テクニカル分析解説

ストキャスティクスとは?言葉の意味や計算式、使い方などを紹介


1.一定期間の最高値と最安値を基準に考える


ストキャスティクスは、英語で「Stochastic Oscillator」表記され、日本語に訳すと「推計統計学的なオシレーター」です。推計統計学というと難しいですが、分かりやすい表現にすると「一定期間の最高値と最安値を基準に、終値の水準を判断する」という指標です。1950年代後半にジョージ・レインという米国のチャート分析家によって開発されました。

ストキャスティクスには、%K、%D、スロー%Dという呼称の3本のラインがあり、その組み合わせによって「ファストストキャスティクス」(%Kと%D)と「スローストキャスティクス」(%Dとスロー%D)と呼び方が変わります。それぞれは、次の計算式によって求めます。

【ストキャスティクスの計算式】

  • %K=(当日終値-過去n日間の最安値)÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)×100
  • %D=(当日終値-過去n日間の最安値)のm日間の合計÷(過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)のm日間の合計×100
  • スロー%D=%Dのx日移動平均

ストキャスティクスの基本となる%Kは、「一定期間の最安値から最高値の値幅に対して、現在値がその安値から何パーセントに位置しているか」を意味します。その%Kを移動平均化したものが%D、さらに%Dを移動平均化したものがスロー%Dです。


2.「ファスト」と「スロー」の違い


%Kを移動平均化する%Dやスロー%Dは、平均化によって推移が滑らかになります。画像1は、ファストストキャスティクスとスローストキャスティクスを並べて表示したものです。比較して分かる通り、後者の方がゆったりとした動きを示します。一般的にストキャスティクスという場合は、スローストキャスティクスを指します。

画像1/ファストとスローの比較

ファストとスローの比較

ちなみに、MT4/MT5のデフォルトでは、スローストキャスティクスになる設定です(%K期間:5、%D期間:3、スローイング:3)。このスローイングの数値を「1」に変更するとファストストキャスティクスに変更されます。

画像2/ストキャスティクスのパラメータ設定

ストキャスティクスのパラメータ設定

3.ストキャスティクスの見方


ストキャスティクスを見る場合、20%以下は売られ過ぎ、80%以上は買われ過ぎと判断します。そして動きが速い方(ファスト:%K、スロー:%D)に着目し、ゾーンを抜け出すとき(ゾーン・エグジット)を逆張りが有効なタイミングと考えます。画像3に赤色で示した箇所のように、買われ過ぎ/売られ過ぎゾーンから出て行くときにエントリーするのがポイントです。

画像3/ゾーン・エグジット

ゾーン・エグジット

監修:山中康司氏

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