TradingViewのコミュニティスクリプト「2-Period RSI strategy (with filter)」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「2-Period RSI strategy (with filter)」(制作者名:Tomazetti)について紹介します。
1.ロジック概要
このストラテジーは、終値、移動平均線、RSI、RSIの移動平均線の4つを使い、ロングだけでエントリーします。
エントリーする条件は3つあります。
1つ目はRSIが売られすぎの基準よりも下にあること、2つ目は終値が長期移動平均線の上に位置すること、そして3つ目はRSIの移動平均線が売られすぎの基準よりも下にあることです。
これらが同時に満たされると、ロングでエントリーします。
長期移動平均線で上昇トレンドを確認しつつ、短期の値動きで売られすぎを狙う意図が分かります。
なお、パラメーターの変更によりRSIの移動平均線の条件を削除することもできます。
決済の条件は1種類で、終値が短期移動平均線よりも大きくなることです。
なお、パラメーターを変更してストップロス注文の追加設定もできます。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは15種類あります。
RSIの計算期間が極端に短い一方、長期移動平均線の計算期間は200となっており、長期と超短期の両方でエントリーのタイミングを計ろうとしています。
注意点として「OverBought Level for RSI」「OverBought Level for the Moving Average of the RSI」の訳は「買われすぎ」ですが、実際は売られすぎの基準として使っています。
なお、パラメーター名の最初に「Backtest」が入っている6つは、バックテスト期間の指定に使います。
このストラテジーをトレードで使用する場合は、バックテスト終了日を十分遠い未来に設定します。
パラメーター設定
RSI Lenght | 2(RSIの計算期間) |
---|---|
OverBought Level for RSI | 10(RSIの売られすぎの基準) |
Short MA Length | 5(短期移動平均線の計算期間) |
Long MA Length | 200(長期移動平均線の計算期間) |
RSI Moving Average Filter | オン(RSIの移動平均線をストラテジーで使用) |
RSI Moving Average Length | 4(RSIの移動平均線の計算期間) |
OverBought Level for the Moving Average of the RSI | 30(RSIの移動平均線の売られすぎの基準) |
Apply Stop Loss | オフ(ストップロスを採用するか) |
% Stop Loss | 10(ストップロスの大きさ[%]) |
Backtest Start Year | 2009(バックテスト開始年) |
Backtest Start Month | 1(バックテスト開始月) |
Backtest Start Day | 2(バックテスト開始日) |
Backtest Stop Year | 2020(バックテスト終了年) |
Backtest Stop Month | 12(バックテスト終了月) |
Backtest Stop Day | 30(バックテスト終了日) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 100%(資産比) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
米ドル/円 日足
バックテストの初期段階でわずかにマイナスになりましたが、その後は大きなドローダウンもなく右肩上がりで推移しています。
勝率は76.09%、プロフィットファクターは2.8でした。
【メリット1】
自動売買プログラム(EA)を使って自動で取引ができるユーロ/円 4時間足
取引回数がやや少ないものの、資産を増やしている様子が分かります。
勝率は55.56%、プロフィットファクターは2.795です。
損切りするときは小さく、利食いするときは利幅を大きく取っています。
バックテスト総括
パラメーター値が200の長期移動平均線を使うので、トレード回数は控えめです。
トレード頻度を高くするには、パラメーターを変更したり他の通貨ペアでもトレードしたりする必要があります。
3.注意すべきポイント
- ・ロングだけでエントリーするので、下落局面では取引しない可能性がある
- ・初期設定ではトレード頻度が低くなる可能性がある
- ・初期設定ではストップロスをオフにしており、1トレードの損失幅が大きくなる可能性がある
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