ドテン売買のサインを表すパラボリック
1.ドットが放物線で描かれる
パラボリックは、RSIの開発者であるJ・W・ワイルダーが考案したテクニカル指標です。SAR(Stop And Reverse)というポイントを放物線(パラボリック)で表示するのが特徴で、ドテンのサインを表します。
画像1/パラボリック
ドテンとは、保有しているポジションを逆転させる取引のことです。買いポジションを持っている場合は、それを決済して売りのポジションを建てる流れ、売りポジションを持っている場合は、それを決済して買いポジションを建てる流れを指します。
2.パラボリックの見方
ストップ・アンド・リバースという名の通り、SARはトレンドの転換を知らせてくれます。基本的な見方として、SARがローソク足の下に表示されていれば上昇トレンド、上に表示されていれば下降トレンドです。そして、その位置関係が入れ替わるときがトレンド転換のサインで、SARがローソク足に接触したときに起こります。
買いシグナル | 上側を推移するSARが、下側のローソク足に接触 |
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売りシグナル | 下側を推移するSARが、上側のローソク足に接触 |
画像2のチャートにおいて四角の印を付けた箇所でSARがローソク足に接触し、その後にSARが反対側へ位置関係を入れ替えていることが分かるでしょう。
画像2/ドテンのシグナル
パラボリックでの売買で注意したいのは、ドテンであるため、常に買いか売りのシグナルが発せられることです。取引をしないという中立状態はありません。これに中立状態の判断を加えるには、他のテクニカル指標を組み合わせて分析する必要があります。
3.パラボリックのパラメータ変更
パラボリックの計算方法は複雑なので無理に覚える必要はありませんが、概要を抑えていくことは重要です。
SAR=前日のSAR+(EP-前日のSAR)×AF |
EP=一定期間の最高値または最安値 |
AF=加速因数(初期値は0.02。EPを更新する度に0.02を加算) |
パラボリックでは、SARが現在の価格をトレーリング(追従)していきます。その程度は、AF(Acceleration Factor)の数値を変更することで調整できます。ワイルダーが推奨する基本形は、「0.02~0.2の間を、0.02ずつ増やしていく」というものですが、その増分を0.01のように小さくするとトレーリングがローソク足から離れ、0.05のように大きくするとローソク足に近づきます。MT4/MT5ではプロパティの「ステップ」という項目で、増分を変更することができます。
画像3には、3種類のAFの値を表示しています。デフォルトの0.02が緑色、0.01に変更したのが青色、0.05に変更したのが赤色です。
画像3/AFの比較
AFの値を変更することにより、このような違いをつけることができます。SARをローソク足に近づけるか、遠ざけるかで、ドテンの頻度やストップの深さが変化するので、工夫してみるのも良いでしょう。
監修:山中康司氏
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