2022/07/21 12:24
【基本的見解】
・日本経済の先行きを展望すると、見通し期間の中盤にかけては、ウクライナ情勢等を受けた資源価格上昇による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給 制約の影響が和らぐもとで、回復していくとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
・物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、エネルギー価格の押し上げ寄与の減衰に伴い、プラス幅を縮小していくと予想される。この間、変動の大きいエネルギーを除いた消費者物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、プラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。
・前回の見通しと比べると、成長率については、2022年度が、海外経済の減速や供給制約の強まりの影響などから下振れているが、その後は、その反動もあって幾分上振れている。物価は、輸入物価の上昇やその価格転嫁の影響から、足もとを中心に上振れている。
・リスク要因をみると、引き続き、内外の感染症の動向やその影響、今後のウクライナ情勢の展開、資源価格や海外の経済・物価動向など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。
・リスクバランスをみると、経済の見通しについては、当面は下振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、当面は上振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下バランスしている。
※本基本的見解は、7月20、21日開催の政策委員会・金融政策決定会合で決定されたものである。
(日銀HPより抜粋)