テクニカル分析解説

移動平均線同士の収束と発散を意味するMACDの基本


1.トレンド系の役割を兼ね備えるオシレーター


MACDとは「Moving Average Convergence Divergence」の略字で、日本語では「移動平均収束発散法」と訳されます。2本の移動平均線(Moving Average)の、収束や発散(Convergence Divergence)を指標化したもので、エムエーシーディーあるいはマックディーと呼ばれることもあります。MT4/MT5ではオシレーター系指標に分類されています。

オシレーター系指標といえば、メインチャートではなく独立したサブチャートに表示され、買われ過ぎ/売られ過ぎを判断するために用いられるという印象を持つ人もいるでしょう。主にもみ合い相場で強みを発揮する種類が多いのも事実ですが、その一方でトレンド系の使われ方もする指標もあります。その代表がMACDです。

画像1/MACD MACD

2. 2本のEMAの位置関係を表す


MACDのベースには、指数平滑移動平均線(EMA)が用いられます。EMAは単純移動平均線(SMA)に比べて、直近の値動きを重視して計算するため、ローソク足の動きに敏感に反応するのが特徴であり、MACDにもその性質が反映されます。

MACDは、MACDとシグナルという二つのラインで構成されます。MACDは「短期EMA-長期EMA」という単純な計算で求められ、2本の移動平均線がどれだけ離れているか/近づいているかという価格差の伸縮を示します。そのMACDを移動平均化したものがシグナルです。

【MACDの計算式】

  • MACD=短期EMA-長期EMA
  • シグナル=MACDのn日移動平均

MT4/MT5に標準搭載されているMACDは、MACD(メインと呼ばれます)が灰色の柱状グラフ(ヒストグラム)、シグナルが赤色のラインで描画されます。多くのチャートソフトでは2本ともラインで表示されることが多いので、その見た目に慣れている人も多いかもしれません。もし2本ともラインで表示されるタイプが好みなら、カスタムインジケーターを用意する必要があります。


3.MACDが意味すること


前述の通り、MACDは短期EMAと長期EMAの離れ具合を表します。画像2は、12期間のEMA(青)と26期間のEMA(赤)をメインチャートに表示し、同期間に設定したMACDをサブチャートに表示しています。

画像2/2本のEMAの位置関係に注目

2本のEMAの位置関係に注目

MACDは、短期線が長期線を上回ればその差がプラスの数値で、下回ればその差がマイナスの数値で表されます。両線がクロスした箇所は、差がないためMACDは0となります。そのMACDを移動平均化(画像2は9期間の移動平均)したのがシグナルです。

ここで解説に用いた12期間(短期EMA)、26期間(長期EMA)、9期間(シグナル)というパラメータが一般的な組み合わせです。これは、開発者であるジェラルド・アペルが採用した数値です。

監修:山中康司氏

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