TradingViewのコミュニティスクリプト「SRJ RSI Outperformer Strategy」のロジック概要や注意点を解説
この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「SRJ RSI Outperformer Strategy」(制作者名:Sapt_Jash)について紹介します。
1.ロジック概要
このストラテジーは、終値、トレンド判定用SMA、RSIの値を使用して作成した2種類のSMAといった合計4つを使って売買判断を行います。
ロングの場合、終値がトレンド判定用SMAよりも上にある状態で、短期SMAが長期SMAを下から上に抜けるとエントリーします。
この意図は、終値がトレンド判定用SMAよりも上にあれば上昇トレンドとみなし、その上でゴールデンクロスが実現したらエントリーするということです。
そしてポジション保有後、短期SMAが長期SMAを上から下に抜けるか、または終値がトレンド判定用SMAを上から下に抜けた後、指定の利幅(%)または損失幅(%)になると決済します。
このストラテジーはロングのみで、ショートはありません。
2.ストラテジーテスター
設定可能なパラメーターは6種類です。
ストラテジー開発者によると、トレンド判定用SMAのパラメーター値は100または200が望ましいとのことです。
パラメーター設定
Length Of Fast RSI | 14(短期RSIの計算期間) |
Length Of Slow RSI | 28(長期RSIの計算期間) |
Length Of Moving Average | 14(RSIを使ったSMAの計算期間) |
Length Of Deciding Moving Average | 100(トレンド判定用SMAの計算期間) |
Target Profit Percentage | 20(利幅%) |
Stoploss Percentage | 10(損失幅%) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 1取引(取引ごとの枚数) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
米ドル/円 4時間足
バックテスト期間前半は損益が横ばいで推移しましたが、後半で成績を伸ばしました。
成績が伸びない期間にこのストラテジーで取引を継続できるかどうかが、成否の鍵になりそうです。
プロフィットファクターは1.711と高めである一方、勝率は35.85%と低いのが特徴的です。
ユーロ/円 4時間足
バックテスト序盤で成績を伸ばし、その後は横ばいで推移しました。
そして終盤に再び成績を伸ばしている様子が分かります。
こちらも、成績が伸びない期間のストラテジーの扱いが成否を分けるかもしれません。
プロフィットファクターは3.005、勝率は45%でした。
バックテスト総括
全体的にバックテスト成績は良好ですが、成績が伸びない期間のストラテジーの扱いが問題となりそうです。
トレンド判定用SMAが横ばいまたは下落気味の場合は、利幅と損失幅の差を縮めたり数字そのものを小さくしたりすると、成績が向上するかもしれません。
3.注意すべきポイント
- ・ロングのみのストラテジーのため、下落局面ではエントリーしない可能性がある
- ・デフォルト設定の利幅は損失幅の2倍で、勝率が低くなる傾向にある
- ・レンジ相場で損切りを繰り返す可能性がある
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