市場心理とトレード | FX/CFD中級者〜上級者向け書籍
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市場心理とトレード
ビッグデータによるセンチメント分析
センチメントに注目
本書はファンダメンタルズでもテクニカルでもないセンチメントに注目した書籍です。
ロイターが提供しているTRMI(トムソン・ロイター・センチメント指数)のデータを活用し、市場関係者のセンチメントが相場にどのような影響を与えるかを株式市場を中心に解説しています。
ロイターのセンチメント指数とは、世界のニュースソースやSNS、ブログ、掲示板などの大量データから市場に対するセンチメントに関する言葉を抽出し、指数化したものです。
日々改良が続けれられており、本書のように米国株との相関関係を見出すに至っています。そしてこのようなデータを用いた自動売買を行うファンドも増えてきているとのことです。
この分野の研究は発展途上の段階であるとも言えるため、現状では認知されておらず、この本を読んでも半信半疑という方も多いと思います。
ただし、今ではほとんどの投資家が使用しているといっても過言ではないテクニカル分析が初めに世に出たときは、ほとんどの人が半信半疑であったといわれています。
コンピューター技術の発展により、情報処理スピードがアップし分析手法やトレード手法も変わっていくのも時間の問題かもしれません。
最近ではポンドの動き
本書で紹介されている「噂で買って事実で売れ」を為替相場の例を挙げるとポンドの動きが挙げられます。
ポンドは2016年、EU離脱の国民投票を経て売りが強まり、追加緩和が行われてさらに下落する動きとなりました。
下落の動きなので「噂で売って事実で買え」のパターンとなりますが、国民投票前にジリジリと警戒されて売られたいたのに加え、追加緩和でさらに売られるような状態となると、市場のポジションは大きく売りに傾いており、さらに売る参加者がいなくなり、追加緩和後は決済により押し上げられるような動きとなりました。
この反発がジリジリと進んでいる間、メディアやアナリストのレポートなどではブレグジットが意識され、ポンドは上値が重いとか、買いにくいといった内容のものが多かったのは記憶に新しいと思います。
下の図はOANDAで取引している顧客のポンドドル買いポジション(直近1年間)の比率を青のグラフ、ポンドドルのレート推移を黒の線グラフで示しています。
ポンドが上昇する局面では脳裏にブレグジットへのイメージが浮かび上がるのか売りポジションが多くなり、その後の上昇で悔しい思いをしています。
OANDAのオーダーブックで市場のセンチメントを探る
一般の投資家は高額なロイターのセンチメント指数にはなかなか手が出しにくいと思いますが、他のもので簡易的に市場のセンチメントをチェックすることができます。
OANDAが公開しているオーダーブックもその一つです。オーダーブックはOANDAグループの顧客のポジションやオーダーの情報を公開しており、これらは一般投資家のセンチメントが反映されています。
OANDAの顧客のポジションで買いの方が優勢なときは、一般投資家がその通貨ペアが上昇すると思っているときです。
逆に売りポジションの方が優勢なときは、一般投資家がその通貨ペアが下落すると思っているときです。
ただし、それが正しいとは限りません。むしろ、逆行することが多いです。本書を読むと理由がすこし理解できるかもしれません。
下のグラフはOANDAのドル円の買いポジション比率を青のグラフで示し、ドル円のレート推移を黒の線で示したものです。
買いポジションが増えると価格が下落し、売りポジションが増えると価格が上昇する反比例の関係になっているのが確認できると思います。
一般投資家の方が、「下がったからそろそろ上がるだろ」と考える水準はまだ下落の途中でしかなく、逆に「上昇したからそろそろ下落するだろ」と考える水準はまだ上昇の途中であり、値ごろ感からエントリーした参加者のストップ注文を消化しにいくような動きとなる傾向があります。
また、オープンポジションのポジションの分布を見ると、現在苦しい状況に追い込まれてストレスを抱えているトレーダーがどの水準にいるかをチェックできます。苦しい状況に陥ったトレーダーがどうなるかは予想がつくと思います。
下のAUDUSDのチャートをチャートを見ると含み損を抱えて苦しい買いポジションの保有者が多いのが確認できます。仮にさらに下値を探る動きとなった場合にはこれらのポジションの損切りが下落を後押しする状況になります。
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