TradingViewの内蔵ストラテジー「MOM Strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「MOM Strategy」について紹介します。
1.ロジック概要
オシレーター系テクニカル指標のモメンタムを使用したストラテジーです。
モメンタムは現在と過去の価格差を比較することで、相場の勢いを判断します。
0ラインを中心として、プラスなら現在の価格が過去よりも高いこと、マイナスなら現在の価格が過去よりも低いことを意味します。
このストラテジーは、パラメーターとして設定した期間内の価格変動がプラスで、かつ直近のローソク足が上昇した場合に買います。
その逆に、期間内の価格変動がマイナスで、かつ直近のローソク足が下落した場合に売ります。
これらをドテンで繰り返す戦略です。
TradingViewの解説によると、どの通貨ペアや時間足でも使用できるとのことです。
2.ストラテジーテスター
パラメーターは以下の1種類です。
現在の終値と、設定した期間をさかのぼった終値を比較してグラフを作ります。
【パラメーター初期設定】
期間 | 12(モメンタムの期間) |
---|
【プロパティ初期設定】
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
単純なルールでドテンを繰り返すだけのストラテジーですが、多くの通貨ペアや時間軸でそれなりの成績が見られました。
パラメーターの期間や、決済のルールを変更することで、さらなる成績向上が図れそうです。
【米ドル/円 日足(デフォルト)】
米ドル/円でのテストでは、日足以外にも週足、4時間足、1時間足などで右肩上がりの成績でした。
とはいえ、勝率が低いことが多く、改善の必要があります。
【米ドル/円 日足(期間:3)】
米ドル円の日足で、パラメーターを3に変更してテストしました。
勝率とプロフィットファクターが、デフォルトよりも向上しました。
パラメーターを変更することで、勝率やプロフィットファクターが改善される傾向があります。
また、ドテンではなく決済のルールをアレンジすることで、さらに成績を向上できそうです。
3.注意すべきポイント
- ・勝率は低いが、多くの通貨ペア・時間軸で右肩上がりの成績
- ・パラメーター変更によりトレードの質や成績が変化
- ・ドテンのストラテジーであるため苦手な局面でもトレードしてしまう
- ・決済のルールを工夫することで成績向上の可能性あり
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