テクニカル分析解説

ボリンジャーバンドを用いてダブルトップ・ボトムの転換を察知


1.反転の古典的パターンをボリンジャーバンドで判定


相場の転換を示唆する代表的なチャートパターンとして、ダブルトップ(M型)とダブルボトム(W型)が有名です。これらのチャートパターンは、ボリンジャーバンドと共に観察することで、転換の確度を推し量ることができます。

ダブルトップは二つの山(高値)で形成され、上昇から下降トレンドへの転換を示唆するチャートパターンです。1番目の高値をボリンジャーバンドの+2σの外側でつけ、2番目の高値を+2σの内側でつけた場合は、上昇圧力が弱くなっていることを表し、典型的な反転パターンと考えることができます(画像1参照)。

画像1/ダブルトップ

ダブルトップ_g

ダブルボトムは、上記と逆の形を示します。1番目の安値をボリンジャーバンドの-2σの外側でつけ、2番目の安値を-2σの内側でつけた場合は、下降圧力が弱くなっていることを表し、下降から上昇への典型的な反転パターンと考えることができます。


2.三尊天井、逆三尊にも応用できる


ダブルトップ・ボトムと同様に、相場の転換を示唆するチャートパターンとして、三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ)、逆三尊(ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム)があります。ボリンジャーバンドは、こちらのパターンでも転換の確度を推し量ることができます。

三尊天井は三つの山(高値)から成りますが、1番目の高値をボリンジャーバンドの+2σの外側、2番目の高値を+2σに接する水準、3番目の高値を+2σの内側でつけ、そして反転した下降トレンドによって-2σを破る形が、典型的なパターンです。逆三尊は三つの谷(安値)から成り、三尊天井とは逆のパターンで安値をつけ、上昇トレンドによって+2σを破る形が典型例です。

ただし、このような教科書通りの形になる例は少なく、変形して現れることに注意が必要です。開発者であるジョン・ボリンジャーは、高値圏と安値圏の判断について、次のように述べています。「一般的に天井は底に比べて長い時間をかけて形成される。つまり、底は天井に比べて鋭角な動きとなるV字型となることがしばしば観察される。

これは下げる時により恐怖心が強まるという心理的な違いによるものである」。高値圏と安値圏のチャートパターンを見る場合は、この特徴を覚えておくと良いでしょう。

画像2/逆三尊

逆三尊_g

なお、三尊天井・逆三尊といったチャートパターンは、上位足の2番目の高値(安値)を拡大して見ると、そこに小型の同じパターンを内包している場合が多くあります。これをフラクタル構造と呼びます。上位足に現れたチャートパターンを検討する際には、下位足にも同様のチャートパターンが見られるかを確認することで、分析の精度を高めることができます。

監修:山中康司氏

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