同じ期間の移動平均線(終値+始値)を組み合わせた手法
異なる適用期間を組み合わせるのがポイント
2本の移動平均線(Moving Average:MA)を用いたチャート分析では、「短期線と長期線」などの異なる期間のパラメータを採用し、それらが交差するゴールデンクロス/デッドクロス(GC/DC)や、接近・乖離するタッチ&ゴー、乖離からの逆張りなどを売買シグナルとして考えるのが一般的です。
その多くの人に知られる方法とは別に、「同じ期間のパラメータを、異なる適用価格で組み合わせる」という考え方もあります。同じ期間の移動平均線ではあるものの、適用価格の違いによりGC/ DCが発生する性質を持ちます。ちなみに、MT4/MT5ではチャートに移動平均線を挿入する際、パラメータ設定画面で7種類の適用価格(移動平均の算出対象となる価格)が選べます。今回紹介するのは、終値(close)と始値(Open)の組み合わせです。
画像1/MAのパラメータ画面
「終値=短期」「始値=長期」の移動平均線と同等の役割
ここでは、5日終値移動平均線と5日始値移動平均線を組み合わせた手法を紹介します。この組み合わせは、陽線が多ければ「終値移動平均線>始値移動平均線」、陰線が多ければ「終値移動平均線<始値移動平均線」の位置関係になるという、分かりやすい特徴を持ちます。そして、終値が短期移動平均線、始値が長期移動平均線を表示するのと同様の効果が得られ、それらのGC/DCがトレンド転換を示唆すると考えることができます。つまり、GCは買い、DCは売りという売買シグナルです。
画像2では、終値移動平均線(青)が始値移動平均線(赤)を上から下に抜けるDCが発生し、その後に明確な下降トレンドが発生しています。その後、今度は終値移動平均線(青)が始値移動平均線(赤)を下から上に抜けるGCが発生し、上昇トレンドに転じていることが分かります。さらに、その後のGC/DCでも小さなトレンド転換が起こっている様子が見て取れます。
画像2/終値移動平均線と始値移動平均線のGC/DC
5日終値移動平均線(青) 5日始値移動平均線(赤)
なお、「5期間」を倍にした「10期間」でも、GC/DCが機能します。画像3では、DCからの下降、GCからの上昇トレンドが発生している局面を見つけることができます。5期間よりは滑らかな推移をし、もみ合い時には横ばいで2本の移動平均線とローソク足が絡み合う特徴があります。
画像3/応用した10期間でも機能
10日終値移動平均線(青) 10日始値移動平均線(赤)
監修:山中康司氏
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