TradingViewの内蔵ストラテジー「Inside Bar Strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「Inside Bar Strategy」について紹介します。
1.ロジック概要
インサイドバーは、日本語ではらみ足と呼ばれるローソク足の組み合わせのことです。
現在のローソク足の全長が一本前のローソク足の高値と安値の間に包まれている形を指します。
このストラテジーでは、インサイドバーの次のローソク足の始値でエントリーし、再度インサイドバーが出現したときにドテンの売買を繰り返します。
インサイドバーが出現する度にドテンするだけのストラテジーであり、売買の方向に関する意図は含まれていません。TradingViewの説明によれば、エントリーのルールをアレンジすることで、成績向上が図れそうです。
一例として、インサイドバーの高値(安値)に逆指値注文を入れて、ブレイクアウトしたときにエントリーする方法が紹介されています。
インサイドバーは、相場の停滞や反転を示唆しますが、出現する箇所やローソク足の色の組み合わせ、その大きさなどによって示唆する内容は異なります。
それらを一切考慮せず、機械的にドテンしていくのが、このストラテジーの特徴です。
2.ストラテジーテスター
簡素なロジックであるため、変更可能なパラメーターはありません。
【プロパティ初期設定】
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引後との枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
インサイドバー出現でドテンするだけのストラテジーであるため、基本的には好成績にならないようです。
以下のテストは、すべてデフォルト設定で行っています。
【ユーロ/円 1時間足】
この例のように、勝率は50%前後、プロフィットファクターは1.0前後に落ち着く結果が、他のテストでも多く見られました。
【ユーロ/円 15分足】
そのときの相場に売買方向が噛み合えば好成績になるケースも見られました。
ただし、この成績が将来も継続する可能性は低いといえるでしょう。
このストラテジーは、そのまま用いるのには向いていません。
インサイドバーを厳選したうえで売買の方向を決めたり、エントリーや決済を工夫したりすることで、優位性の高いトレードを実現できる可能性があります。
3.注意すべきポイント
- ・売買方向を決めるルールがないのが弱点
- ・そのまま使用しても好成績にならない
- ・好成績の通貨ペア、時間軸があっても、その継続性は不確実
- ・インサイドバーの厳選により相場の反転局面を探せる可能性あり
- ・トレードルールのアレンジにより成績向上が狙える
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