フィボナッチの活用例|日経225の週足でコロナショック以降を見る
1.週足でコロナショック以降を見る
フィボナッチ比率を基にしたテクニカル分析に、フィボナッチ・リトレースメントやフィボナッチ・エクスパンションがあります。前者はトレンドの押し目や戻りの水準を推測するために、後者はトレンドの進む先の水準を推測するために用いられるのが一般的です。この記事では、そんなフィボナッチの活用例を見ていきます。
まずは2020年2月ごろから始まったコロナショック以降の日経平均株価の値動きについて、フィボナッチ・リトレースメントを用いて分析してみましょう。下画像は日経平均株価(日経225CFD)の週足チャートです。コロナショックの暴落が下ヒゲを作って底打ちしてから30,000円を超えるまで続伸していった上昇波動A-Bに、フィボナッチ・リトレースメントを当ててみます(青のラインで表示)。
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すると、23.6%ラインで跳ね返っているケースが多いことが分かります。そして、それよりも小さな上昇波動X-Bにもフィボナッチ・リトレースメントを当ててみます(緑のラインで表示)。
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すると、こちらは38.2%のラインで跳ね返っていることが分かります。このことから読み取れるのは、コロナショック後の2021年の日経平均相場は、この二つのフィボナッチ・リトレースメントが重複して示す27,000円水準が、押し目として機能していたということです。今後もこの水準が下値を支えるサポートラインになると考えられます。
一般的に、フィボナッチ・リトレースメントでは複数のターゲットが重複するレートが重要視されます。したがって、日経平均株価は今後もし一段下げの展開となれば、次の下値抵抗目標は青の38.2%ラインと緑の61.8%ラインが重なる25,000円水準だと想定できるわけです。
2.下げ幅は推測できた?
コロナショックによる下げ幅は、フィボナッチ・リトレースメントの応用(100%を超えた数値を用いる)により推測することができました。それ以前の日経平均株価は、概ね20,000円~24,500円を行き来するレンジ相場を形成しており、コロナショックの直前もその下限から上限へ向かう波動A-Bが形成されていました。そこからショック相場が起きたわけですが、その波動にフィボナッチ・リトレースメントを引いてみます。
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一般的にフィボナッチ・リトレースメントは押し目や戻りの限界、つまり波動に対する100%ライン以内での反発を見極めるのに用いられますが、100%ラインを超えた場合の反発も読み取れます。この例の場合、161.8%ラインを下回ったところで反発し、下ヒゲを作っています。
ちなみにこのチャートを日足の平均足に切り替えると、161.8%ラインでトレンド転換サインである陽転が発生し、同水準からの反発上昇を示唆していることが分かります。このように100%を超える数値を活用できるのも、フィボナッチ・リトレースメントの魅力です。
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3.どこまで伸びる?
日経平均株価は、2012年12月ごろから始まったアベノミクス相場以降、8,000円台から右肩上がりに推移しています。今後仮に30,000円という節目を超えていくなら、次はどの水準を目指すでしょうか? それを判断するのに役立つのがフィボナッチ・エクスパンションです。フィボナッチ・エクスパンションを引くと、任意の波動が押し/戻しという小休止を経て、それからどこまで進んでいくのかを推測することができます。
例えば、コロナショックの底値を起点に、波動A-B-Cにフィボナッチ・エクスパンションを当てると161.8%ラインが約33000円となります(赤)。また、波動C-D-Eにフィボナッチ・エクスパンションを当てると61.8%ラインが約32500円を示しています(青)。もし日経平均株価が高値を更新する場合、次はこの32500円~33000円あたりの水準が一つの目安になるのではないかと推測されます。
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本記事の監修者:平野朋之氏
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
フィボナッチ・リトレースメントが示す各ラインで反発せずに押し目が深くなり、あるいは反発しても高値も更新できないようならば、相場の転機であるという予測を立てることができます。
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