TradingView(トレーディングビュー)でFRBのバランスシートを表示する方法と考察
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FRBのバランスシート
前回はFRBの政策金利をTradingView(トレーディングビュー)に表示させましたが、今回はFRBのバランスシートを表示させてみましょう。
FRBはコロナショックを受け利下げ、量的緩和と金融政策面で米国景気をさア冴えてきましたが、景気に過熱感も見えてきたことでこれまで毎月大量に購入していた米国債の購入金額を徐々に減らし(テーパリング)、2021年3月に新規の購入を停止し、利上げに移行しました。
国債は満期を迎えると償還されますので、これまでは償還を迎えた国債を再投資することで保有する国債の残高は維持していました。
しかし、2022年6月からは再投資を停止して、FRBのバランスシート自体を縮小させる量的引き締め(QT)が始まりました。
FRBのバランスシートの推移は多くの市場関係者が注目する重要テーマです。
FRBのバランスシートを表示する方法を押さえておきましょう。
TradingViewでFRBのバランスシートを表示
TradingViewでは、米国の中央銀行であるFedが提供するデータを使用して、FRBのバランスシート総額を確認できます。
今回は、バランスシートを比較チャートとしてサブチャートに表示します。
メインチャートに表示するシンボルは何でも良いのですが、ここでは関連が深いと思われる米国10年債利回り(US10Y)の月足を表示してあります。
バランスシートのシンボル名は「WALCL」です。
左上の+マーク(シンボルを比較)から「WALCL」を検索して、「新規ペイン」をクリックすると、次の画像のようにサブチャートに追加されます。
バランスシートの考察
2008年のリーマンショック以降のFRBのバランスシートの状況が全て表示されているチャートのため、色々と興味深いことがわかります。
リーマンショック前は1兆ドルにも満たなかったバランスシートがリーマンショックをきっかけに2兆ドルへと倍増したこと。
その後の3回に渡る量的緩和(QE1からQE3)の実施で2015年初には4.5兆ドルに膨張したこと。
その後テーパリングもあって2019年8月には3.8兆ドルに縮小していたことと、このあたりはサブチャートに示されている通りです。
そしてその後は隠れQEと呼ばれたバランスシートの拡大でコロナショック前には既に4.2兆ドルへと拡大し、コロナショックで直近では8.9兆ドルにまで急激に膨張しました。
大きな金融市場の異変とともに、1、2、4、8と倍々ペースの増加です。
バランスシートの縮小を開始してもおそらくはコロナショック前の水準にまではとても戻せないと思いますが、GDPの3分の1程度が許容範囲とも言われていますので、そうなると米国のGDPは21兆ドル、7兆ドル以下が望ましいです。
どうも、この3分の1という水準も後から取って付けた感があるように思うのは私だけでしょうか。
本記事の監修者・山中康司氏
- 1982年慶応義塾大学卒業後、アメリカ銀行に入行。トレーディング業務に従事し、1989年バイスプレジデント。
- 1997年日興証券に移り、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。
- 2002年金融コンサルティング会社アセンダントを設立、取締役に就任。
- 2019年よりTradingView日本マーケットの責任者。
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