多重移動平均線とは?言葉の意味やTRIXと組み合わせた手法も紹介
移動平均線をさらに平均化する
常に直近のn期間で計算する値が「移動平均」であり、その値を結ぶことで単純移動平均線(Simple Moving Average:SMA)が描かれるわけですが、応用として「移動平均線(Moving Average:MA)の移動平均線」を作ることもできます。これは多重移動平均線と呼ばれるものです。
もともとの移動平均線の目的は値動きを均すことですが、その移動平均線をさらに均したものはより滑らかに推移します。画像1は、5日移動平均線(青)と、その3日移動平均線(赤)、さらにその3日移動平均線(緑)です。滑らかさは青<赤<緑の順であることが分かります。
画像1/移動平均線の移動平均線
5日移動平均線(青) 青の3日移動平均線(赤) 赤の3日移動平均線(緑)
MT4/ MT5では、移動平均線のパラメータ設定画面にて、適用価格で「Previous Indicator’s Data」(MT4)、「前のインディケータのデータ」(MT5)を選ぶことで、直前の移動平均線の移動平均線を作ることができます。
画像2/前のインディケータのデータ(MT5)
指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average:EMA)のEMAを組み合わせたTRIX
多重移動平均線を利用したテクニカル指標に、TRIXがあります。これは指数平滑移動平均線(EMA)をベースに、移動平均を繰り返し算出して作るものです。画像3のサブウィンドウに表示されているのがTRIXで、その見た目も使い方も同じくEMAを基に作られたMACDによく似ています。
画像3/TRIX
基本的な使い方としてはTRIX(赤)とシグナル(青)のゴールデンクロス/デッドクロス(GC/DC)を売買シグナルとします。つまり、GCは買いシグナル、DCは売りシグナルと考えます。画像3のAではTRIXのデッドクロスから下降、Bではゴールデンクロスから上昇している様子が見て取れます。
その他の分析として、TRIX単体の傾きの変化や、0ラインとのクロスを見る方法もありますが、あまり一般的ではありません。なお、TRIXのカスタムインジケーターにはさまざまなタイプがあります。ここでは4回の移動平均の計算を行うものを取り上げました。また、MT5に搭載された3重移動指数平均(Triple Exponential Average)もTRIXと呼ばれることがありますが、ここで取り上げたものとは異なります。
監修:山中康司氏
移動平均線についてもっと学びたい方へのオススメコンテンツ
移動平均の基本的な知識や使い方などのOANDAオリジナルのコンテンツのほか、長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもとMT4/5での移動平均線インジケーターの使用方法、トレーディングアイデアをご紹介します。またOANDAオリジナル・インジケーター「OANDA_Multi_MA」・「OANDA_Multi_5MA」・「OANDA_MA_PO_Alert」・「OANDA_Multi_Trendmeter」を無料配布中。このインジケーターはOANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。