逆日歩(ぎゃくひぶ)とは|計算方法や仕組みを初心者向けにわかりやすく解説
逆日歩(ぎゃくひぶ)とは信用取引において、貸し株が不足した場合に売り方に発生する可能性があるコストです。
いつ逆日歩が発生するのかは取引前には分からないため、思わぬコストが発生する場合に注意が必要です。
本記事では、投資初心者の方向けに、逆日歩の意味や仕組みなどをわかりやすく解説します。
※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.逆日歩(ぎゃくひぶ)とは
- 2.逆日歩(ぎゃくひぶ)が発生しないケース
- 3.逆日歩(ぎゃくひぶ)の計算方法
- 4.逆日歩(ぎゃくひぶ)に関するQ&A
- 5.【まとめ】逆日歩(ぎゃくひぶ)とは|計算方法や仕組みを初心者向けにわかりやすく解説
逆日歩(ぎゃくひぶ)とは
まずは逆日歩とは何か、どのような仕組みなのかを解説していきます。
- ・意味
- ・仕組み
意味
信用取引において、信用買いよりも信用売り(空売り)の株数が多くなった場合に発生する可能性があるコストです。
「品貸料(しながしりょう)」とも呼ばれています。
逆日歩が発生すると、信用売りでポジションを保有している人は支払う必要があります。
逆日歩がいつ発生するか、コストがいくらになるのかは銘柄によって異なります。
取引時点でも不明のため、空売りをする際には注意しておく必要があります。
なお、逆日歩は制度信用取引を利用している場合に発生し、一般信用取引では発生しません。
仕組み
信用取引は、証券会社から資金や株式を借りて取引を行います。
証券会社は現金や株式を保有しており、通常時は不足することはありませんが、何らかの要因で信用売りの注文が増加すると、貸すための株式が不足する場合があります。
株式の不足を解消するために、証券会社は証券金融会社から株式を調達しますが、それでも株式が足りない場合は、証券金融会社が機関投資家などから株式を調達します。
その際に貸してくれる投資家に支払う費用を入札で決定し、これが逆日歩となります。
株式を貸してくれる対価として支払う貸し料のようなもので、信用売りでポジションを保有している人から徴収される仕組みです。
逆日歩(ぎゃくひぶ)が発生しないケース
なお、株式が不足すれば必ず逆日歩が発生するわけではなく、以下の2つのケースでは、逆日歩が発生しません。
それぞれ解説していきます。
- ・満額
- ・零銭
満額
株式が不足すると、証券金融会社は翌営業日の午前10時までに「融資の追加申込み」と「貸株の返済申込み」の受け付けを始めます。
それと同時に機関投資家などに株式を借りるための条件を決める入札の受付も行われますが、「融資の追加申込み」と「貸株の返済申込み」によって株不足が解消されれば、逆日歩は発生しません。
この状態を満額と呼びます。
機関投資家などに株式を借りる前に株式不足が解消したため、逆日歩が発生しなかったということです。
零銭
零銭と呼ばれるケースでも逆日歩が発生しません。
これは証券金融会社による入札が行われたものの、入札金額が零銭(無料)で必要な株数を落札できた状態です。
入札では逆日歩が決定されますが、投資家が無料で貸してくれたから逆日歩が発生しなかったという意味です。
逆日歩(ぎゃくひぶ)の計算方法
逆日歩は株式が不足している状態の時に発生しますが、具体的にいくらのコストが発生するのか解説していきます。
- ・受渡日が土日をまたがない場合
- ・受渡日が土日をまたぐ場合
受渡日が土日をまたがない場合
逆日歩の計算式は、新規ポジションの受渡日から決済受渡日までの逆日歩の合計×保有株数です。
- 逆日歩 = 逆日歩の合計 × 保有株数
注意点としては、受渡日で計算される点です。
株式投資における受渡日は代金や商品を引き渡す日で、約定した日の2営業日後に設定されています。
例えば、1日(月曜日)が空売りの約定日であれば、空売りの受渡日は2営業日後の3日(水曜日)です。
3日に買い戻しの決済注文が約定すれば、5日(金曜日)が決済注文の受渡日です。
空売りの新規注文が1日に約定し、決済注文が3日に約定した場合の逆日歩を計算するとします。
空売り注文の受渡日は3日、決済の受渡日は5日になるため、逆日歩は3日から5日にかけての2日分が発生します。
2日両方で発生した逆日歩が1円で、1000株の空売りをしていれば、(1円+1円)×1000株=2000円を支払う必要があります(逆日歩は1日ごとに変わる可能性があります)。
なお、逆日歩は上限である最高料率が定められています。
最高料率や逆日歩の発生については日本証券金融(日証金)のサイトや各証券会社で確認できます。
受渡日が土日をまたぐ場合
逆日歩の日数は、土日や祝日も含めて計算されます。
例えば、3日(水曜日)に空売りが約定し、4日(木曜日)に決済したとします。
受渡日は2営業日後なので、空売りの受渡日は5日(金曜日)、決済の受渡日は土日を挟んだ8日(月曜日)になります。
この場合の逆日歩は土日を含んだ3日間が対象になります。
5日の逆日歩が1株あたり1円、6日(土曜日)と7日(日曜日)の逆日歩が1株あたり0.5円で、1000株の空売りをしていれば、(1円+0.5円+0.5円)×1000=2000円がコストとして発生します。
逆日歩は土日や祝日も発生するため、ゴールデンウィークなどの連休を挟んでポジションを保有する場合は特に注意が必要です。
逆日歩(ぎゃくひぶ)に関するQ&A
逆日歩に関するよくある疑問点について解説していきます。
- ・逆日歩に買いなしとはどういう意味ですか?
- ・逆日歩は毎日かかりますか?
逆日歩に買いなしとはどういう意味ですか?
逆日歩の銘柄は、買わない方が良いという相場格言です。
逆日歩が発生して株価が上がっているタイミングで新規買いすると、逆日歩が解消された際に株価が急落する可能性があるため、慎重にすべきという相場格言です。
また、逆日歩が発生した銘柄は株価が上昇しやすくなるので空売りをしない方がいいという「逆日歩に売りなし」という真逆の格言もあります。
いずれも、逆日歩がついた銘柄での取引には慎重になるべきという意味を表しています。
逆日歩は毎日かかりますか?
逆日歩は株不足の状況に応じて、日々発生の有無や金額が変わります。
必ずしも毎日発生するとは限りません。
なお、逆日歩には土日や祝日も含まれる点には注意が必要です。
【まとめ】逆日歩(ぎゃくひぶ)とは|計算方法や仕組みを初心者向けにわかりやすく解説
逆日歩とは、信用取引において、貸し株が不足した場合に発生する可能性があるコストで、売り方が支払います。
一般信用取引では発生せず、制度信用取引を利用している場合に発生する場合があります。
取引時点では逆日歩がいつ発生するかは不明で、いくらになるかは銘柄や日によって異なります。
逆日歩は受渡日ベースで計算され、土日や祝日もカウントされるため、祝日が重なる連休を挟む場合は特に注意が必要です。
逆日歩が発生しているかどうかは証券会社や日本証券金融のサイトなどで確認できるため、空売りをする場合はしっかりと確認することが重要です。
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