当面の金融政策運営について 日銀

2023/04/28 13:15

(1) 長短金利操作 (イールドカーブ・コントロール) ( 全員一致)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。

短期金利: 日本銀行当座預金のうち政策金利残高に ▲0.1%のマイナス金利を適用する。
長期金利 : 10年物国金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要 な金額の長期国債の買入れを行う。

長短金利操作の運用
長期金利の変動幅を 「±0.5%程度」 とし、10年物国債金利について0.5%の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、 毎営業 日、実施する。上記の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を 促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限において、機動的に、買入れ額の増額や指値オペを実施する。

(2) 資産買入れ方針 (全員一致)
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。

1ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約 1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。

2CP等は、約2兆円の残高を維持する。社債等は、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準 (約3兆円) へと 徐々に戻していく。 ただし、 社債等の買入れ残高の調整は、社債の発行環境 に十分配慮して進めることとする。
2. 日本銀行は、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、 経済・物 価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で、2%の「物価安定の目標」 を持続的・ 安定的に実現す ることを目指していく。

「物価安定の目標」 の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」 を継続する。 マネタリーベースにつ いては、消費者物価指数 (除く生鮮食品) の前年比上昇率の実績値が安定的に2% を超えるまで、 拡大方針を継続する。引き続き企業等の資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。

3.わが国経済がデフレに陥った1990年代後半以降、25年間という長きにわたって、「物価の安定」の実現が課題となってきた。その間、 様々な金融緩和策が実施されてきた。こうした金融緩和策は、わが国の経済・物価・金融の幅広い分野と、相互 に関連し、影響を及ぼしてきた。このことを踏まえ、金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけて、多角的にレビューを行うこととした。

一覧へ戻る

ホーム » 要人発言