TradingViewの内蔵ストラテジー「Parabolic SAR Strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「Parabolic SAR Strategy」について紹介します。
1.ロジック概要
ドテンのサインを表すパラボリックを使用したストラテジーです。
パラボリックは、SAR(Stop And Reverse)というポイントを放物線で表示するテクニカル指標で、その表示に従ってロングとショートをドテンしていくのが基本的な使い方です。
SARがローソク足の上から下に位置を変えたら買い、その逆に下から上に位置を変えたら売りを繰り返します。
SARとローソク足が接触すると、反対側へ位置を変更する特徴があります。
2.ストラテジーテスター
パラメーターは以下の3種類です。
パラボリックの計算に用いる加速度ファクター(Acceleration Factor)に関して、開始(初期値)、増分(加算する際の値)、最大値(加算の最大値)を設定します。
これらの値はSARとローソク足との乖離や、ドテンの頻度に影響を与えます。
【パラメーター初期設定】
開始 | 0.02(加速度ファクターの開始値) |
---|---|
増分 | 0.02(加速度ファクターの増分量) |
最大値 | 0.2(加速度ファクターの最大値) |
【プロパティ初期設定】
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
このストラテジーは、デフォルトでもそれなりの成績になる通貨ペアや時間軸が多く見られました。
元々がドテンのシグナルとなるパラボリックを使用したストラテジーであるため、ポジションを保有し続けるドテンといえども優位性の高いトレードを繰り返してくれます。
プロパティを変更することで、より良い成績が目指せそうです。
以下のテストは、すべてデフォルト設定で行っています。
【米ドル/円 日足】
勝率は約40%弱と物足りないものの、プロフィットファクターは1.175と悪くありません。
パラメーター調整により成績向上が図れそうです。
【ポンド/円 日足】
ポンド円の日足でも、米ドル/円の日足と同等の勝率、プロフィットファクターの成績が見られました。
多くの通貨ペアの日足で、右肩上がりの成績が見られました。
トレードの平均バー数(トレード中に要したローソク足の平均本数)は約12本で、長いときは約1か月近くポジションを保有するようなスイングトレードとなりそうです。
3.注意すべきポイント
- ・デフォルトでもそれなりに好成績
- ・多くの通貨ペアで、日足の成績が良かった
- ・パラメーター調整により成績向上の可能性あり
- ・短期時間軸は苦手そう
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