TradingView(トレーディングビュー)でのフィボナッチ・リトレースメントの使い方
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フィボナッチ比とは
フィボナッチ比とは以下のようにn2 = n + n1の関係にある数列の各数値間の比率です。
1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144,・・・・・
上の数列から34, 55, 89の3つの数値と144との比率を示すと以下のようになります。
リトレースメント | エクステンション |
---|---|
0.0 | 1.0 |
0.236 =34÷144 | 1.272 = √1.618 |
0.382 =55÷144 | 1.618 =144÷89 |
0.5 | 2.618 =144÷55 |
0.618 =89÷144 | 4.236 =144÷34 |
0.786 =√0.618 | |
1.0 |
上記のように隣同士の数値(89と144)の比率が0.618、1.618と黄金分割比になっていて、1つおき、2つおきの比率と合わせてフィボナッチ・リトレースメント(戻し)とフィボナッチ・エクステンション(次回のテーマ)で使われる比率群ということになります。
一部平方根の表示もありますが、1.618×1.618=2.618というようにフィボナッチ比には平方根の比率も含まれていることから0.764ではなく0.786を使うことも多く、TradingViewで0.786が採用されている理由もここにあります。
フィボナッチ・リトレースメント
前置きはこのくらいにして実際に使ってみましょう。
ドルフランの週足チャートにフィボナッチ・リトレースメントを引いてみます。
ツールは左側のアイコン群のトレンドラインの下(上から3つ目)にあります。
2022年の2度のパリティ(1.0000)超えを見せましたが、その後は2023年まつにかけて大きく反転下落。
2024年と上昇しますが、フィボナッチ・リトレースメントの50%戻しで反発していることが見て取れます。
このように教科書的な例ばかりではありませんが、多くの人が参考にしている水準でもあり結構フィボナッチ比の水準で止まることが多いため気にしておくとよいです。
ちなみに、英語ではリトレースメント(戻し)という単語しか使われませんが、日本の相場用語では下降時の調整は「戻し」ですが、上昇時の調整は「押し」という単語を使うことが一般的です。
話はそれますが、同じ損切りでも買い持ちの損切りは投げる、売り持ちの損切りは踏み上げると日本の相場用語は細かく分けて使われるのは面白いですね。
クラスター
クラスターというのはフィボナッチ・リトレースメントのような値幅観測ツールを使った際に、複数の水準が重なっている水準を指します。
一般的には長期チャートのリトレースメントと短期チャートのリトレースメントが比率を変えて重なる場合や、前回高値・安値の水平線と重なる場合などがあります。
先ほどのドルフランを日足チャートにして短期のフィボナッチ・リトレースメントを引いてみます。
2023年12月安値と2024年4月高値とのフィボナッチ・リトレースメントを追加しました。
この日足の23.6%押し(0.90139)と50%押し(0.87785)の水準が、それぞれ先ほどの週足の38.2%戻しと23.6%戻しの水準と重なっていることが分かります。
前者の水準では2024年5月に2度サポートする動きを見せており、ブレイク後は2024年7月にレジスタンスとして機能しています。
現在は後者の水準に差しかかってきていますが、0.877前後の水準でいったん止まりやすいのではないかといった見方ができます。
値幅観測を行う場合、週足で見てから日足で見てみるという手順がやりやすく効果的だと思いますので、長期と短期のターゲットで重なる水準を探すことを試してみてください。
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フィボナッチをさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:フィボナッチの基本的な見方、使い方、トレーディングアイデアを紹介
本記事の監修者・山中康司氏
- 1982年慶応義塾大学卒業後、アメリカ銀行に入行。トレーディング業務に従事し、1989年バイスプレジデント。
- 1997年日興証券に移り、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。
- 2002年金融コンサルティング会社アセンダントを設立、取締役に就任。
- 2019年よりTradingView日本マーケットの責任者。
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