ダウ理論と移動平均線やストキャスティクスを組み合わせトレンド転換を狙うトレードアイデア
移動平均線からトレンド転換を察知
参考記事:ダウ理論と三尊天井を組み合わせトレンド転換を狙うトレードアイデア
トレンドの継続や転換は、移動平均線を表示することでも判断できます。上昇トレンド中は価格が移動平均線の上を推移するのが特徴で、移動平均線は下値を支えて押し目として働くことが多いです。一時的に下落し始めたとしても、移動平均線付近で反発すれば、トレンド継続と判断することができます。
ただし、その傾きが緩やかになり、価格と交わりながら推移すると、トレンド継続の雲行きが怪しくなります。その予兆と共に高値・安値の切り上げが失敗すれば、いよいよトレンド転換の確度が高まります。
エントリーのアイデア
移動平均線が横ばいになり、さらに上を推移していた価格と交差した場合にトレンド転換が予測できます。移動平均線が右肩下がりになり、高値および安値の切り上げに失敗したらエントリーします。
下降トレンドに転換すると、価格が移動平均線の下を推移することになります。そして今度は移動平均線が上値を押さえるレジスタンスラインとして機能する傾向があります。
なお、移動平均線のパラメータ(期間)は、長すぎれば価格と交差することが少なく、短すぎれば頻繁に交差してしまいます。一般的に用いられる「20」「25」は比較的多く価格と交差する傾向があるので、それよりも少し長めの中期トレンドを表す「40」などがお勧めです。
トレンド転換後の利益確定目標
ダウ理論によるトレンド転換サインは、三尊天井やダブルトップといったチャートパターンを伴いやすい傾向があります。そうした状況で売りエントリーした場合は、利益確定の価格に関して、ある程度見当をつけることができます。一般的に、三尊天井やダブルトップの最高値とネックラインまでの値幅を、ネックラインから下に取った水準が、下落が進むターゲットになるとされています。利益確定のポイントは、「最高値からネックラインまでの値幅の等倍地点」と覚えておきましょう。
なお、三尊天井やダブルトップを形成した際、価格がネックラインを下抜けた後にそのまま続伸せず、リターン・ムーブ(ネックラインまで戻る動き)する可能性もあります。それまで下値を支えるサポートとして機能していたネックラインが、サポレジ転換して上値を抑えるレジスタンスとして機能すれば、トレンド転換の確度は高まります。そのため、リターン・ムーブ後にネックラインで反転下落したのを確認してからエントリーする戦略も有効です。
ダイバージェンスでトレンド転換を察知する方法
トレンド転換は、ダイバージェンスでも察知することが可能です。ダイバージェンスとは、価格とオシレーター系テクニカル指標の逆行現象のことで、トレンドの勢いが弱まりつつあり、トレンドの転機であることを知らせてくれる重要なサインです。
上昇トレンドにおいてダイバージェンスを見つけるには、価格とオシレーターの高値に注目します。価格が高値を切り上げて上昇しているにもかかわらず、例えばオシレーター系テクニカル指標であるストキャスティクスが高値を切り下げていれば、それはダイバージェンスが発生している状態です。上昇の勢いが衰えていることを示唆し、それまでの上昇トレンドが終焉を迎えて下落に転じる可能性が高まります。
上昇トレンドにおいてダイバージェンスの発生が確認できた場合は、逆張りで売りを検討するのが定石です。ただし、ダイバージェンスはあくまでも兆候であり、出現したからといって必ずトレンドが転換するわけではありません。ダイバージェンスのみを頼りにトレードするのではなく、ダウ理論による高値や安値の切り下げなど他のトレンド転換を示す要素も考慮してエントリーするかどうかを慎重に判断することが大切です。
本記事の監修者・平野朋之
ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。
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