1本の移動平均線の見方や使い方、売買シグナルなどを詳しく解説
移動平均線(Moving Average:MA)の傾きやローソク足との位置関係に注目
移動平均線に限らず、トレンドを判断するテクニカル指標では、その指標の傾きが重要です。基本的には、上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドという単純な判断が下せます。1本で使用する場合のパラメータとしては、5期間などの短期よりも、20期間などの中期での利用が良いでしょう。
また、終値との位置関係も単純なトレンドの判断に向きます。移動平均線よりも上にあれば上昇、下にあれば下降の傾向があると考えられます。こちらも中期のパラメータが向いており、移動平均線の傾きと共に確認することで、トレンド判断に役立ちます。
画像1、2は20日移動平均線を表示しています。移動平均線だけに注目すると、最初の横ばい推移から、緩やかな下降に転じ、最後には急な上昇を見せています。これだけでも、大局を把握することができます。
画像1/20日移動平均線の傾きとトレンドの関係
続いて、画像2で移動平均線と終値の位置関係も見てみましょう。横ばいの期間、緩やかな下降の期間は、移動平均線とローソク足が絡み合う(終値が移動平均線の上下に現れる)展開である一方、勢いの強い上昇の期間は一貫してローソク足が移動平均線の上側を推移しています。
以上から、強いトレンドが発生しているときは、移動平均線の傾きが鋭角になり、またローソク足が絡み合わない位置関係になるということが分かります。移動平均線の傾きで相場の方向性を見て取れるわけですが、その強さに関してはローソク足との位置関係を合わせて見ることで、より明確に判断しやすくなります。
画像2/20日移動平均線と終値の位置関係に注目
「2本連続」フィルター
移動平均線と終値の位置関係を見て、その交差を売買シグナルと解釈することもできます。しかし、この単純な手法は工夫を加えなければダマシが頻出してしまいます。ここでは、2本連続で上抜け/下抜けした場合を売買シグナルと見る方法について紹介します。
画像3は、20週移動平均線を表示させています。チャート上に示したAとBでは、移動平均線の下から上に陽線が上抜けしていますが、次の陰線で再び移動平均線の下側に逆戻りしています。このような局面では、ダマシとなっていました。一方Cでは、移動平均線の上に陽線の終値が2本立ち、それから上昇の流れに発展しています。
画像3/ 2本連続フィルターの売買サイン
とはいえ、この2本連続のフィルターは、1本で見るよりもダマシを減らすことができるだけで、完全にダマシを排除できるわけではありません。画像4のDやFでは、2本連続で終値が移動平均線を上回るものの上昇とならず、Eは2本連続で移動平均線を下回るものの下降とはなりませんでした。
移動平均線に限らずどんなテクニカル指標も、その時の値動きによって向き不向きがあります。特にトレンドが短期的に変化するような場面では、有効に機能しないことを知っておく必要があります。
画像4/2本連続フィルターのダマシ
監修:山中康司氏
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