本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、米10年債利回り低下で下値を探る展開か(2025年2月27日)

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February 27, 2025

【前日の為替概況】ドル円149.89円から148.81円付近へ、米10年債利回り4.24%台に低下

26日のニューヨーク外国為替市場でユーロ円は続落。
終値は156.33円と前営業日NY終値(156.69円)と比べて36銭程度のユーロ安水準だった。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは大きな方向感が出なかった。
ただNY午後に入り、トランプ米大統領が「欧州連合(EU)に対して25%の関税を課す」「EUへの関税は自動車や他のモノが対象になるとし、詳細は追って通知する」と発言すると売りが優勢となった。
前日の安値156.09円を下抜けて一時156.04円まで値を下げた。

トランプ米政権の関税政策の影響が懸念され、高く始まった米国株相場が失速。
ナイト・セッションの日経平均先物も下げに転じたことから、リスク・オフの円買い・ユーロ売りが進んだ。

市場では「トランプ米大統領の高関税政策を背景に、消費者の景況感やインフレへの懸念を示す経済指標が相次いでいる。底堅さを保っていた米景気の先行きに対し、金融市場で不安が広がり始めた」との声が聞かれた。

ドル円は3営業日ぶりに小反発。
終値は149.10円と前営業日NY終値(149.03円)と比べて7銭程度のドル高水準だった。
米10年債利回りが上昇に転じた場面では円売り・ドル買いが優勢となり一時149.89円と日通し高値を付けたものの、節目の150.00円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
市場では「月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測された」との指摘もあった。

その後、トランプ米大統領の関税を巡る発言が伝わると米国株相場の失速とともに米10年債利回りが一時4.2429%前後と昨年12月11日以来の低水準を更新。
ドル円にも売りが出て一時148.81円付近まで下押しした。
もっとも、アジア時間に付けた日通し安値148.63円や前日の安値148.57円がサポートとして意識されると149円台前半まで買い戻された。

なお、三村財務官は足もとの円高・ドル安傾向について「最近の経済指標や日銀の今後の金融政策に関する発信と基本的に齟齬はない」と述べ、理解を示した。

ユーロドルは3日ぶりに反落。
終値は1.0485ドルと前営業日NY終値(1.0514ドル)と比べて0.0029ドル程度のユーロ安水準。
米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時1.0529ドルと1月27日以来の高値を付けた。

ただ、トランプ米大統領の対EU関税を巡る発言が伝わると一転下落。
6時30分頃に1.0479ドル付近まで押し戻された。

【本日の東京為替見通し】ドル円、米10年債利回り低下で下値を探る展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが低下基調にあることで下値を探る展開が予想される。

トランプ関税に関しては、メキシコとカナダに対する関税発動が3月4日からを4月2日に再延期され、「EUに対して自動車や他のモノに25%の関税を課すが、詳細は追って通知する」とのことで、本日も突発的な発言には警戒しておきたい。

昨日の米10年債利回りは、東京時間には、米下院でトランプ大統領の看板政策である4.5兆ドル規模の大型減税や債務上限の4兆ドルの引き上げなどを含んだ予算決議案が可決されたことで、4.33%台まで上昇し、ドル円も149円台後半まで上昇した。
しかし、海外市場では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ懸念よりも、景気鈍化懸念に軸足を置いて追加利下げを継続するのではないか、との見方から4.24%台まで低下し、ドルの上値を抑えている。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している0.25%の追加利下げ時期は、6月FOMC(-0.25%=4.00-25%)に前倒しされており、9月FOMCでも追加利下げ(-0.25%=3.75-4.00%)が見込まれており、12月FOMCでの追加利下げ(-0.25%=3.50-75%)の確率も徐々に上昇しつつある。

今週の注目ポイントである明日発表の米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの1月分は、前年比+2.5%と予想されており、12月の同比+2.6%からの伸び率鈍化が見込まれており、予想通りならば、今年の利下げ回数が3回になる可能性を高めることになる。

一方で、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示唆する日銀の0.75%への追加利上げ時期は、5月の日銀金融政策決定会合となっている。

1月の日本の物価指数(※前年比)は、以下の通りインフレ目標2%を超えている。
・総合CPI(+4.0%)、コアCPI(+3.2%)、企業向けサービス価格指数(+3.1%)、企業物価指数(+4.2%)、輸入物価指数(+2.3%)
※基調的なインフレ率を捕捉するための指標:刈り込み平均値(+2.2%)、加重中央値(+1.4%)、最頻値(+1.3%)

2月21日に長期金利の上昇に歯止めをかけた植田日銀総裁は、「総合指数は4%に乗せたが、基調的な物価上昇率はまだ2%を少し下回っている。基調的な物価の上昇が続くことになれば、引き続き金融緩和度合いの調整を続けていきたい」と述べており、「刈り込み平均値」の前年比+2.2%への上昇は、日銀の追加利上げ観測を高めている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
特になし

<海外>
○09:00 ◇ 2月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 10-12月期豪民間設備投資(予想:前期比0.8%)
○16:00 ◇ 1月トルコ貿易収支(予想:77.0億ドルの赤字)
○16:45 ◇ 2月仏卸売物価指数(PPI)
○17:00 ◎ 10-12月期スイス国内総生産(GDP、予想:前期比0.2%/前年比1.6%)
○18:30 ◇ 1月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比1.0%)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.0)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲13.6)
○21:00 ◇ 1月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.70%)
○21:00 ◇ 1月メキシコ貿易収支(予想:36.39億ドルの赤字)
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月29-30日分)
○22:15 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 10-12月期カナダ経常収支(予想:37.5億カナダドルの赤字)
○22:30 ☆ 10-12月期米国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比年率2.3%)
○22:30 ◎ 10-12月期米個人消費(改定値、予想:前期比年率4.1%)
○22:30 ◎ 10-12月期米コアPCE(改定値、予想:前期比年率2.5%)
○22:30 ◎ 1月米耐久財受注額(予想:前月比2.0%/輸送用機器を除く前月比0.3%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/187.2万人)
○23:15 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○24:00 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○24:00 ◎ 1月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.9%/前年比▲1.1%)
○28日01:45 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○28日03:15 ◎ ハマック米クリーブランド連銀総裁、講演
○28日05:15 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(南アフリカ・ケープタウン、最終日)
○米英首脳会談(ワシントン)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

26日13:14 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の利下げ停止の議論は、時期尚早」

27日00:23 シェインバウム・メキシコ大統領
「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直しは予定されている2026年より前倒しされる可能性」
「メキシコの財務省は米国財務長官と協議を行っている」
「メキシコの安全保障当局者が27日にワシントンで会合を行う予定」

27日01:52 トランプ米大統領
「インフレは高金利の影響で一部低下している」
「ゼレンスキー・ウクライナ大統領が28日に訪米する」
「卵やその他の物の価格を下げなければならない」
27日02:22
「関税は止めない」
「中国、ロシア、中東と良好な関係を築く」
「中国は米国を利用することはできない」
「中国との関係は非常に良好になる」
「中国に米国への投資を期待している」
「習近平主席と良好な関係を築く」
「対メキシコ・カナダ関税は4月2日に発動」
「EUへの関税を25%に決定」
「EUは関税に対して報復を試みるかもしれない」
「EUへの関税の詳細はまもなく発表される」

27日01:55 三村財務官
「最近の円相場の動きとGDPや国内インフレデータの好調さとの間に乖離は見られない」
「輸入価格の上昇は為替要因も一部影響している」
「日本銀行が強い経済指標とヘッドラインインフレ数値を考慮して金融政策の見通しについてメッセージを発信していると理解」

27日02:34 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「FRBの政策は引き締め的であり、引き締め的な状態を維持する必要」
「FRBは現状を維持し、世界の状況がどのように変化するかを見守る必要」
「雇用の均衡点の推定値は低く、75000-100000人程度」
「労働市場は緩和しているが、まだ緩和したとは言えない」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0227

パラメータ0227

小陽線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
孕み線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けていることで反落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。

レジスタンス1 150.48(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 149.10
サポート1 148.01(2024/10/9安値)
サポート2 147.35(2024/10/8安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=雲の上限を支持に押し目買いスタンス>

ユーロドル0227

パラメータ0227

陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
孕み線で反落したものの依然として転換線を上回って引けていることで反発の可能性が示唆されている。

本日は転換線1.0465ドルを念頭に置き、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨みたい。

レジスタンス1 1.0630(2024/12/6高値)
前日終値 1.0485
サポート1 1.0416(日足一目均衡表・雲の上限)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=低下中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロ円0227

パラメータ0227

陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
2手連続陰線で転換線を下回って引けていることで、続落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。

レジスタンス1 157.85(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 156.33
サポート1 155.61(2/10安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=低下中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

豪ドル円0227

パラメータ0227

陰線引け。
一目均衡表・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
2手連続陰線で転換線を下回って引けていることで、続落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。

レジスタンス1 95.35(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 94.01
サポート1 93.42(2024/8/6安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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