当面の金融政策運営について 日銀(1)

2022/06/17 12:07

1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定 した。

(1 )長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成8反対1) 

 次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。
短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。

連続指値オペの運用
 上記の金融市場調節方針を実現するため、10年物国債金利について 0.25% の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。

(2) 資産買入れ方針(全員一致)

 長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
DETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れ を行う。
2CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、 買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円) へと徐々に戻していく。

2.わが国の景気は、新型コロナウイルス感染症や資源価格上昇の影響などから一部に弱めの動きもみられるが、基調としては持ち直している。海外経済は、一部に弱めの動きがみられるものの、総じてみれば回復している。輸出や広工業生産は、 基調としては増加を続けているが、足もとでは、供給約の影響が強まっている。企業の景況感は、供給制約や資源価格上昇の影響などから、このところ改善が一服し ている。企業収益は全体として高水準で推移している。

 設備投資は、一部業種に弱さがみられるものの、持ち直している。雇用・所得環境は、一部で改善の動きもみ られるが、全体としてはなお弱めとなっている。個人消費は、感染症の影響が和ら ぐもとで、サービス消費を中心に持ち直している。住宅投資は横ばい圏内の動きと なっている。公共投資は弱めの動きとなっている。わが国の金融環境は、企業の資 金繰りの一部に厳しさが残っているものの、全体として緩和した状態にある。物価 画では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、携帯電話通信料の引き下げの影響が和らぎ、エネルギーや食料品の価格上昇を主因に、2%程度となって いる。また、予想物価上昇率は、短期を中心に上昇している。

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