テクニカル分析解説

市場参加者に意識されるサポートラインとレジスタンスライン


1.以前の高値/安値が注目される


チャートには市場参加者の心理が表れるものです。その典型例がサポートライン(支持線)/レジスタンスライン(抵抗線)で、両者は市場参加者に意識される水準であることから、値動きに影響を与えることがあります。具体的には、サポートラインは値動きの下値を支える役割、レジスタンスラインは値動きの上値を抑える役割を果たします。

両者を単純に定義すると、サポートラインは以前の安値、レジスタンスラインは以前の高値ということができます。以前の安値/高値は相場参加者に意識され、その手前の水準でオーダーが入りやすい傾向があります。

つまり、安値が意識されるサポートラインからやや高い水準には買いオーダーが、高値が意識されるレジスタンスラインからやや低い水準には売りオーダーが入りやすく、そのためサポートラインは下落していた値動きが反転上昇、レジスタンスラインは上昇していた値動きが反転下落しやすいのです。

画像1/以前の安値/高値は意識されるポイントになる 以前の安値/高値は意識されるポイントになる

2.機能するほど意識される


特にもみ合い相場において、サポートライン/レジスタンスラインが見いだしやすい特徴があります。ポイントは、もみ合いが継続して複数回、サポートやレジスタンスの働きをすると、一段と相場参加者に意識されるようになり、より強力な働きのサポート/レジスタンスとなることです。

画像2は、上昇トレンドの勢いが衰え高値圏でもみ合いになる流れを示しています。Aはレジスタンスラインとなり何度も上値を抑え、Bはサポートラインとなり何度も下値を抑えていることが分かります。また、Bを下抜けした後はCがサポートラインとして機能し、もみ合いが継続していることも見て取れます。

画像2/レンジ相場におけるライン レンジ相場におけるライン

なお、サポートライン/レジスタンスラインは、上位時間軸のものほどより効果が強まります。1時間足や5分足を見る場合でも、日足など上位のラインに注目すると良いでしょう。


3.ラインを抜けると役割が転換


サポートライン/レジスタンスラインは、値動きの反転が起こりやすい水準となるわけですが、いったんそのラインを抜けた場合でも、意識され続ける場合があります。そのため、サポートラインとして下値を支えていた水準が、今度は上値を抑える役割、つまりレジスタンスラインとして機能することもあります。同様に上値を抑えていたレジスタンスラインを上抜けると、今度は下値を支えるサポートラインの役割に切り替わります。

画像3は、一本のラインが役割を変化させる典型例です。Aの期間ではレジスタンスの役割をしていたものの、Bの期間ではサポートの役割に切り替わり、そしてCの期間では再びレジスタンスの役割に切り替わっていることが分かるでしょう。

画像3/役割の変化 役割の変化

監修:山中康司氏

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