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TradingViewの内蔵ストラテジー「BB Strategy directed」のロジック概要や注意点を解説


この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「BB Strategy directed」について紹介します。

1.ロジック概要

このストラテジーは同じく内蔵された「BB Strategy」の応用版で、売買ロジックはそのままに、パラメーター設定にて売買方向を決める機能が追加されています。
デフォルトではロングとショートの両方向の売買が有効になっていますが、どちらかのみを採用することができます。

売買ルールは、ボリンジャーバンドの内側から±2σを超えて終値をつけた後に、再び2σの内側に戻って終値をつけたら、その方向へ次の足でエントリーします。
デフォルトではこれらをドテンで繰り返しますが、売買方向をロングかショートのどちらかに指定した場合は、その方向のトレードだけが行われます。

2.ストラテジーテスター

パラメーターは以下の3種類です。
ボリンジャーバンドの期間とマルチ(標準偏差)の設定を変更できます。
また、Strategy Directionの数値に関して、「0」はロングとショート、「1」はロングのみ、「-1」はショートのみといったように、売買方向を指定することができます。

【パラメーター初期設定】

                                           
期間20(ボリンジャーバンドの期間)
マルチ2(標準偏差σの値)
Strategy Direction0(売買方向の指定)

【プロパティ初期設定】

                                                         
初期資金1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金)
基準通貨デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨)
発注サイズ1取引(取引ごとの枚数)
ピラミッディング1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数)

ドテンのストラテジーは常にポジションを持ち続けるため、不利な場面でもトレードしてしまうのが課題ですが、ロングのみ、ショートのみに絞ることで、優位性を高められる可能性があります。
下記は、米ドル/円の同条件でロングのみ、ショートのみのテストをした結果です。

【米ドル/円 5分足(ロングのみ)】

米ドル/円 5分足(ロングのみ)

序盤でマイナス収支になる局面があるものの、右肩上がりの推移となりました。
勝率は71.19%、プロフィットファクターは1.733と好調です。

【米ドル/円 5分足(ショートのみ)】

米ドル/円 5分足(ショートのみ)

ロングのみとは打って変わり、全般的に振るわずマイナス収支となりました。
勝率は57.14%ですが、プロフィットファクターが0.873と損失の大きさが足を引っ張る結果となりました。

相場環境によっては、売買の方向を指定することで、結果に大きな違いが生まれることもありそうです。
上位時間軸のトレンドを確認し、その方向でのみトレードするなどの工夫をすると良いでしょう。
なお、このストラテジーはエントリー後に思惑と逆行してしまった場合に、含み損や損切りが大きくなってしまうのが弱点です。
そのため、なるべく短めの時間軸で運用して、損失を抑えるのが良さそうです。

3.注意すべきポイント

  • ・相場環境によって、ロングまたはショートのみが有効になり得る
  • ・勝率やプロフィットファクターは相場環境に左右される
  • ・長い時間軸は損失が大きくなる可能性がある
  • ・上位時間軸のトレンド方向に順張りすることで成績向上が図れる可能性あり

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