期SMAがこの傾きより大きいときロングでエントリー) |
Bear Slope Angle (Deg) | -1(短期SMAがこの傾きより小さいときショートでエントリー) |
Exit When MA Re-Cross (Boolean) | オン(SMAの条件を決済時に使用するか) |
Cancel Entry After X Bars (Period) | 3(エントリー条件が満たされた後に指定のローソク足の本数経過してもエントリーしないとき、注文をキャンセル) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
豪ドル/円 1時間足
ストラテジー制作者によると、推奨は1時間足チャートです。
そこで、豪ドル/円の1時間足チャートでバックテストしたところ、勝率36.73%でプロフィットファクターは1.705でした。
損益グラフの形状がややいびつで、改善が必要な模様です。
豪ドル/円 日足
豪ドル/円の日足チャートで確認したところ、勝率は32%でプロフィットファクターは1.727となりました。
1時間足チャートと比べて数字に大きな差はないものの、損益グラフは右肩上がりになっています。
このため、このストラテジーは1時間足チャート以外でも有効だと分かります。
バックテスト総括
ストラテジー制作者は1時間足チャートを推奨していますが、他の時間足でも機能するもようです。
取引対象によって損益グラフがいびつになるので、パラメーターを変更することで成績を改善できる可能性があります。
3.注意すべきポイント
- ・エントリー条件やエグジット条件の計算がやや難しい
- ・レンジ相場で損切りを繰り返す可能性がある
- ・押し目や戻りが乏しいトレンド相場ではエントリーしにくい可能性がある
TradingViewのストラテジーをさらに読みたい方へオススメコンテンツ
OANDA証券では、TradingView(トレーディングビュー)の内蔵ストラテジーを活用した取引戦略に関するコンテンツを豊富に提供しています。
どんな相場なら通用しやすいのかや、相性の良い通貨ペアなど、具体的な運用方法を知ることができ、参考にしていただけます。
TradingView(トレーディングビュー)で使用する情報は、全てTradingView(トレーディングビュー)社に帰属するものであり、当社は、その正確性、完全性を保証するものではありません。同サイトで使用する情報に基づいて行った取引によって発生したいかなる損害・損失について、当社は一切責任を負いかねますのでご了承下さい。最終的な投資判断についてはお客様ご自身でお願い致します。
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。