経済・物価情勢の展望(日銀展望リポート)

2022/10/28 12:19

【基本的見解】

・日本経済の先行きを展望すると、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響力が和らぐもとで、回復していくとみられる。その後は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まるもとで、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。

・物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、本年末にかけて、エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により上昇率を高めたあと、これらの押し上げ寄与の減衰に伴い、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。その後は、マクロ的な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も高まっていくもとで、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとみられる。

・前回の見通しと比べると、成長率については、夏場の感染拡大や海外経済の減速の影響から、2022年度を中心に幾分下振れている。物価は、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から、2022年度を中心に上振れている。

・リスク要因をみると、引き続き、海外の経済・物価動向、今後のウクライナ情勢の展開や資源価格の動向、内外の感染症の動向やその影響など、わが国経済を巡る不確実性はきわめて高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。

・リスクバランスをみると、経済の見通しについては、下振れリスクの方が大きい。物価の見通しについては、上振れリスクの方が大きい。

(日銀HPより抜粋)

一覧へ戻る

ホーム » 要人発言