当面の金融政策運営について(2)

2022/09/22 12:07

(2)資産買入れ方針(全員一致)
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。

1 ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れ を行う。

2 CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、 買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円) へと徐々に戻していく。

3 わが国の景気は、資源価格上昇の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感 染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直している。海外経済は、総じてみれば緩やかに回復しているが、先進国を中心に減速の動きがみられる。輸出や鉱工 業生産は、供給制約の影響が和らぐもとで、基調として増加している。企業収益は 全体として高水準で推移している。こうしたもとで、設備投資は、一部業種に弱さ がみられるものの、持ち直している。雇用・所得環境は、一部で弱めの動きもみら れるが、全体として緩やかに改善している。個人消費は、感染症の影響を受けつつ も、緩やかに増加している。住宅投資は弱めの動きとなっている。公共投資は横ば い国内の動きとなっている。わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさ が残っているものの、全体として緩和した状態にある。物価面では、消費者物価(除 く生鮮食品)の前年比は、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、2% 台後半となっている。また、予想物価上昇率は上昇している。

4 先行きのわが国経済を展望すると、ウクライナ情勢等を受けた資源価格上昇によ る下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、回復していくとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。

消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、本年末にかけて、エネルギーや食料品、 耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、これらの押し上げ寄与の減衰に 伴い、プラス幅を縮小していくと予想される。この間、マクロ的な需給ギャップが 改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、基調的な 物価上昇圧力は高まっていくと考えられる。

5 リスク要因をみると、引き続き、内外の感染症の動向やその影響、今後のウクライナ情勢の展開、資源価格や海外の経済・物価動向など、わが国経済を巡る不確実 性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価へ の影響を、十分注視する必要がある。

6 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続 するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。 マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の 実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。

当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融 市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、勝なく追加的な金融緩和措置 を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水 準で推移することを想定している。

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