2023/06/26 08:58
日銀金融政策決定会合における主な意見(6月15-16日分)
「わが国経済は、既往の資源高の影響などを受けつつも、個人消費などが緩やかに増加する中で、持ち直している。先行きも緩やかに回復していくとみられるが、海外経済の動向などに注意が必要である。」
「国内経済は、全体として底堅く推移している。企業の景況感は拡大・縮小の分岐点を上回っており、設備投資への前向きな姿勢が維持されている。」
「4月以降、家計のマインド指標が大きく改善している背景には、経済活動の正常化のほか、高水準の賃上げの実現もある。足もとの株価上昇による影響も含め、企業や家計の前向きな動きの後押しに繋がるか注目している。」
「日本型職務給導入への取り組みや来年の賃上げ交渉に向けた状況等を確認するほか、価格転嫁、M&A・事業売却の動向、中小企業の輸出拡大等の企業の稼ぐ力強化の進捗を把握することで、物価上昇に負けない賃金上昇実現の蓋然性の高まりを見極めていく必要がある。」
「企業の稼ぐ力強化の取り組みから成長期待が高まりつつある。地域経済を牽引する企業の資金需要を掘り起こし支える地域銀行の役割に注目している。」
「消費者物価の上昇率は、今年度半ばにかけて低下していくとみているが、その後、再び上昇率が高まっていくかの不確実性はなお大きく、今後の賃上げの持続性などを見極めていく必要がある。」
「年度替わり期の消費者物価の強さは、財が中心であり、賃金のサービス価格への波及が主因ではないが、今後、企業の価格設定行動に変化がみられるかどうか、注目している。」
「わが国の物価上昇は、引き続き海外要因が大きいが、消費者物価ではサービス価格の上昇ペースが目立つほか、GDPデフレーターも前年比2%に達するなど、国内要因が強まっている。」
「輸入物価の下落が消費者物価に波及するまでのタイムラグを踏まえると、今年度半ばにかけて消費者物価の前年比のプラス幅が縮小するシナリオは引き続き妥当と考えられる。」
「消費者物価上昇率は、既往の輸入価格上昇の転嫁が一巡した後、年度後半には2%を下回るとみている。もっとも、企業の価格設定スタンスが積極化してきていることを踏まえると、想定より上振れる可能性もある。」
「企業行動に明らかな変化がみられ、値上げ・賃上げが企業戦略に組み込まれてきているほか、基調的なインフレ率を示す各種指標も、軒並み2%を超えてきている。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、年度半ばにかけ低下していくものの、2%を下回らない可能性が高い」
「先行きの消費者物価は、上下双方向のリスクがある。上振れリスクとしては、企業の価格転嫁が想定以上に続く可能性が注目される。下振れリスクとしては、米国や中国など、世界経済が下振れた場合に、それがわが国の物価に及ぼす影響が注目される。」