「CCI+EMA Strategy with Percentage or ATR TP/SL [Alifer]」とは?バックテスト結果から活用方法や注意点を解説
この記事では、TradingView(トレーディングビュー)のコミュニティスクリプトに投稿された「CCI+EMA Strategy with Percentage or ATR TP/SL [Alifer]」(制作者名:alifer123)について紹介します。
※本文の内容は執筆時点(2024年6月)のものです。
ストラテジーのコードはアップデートされる可能性があります。
1.ロジック概要
このストラテジーは、CCI、RSI、EMAの3つを使ってエントリーします。
CCIやRSIで買われすぎや売られすぎを判断し、EMAでトレンドを確認することで、勝率と大きな利幅の両方を狙っています。
ロングのエントリー条件は、終値がEMAよりも上にあり、RSIが売られすぎの水準にある状態で、CCIが売られすぎの基準を下から上に抜けることです。
ショートのエントリー条件は、ロングの逆です。
なお、CCIの使用は必須、RSIとEMAの使用については選択制を採用しており、デフォルト設定はCCIとEMAの2種類を使っています。
用意されている決済方法は3種類。
このうち1つは必ず適用され、残り2つは任意で適用できます。
必ず適用される決済方法は、ロングポジション保有時にCCIが買われすぎの基準を下から上に抜けるか、または、ショートポジション保有時にCCIが売られすぎの基準を上から下に抜ける場合です。
そして、選択可能な決済方法の1つ目は、含み益または含み損が特定の大きさ(%)に達した場合に決済する方法です。
2つ目は、ボラティリティを考慮に入れ、ATRを使って決済位置を決める方法です。
デフォルトでは特定の大きさ(%)を採用しています。
複数の選択肢を提示し、ユーザーの好みに応じてカスタマイズできるように工夫しています。
2.ストラテジーテスター
ユーザーが設定可能なパラメーターは16種類あります。
決済に関して、Percentage TP/SLとATR TP/SLを両方ともオフにしないよう、注意が必要です。
パラメーター設定
CCI Length | 14(CCIの計算期間) |
---|---|
買われすぎ | 150(CCIの買われすぎの基準) |
売られすぎ | -140(CCIの売られすぎの基準) |
Use RSI | オフ(RSIを使用するか) |
RSIの期間 | 14(RSIの計算期間) |
RSI Overbought | 70(RSIの買われすぎの基準) |
RSI Oversold | 30(RSIの売られすぎの基準) |
Use EMA | オン(EMAを使用するか) |
EMA Length | 55(EMAの計算期間) |
Percentage TP/SL | オン(エントリー後、特定の利幅または損失幅【%】で決済するか) |
ATR TP/SL | オフ(エントリー後、ATRを使って決済位置を決めるか) |
Take Profit (%) | 10(Percentage TP/SLをオンにした場合の利食いの大きさ【%】) |
Stop Loss (%) | 10(Percentage TP/SLをオンにした場合の損切りの大きさ【%】) |
ATR Length | 20(ATR TP/SLをオンにした場合の、ATRの計算期間) |
ATR SL Multiplier | 4(ATR TP/SLをオンにした場合の、損切り位置の調整係数) |
Risk Reward Ratio | 2(ATR TP/SLをオンにした場合の、利食い位置の調整係数) |
プロパティ初期設定
初期資金 | 10,000(ストラテジーで取引可能な初期資金) |
---|---|
基準通貨 | デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨) |
発注サイズ | 10%(資産比) |
ピラミッディング | 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数) |
ユーロ/円 日足
ユーロ/円の日足チャートでバックテストしたところ、ジグザグと右肩上がりの成績になりました。
勝率は75.00%と高く、プロフィットファクターも1.761と好調すぎるくらいです。
ポンド/円 日足
ポンド/円の日足チャートの場合、途中までは右肩上がりでしたが、最後に成績を落としています。
勝率は62.50%と悪くありませんが、最後のドローダウンでプロフィットファクターは0.979まで落ちました。
このようなドローダウンの見極めが成否を分けるポイントになりそうです。
バックテスト総括
おおむね右肩上がりのバックテスト成績ですが、ポンド/円はやや長期間のドローダウンがあります。
使用するインジケーターや決済方法について複数の選択肢があるので、調整することでドローダウンを抑えられる可能性があります。
3.注意すべきポイント
- ・使用するインジケーターや決済方法、パラメーターの数字で自由度が高い
- ・パラメーターの検証、調整には根気が必要になる
- ・CCIを軸に構成しており、トレンド傾向が強い相場などCCIが機能しにくい場面では、損切りが繰り返される可能性がある
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