さまざまなオシレーターの開発者・ワイルダーのDMIとADX
1.DMIの基本
DMIは、RSIの開発者であるJ・W・ワイルダーが考案したテクニカル指標です。「Directional Movement Index」の略字で、日本語では「方向性指数」と訳されます。その名の通り、相場の方向性を数値として表した指標で、トレンドの強さを知るのに役立ちます。
DMIは3種類のラインによって構成されます。+DIは上昇の強さを、-DIは下降の強さを、そしてADXはトレンドの強さ(上昇/下降を問わない)を表します。画像1では、赤色の破線が+DI、青色の破線が-DI、緑色の実線がADXに対応しています。
画像1/DMI
2.DMIの作り方
DMIの計算方法は複雑ですが、ここでは簡易的に紹介します。まず前日と当日のレンジ(高値と安値)を基準に、所定のルールで上下どちらにどれくらいずれているかを求めます。そこで得た差がプラスなら+DM、マイナスなら-DMで表されます。続いて、こちらも所定のルールで実質変動幅(TR:True Range)を求めます。その±DMとTRから、±DIを求めます。そして、その±DIからトレンドの強さを表すDXを求め、さらに移動平均化したのがADXです。
なお、MT5には「Average Directional Movement Index」と「Average Directional Movement Index Wilder」の2種類があります。後者は開発者であるJ・W・ワイルダーの計算式を用いたもの、前者はそのアレンジ版です。そのため両者を比較すると、形状に多少の違いが見られます。とはいえ、トレンドの強さを判断するという役割に、大きな差異はありません。
画像2/比較
3.DMIをトレードに活用する方法
DMIの見方は簡単です。基本は±DIの位置関係をチェックすることで、+DIが-DIよりも上に位置すれば上昇トレンド、下に位置すれば下降トレンドと判断できます。
画像3では、赤色で囲った箇所が+DI(赤色破線)>-DI(青色破線)の位置関係で、上昇トレンドを示していることが分かります。また、トレンドの勢いを表すADX(緑色実線)が+DIや-DIよりも上にある状態は、安定したトレンドであると判断できます。
画像3/±DIでのトレンド判断
ADXを見る際の注意点として、その向きは値動きの方向性と関連性を持たず、上昇しているときはトレンドがあることを、下降しているときはトレンドがない(もみ合いである)ことを表します。例えば、価格が下がるトレンドの勢いが増しているときには、ADXが上昇することになります(画像4参照)。
画像4/下降トレンドとADX
以上のように、DMIはトレンドの強さを判断するのが得意です。したがって、他の売買シグナルが得られるテクニカル指標と組み合わせて、サポート役として活用するのが一般的です。
監修:山中康司氏
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