ダウ理論と三尊天井を組み合わせトレンド転換を狙うトレードアイデア
高値・安値更新の成否に注目すればトレンド転換が分かる
ダウ理論とは、米国のジャーナリストであるチャールズ・ダウという人物が考案したマーケット理論です。6種類の基本原則から成り立っており、相場のトレンドを判断する上で最も有用な理論といわれています。このダウ理論で、トレンドは次のように定義されています。
上昇トレンド | 連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より上に位置する(切り上げる) |
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下降トレンド | 連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より下に位置する(切り下げる) |
そして最も重用なのは「明確なトレンドが発生した場合、トレンド転換のシグナルが出るまでは、そのトレンドは継続する」という考え方です。ダウ理論では、トレンドを否定する次のようなシグナルが発生したときにトレンド転換と考えます。
上昇から下降へのトレンド転換シグナル | 高値と安値をそれぞれ切り上げられず、それより前の高値・安値を下回る |
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下降から上昇へのトレンド転換シグナル | 高値と安値をそれぞれ切り下げられず、それより前の高値・安値を上回る |
例えば、上昇トレンドの最中に直近高値と直近安値の切り上げを達成できず、直近安値を下回った場合は下降トレンドへの転換が考えられるわけです。
チャート分析において、トレンド転換を見極めることはとても重要といえます。トレンド転換をいち早く察知し、そのトレンドに乗ることができれば、得られる利益は大きくなるからです。そこでこの記事では、ダウ理論を利用してトレンド転換を狙うトレードアイデアを紹介します。
トレンド継続の黄色信号
ダウ理論に基づくトレンドの定義として、上昇トレンドは高値と安値を切り上げますが、その切り上げに失敗した場合は上昇トレンドにかげりが見えたと考えられます。ただちに上昇トレンドが否定されるわけではなく、その後につける高値が直近高値を上回ればトレンド継続とみなせますが、反対に高値を切り下げた場合はさらに「安値切り下げ、高値切り下げ」となってトレンド転換となってしまう可能性が高くなります。
上昇トレンドから下降トレンドへ転換する際は、高値と安値の切り下げがサインとなります。また、三尊天井あるいはダブルトップといったチャートパターンが描かれることも多いです。したがって、それらの形が出現するかどうかに注目すれば、トレンド転換の予測精度を高めることが可能です。
三尊天井はトレンド転換の典型例
前述の通り、上昇トレンド中に直近高値および安値の切り上げができなければ、トレンド転換の可能性が疑われます。その動きをするときに、典型的なトレンド転換シグナルである三尊天井を描く場合が多くあります。三尊天井は、三つの山(高値)と二つの谷(安値)で構成されるチャートパターンで、真ん中の山が一番高いというのが特徴です。上昇トレンドの最終局面で出現することが多いですが、その際には高値・安値の切り下げという形を伴います。
三尊天井が形成されるときの値動きを見ると、一つ目の山の後に押し目を作り、再び上昇してその山の高値を更新し、そこで最高値をつけます。その後は反発する値動きとなり、再び上昇するものの高値を更新することなく、やがて下降に転じます。
そして、ネックライン(安値の価格水準に引けるライン)を割り込んだ場合に、下降トレンドへの転換サインとなり、下降の勢いが一気に加速する傾向があります。そのため、三尊天井の出現で、売りトレードを検討するのがセオリーです。
エントリーのアイデア
ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中で三尊天井を形成し、ネックラインを割り込んだら売りでエントリーします。
参考記事:ダウ理論と移動平均線やストキャスティクスを組み合わせトレンド転換を狙うトレードアイデア
本記事の監修者・平野朋之
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
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