水平線を活用した利益確定の目安を決めるトレードアイデア
価格推移が目標とする水準
チャート分析の基本に、水平線をトレードの目安に利用する方法があります。一定の価格水準を示す水平線が重視されるのは、そこで売り方と買い方の攻防が繰り広げられ、上値抵抗線/下値支持線として機能する性質があるからです。基本的に、下表の特徴を持つ価格水準は売り方と買い方の攻防、つまり利益確定の目安になったり、逆張りの目安になったりする傾向があります。
週足、日足レベルの最高値/最安値をつけた水準 |
チャート上で目立つ高値/安値をつけた水準 |
何度も価格を跳ね返す高値/安値の水準 |
104.00円などのラウンドナンバー(キリの良い数字) |
FXは、両替(通貨と通貨の交換)であり、一方の通貨の価値が上がり続ける/下がり続けることは珍しいことで、基本的には一定の範囲(上値抵抗線と下値支持線の間)を行き来する性質があります。言い換えれば、価格推移はその水準に向けて動いていき、そこでの攻防の結果としてまた別の水準を目指すということです。
そんな性質があるため、下値支持線で買う、上値抵抗線で売るといった戦略が有効であり、それはエントリー時もイグジット時も同様に考えられます。
下画像は、ドル円の週足チャートに主要な水平線を引いた例です。4本の赤いラインは、何度も価格の上昇を抑えたり、下落を支えたりしている様子が見られます(上値抵抗としても、下値指示としても機能するのが特徴)。
そんな相場環境の中、チャート右端では水平線Bの上でもみ合っていますが、これが上に抜けたら、どこを目指すでしょうか? その上の水平線Aを目指して上昇しそうだと見ることができます。逆に跳ね返されたとしたら、水平線Cを目指して下降するものと予想できます。
押し目買いでの利益確定のアイデア
水平線は、値動きの向かう先であることから、利益確定の目安として使いやすいといえます。ここでは上位時間軸でトレンド方向を確認し、5分足で押し目買いしていく例を紹介します。下画像はドル円の15分足で、明確な上昇トレンドが発生しています。そんな中、最高値1を付けた後に、調整の下落をしている段階であり、押し目買いを狙いたい局面だといえます。
そこで、5分足に落とし込んで見てみます(下画像)。最高値1から高値を切り下げていますが、安値は切り上がっており、再び上昇トレンドに回帰する可能性がありそうだと考えられます。では右端で押し目買いをしたとして、利益確定はどの水準が良いでしょうか? まずは直近高値2の水平線Aが候補です。次に、その前の高値3の水平線B、そして最高値1の水平線Cが検討できます。
大局での利益確定のアイデア
トレンド転換を捉えることで、大きな値幅が狙えるケースも紹介します。下画像はユーロ円の日足チャートで、長らく続いた下降トレンドが、画面右端で底打ちして上昇し、直近高値1とその前の高値2を上抜いたところで、目線は上昇に切り替えて良い場面だといえます。この上昇の流れでポジションを持った場合、利益確定のターゲットとして考えられるのは、水平線Aや水平線Bです。
ちなみに、このチャートの後に、どんな推移をしたか確認してみましょう。下画像のように、水平線Aや水平線Bの目標まで到達しています。そしてその水準で売り買いの攻防が起きて停滞したり(水平線A)、攻防の末にトレンドが転換したり(水平線B)といった様子が確認できます。
上位時間軸の水平線を意識
なお、週足や日足などの水平線は、多くのトレーダーに意識される存在です。トレードの時間軸が1時間足や15分足、5分足、1分足であっても、週足や日足といった上位時間軸の水平線を参照することは非常に重要です。その場合、水平線とは言いますが、ある程度幅を持った帯のように考えるのがポイントです。短期時間軸から長期時間軸の水平線を見た場合、ピンポイントの価格水準で考えると、届かない場合もあるからです。
本記事の監修者・平野朋之
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
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