本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):円相場は本邦GDPに注目、ユーロ焦点は停戦協議への欧州拒否反応(2025年2月17日)

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February 17, 2025

【前日の為替概況】ドル円、一時152.03円まで下落 ユーロドルも1.05ドル台に乗せる場面も

14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。
終値は152.31円と前営業日NY終値(152.80円)と比べて49銭程度のドル安水準だった。
米商務省が本日発表した1月米小売売上高は前月比0.9%減と市場予想の0.1%減を大幅に下回ったうえ、自動車を除いたベースでは0.4%減と予想の0.3%増に反して減少となった。
米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となり、1時30分前に一時152.03円と日通し安値を付けた。

市場では「米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ期待が維持され、米長期金利が低下。
日米金利差縮小への思惑から円買い・ドル売り地合いが強まった」との声が聞かれた。

米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.44%台まで低下した。

ユーロドルは4日続伸。
終値は1.0492ドルと前営業日NY終値(1.0465ドル)と比べて0.0027ドル程度のユーロ高水準だった。
ウクライナ和平への期待や米関税を巡る懸念の後退を背景にユーロ買い・ドル売りが入りやすい中、米小売売上高の下振れを受けて全般ドル売りが活発化。
24時前に一時1.0514ドルと1月27日以来の高値を更新した。
ただ、買い一巡後は徐々に値動きが鈍り、1.0500ドルを挟んだもみ合いに転じた。

なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.57まで低下した。

ユーロ円は小幅ながら続落。
終値は159.83円と前営業日NY終値(159.90円)と比べて7銭程度のユーロ安水準。
ただ、NY市場に限れば、160.00円を挟んだもみ合いに終始した。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

【本日の東京為替見通し】円相場は本邦GDPに注目、ユーロ焦点は停戦協議への欧州拒否反応

本日の東京時間でドル円は、方向感が出にくく引き続き神経質な動きになりそうだが、米長期金利の低下で上値は限られるか。
指標では10-12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表予定。

2月に入りドル円は非常にボラタイルに動き、最も狭い日でも11日の96銭レンジで、平均すると1日に1円66銭の値幅を伴った動きになっている。
大きな値幅の要因としては、トランプ米大統領が関税賦課を示唆するものの、ディールを望んでいることもあり、関税が実際に発動されるのかが定まらず、米長期金利が激しく上下していることが主要因。
また植田日銀総裁の就任後、日銀は経済指標の発表などが無い場合でも急に本邦の金融政策見通しに変化を加え、市場と対話が全く取れていないことも別要因としてある。

本日は米国市場がプレジデンツデーで休場。
リスクを取るのは難しい相場で値幅は限られるかもしれないが、引き続きトランプ政権の動向や本邦要人の不用意な発言が相場をかき乱すことはありそうだ。

円相場で本日注目されるのは、本邦の10-12月期GDP速報値。
市場は、年率換算で7-9月期の+1.2%から+1.0%へと低下を予想。
今年1月に発表された日銀の展望レポートでは、2025年度のGDP予想は+1.1%となっていることで、昨年の第3四半期からは停滞するものの、概ね見通しに沿ったものになっている。
本日は10-12月期のGDPが予想を上振れれば、賃金と物価の好循環が確認でき、3月に向けての日銀の利上げ期待が更に高まり円が買われることになるだろう。
一方で成長率が鈍化した場合には、やや円が売られることになるか。

ドル円以外には、欧州通貨の値動きには要注目。
引き続きロシアとウクライナの停戦協議の動向には目を向けておきたい。
トランプ米大統領による停戦協議の提案は、ウクライナと地政学的に密接に結びついている欧州各国を無視している。
これを懸案し、週末にマクロン仏大統領が本日月曜日「ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド、スペイン、オランダ、デンマークの政府首脳、および欧州理事会議長、欧州委員会委員長、NATO事務総長」と「非公式」会合を行う予定であると述べた。

トランプ米大統領は、和平よりもウクライナから同国の希土類鉱物へのアクセスを確保するというディールを持ち掛けている。
ゼレンスキー・ウクライナ大統領はこれまでに提示された提案は、ウクライナにとって具体的な安全保障を保証するものではないと述べ、米ロ両国だけの協議に対してウクライナを含めた欧州各国が拒否反応を示している。
安易に米ロの協議が行われることが停戦協議となるわけではなく、欧州の孤立がさらに進み、ユーロ相場に影響を与えるリスクもありそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ☆ 10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.3%/前期比年率1.0%)
○13:30 ◇ 12月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)
○13:30 ◇ 12月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 12月設備稼働率

<海外>
○19:00 ◇ 12月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済145億ユーロの黒字)
○20:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○22:15 ◇ 1月カナダ住宅着工件数(予想:25.25万件)
○22:30 ◇ 12月対カナダ証券投資
○23:30 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○18日00:20 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米国(プレジデンツデー)、カナダ(ファミリーデー)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

14日08:40 トランプ米大統領
(モディ・インド首相との会談後)
「インドが関税引き下げを発表」
「欧州は資金面で重責を担っていない」
「我々は公平な競争条件を得る権利がある」
「我々は中国と非常に良好な関係を築けるだろう」
「ロシア、ウクライナとの交渉について言うのは時期尚早」
15日04:42
「自動車関税は4月2日頃に導入するだろう」

14日08:57 赤沢経済再生相
「円安は実体経済に様々な影響、為替動向を十分注視する」
「(相互関税について)措置の具体的な内容や影響を精査し適切に対応」

14日19:48 ゼレンスキー・ウクライナ大統領
「米国および同盟国とのあらゆる協議に応じる用意がある」
「同盟国と立場を合わせた後、ロシアとの協議を行う」
「ロシアはベラルーシに最大15万人の兵士を配備する可能性」
「トランプ氏との話し合いは良好かつ前向きだった」
「プーチン大統領は平和を望んでいない」

14日20:50 ベッセント米財務長官
「イランの石油販売をトランプ政権初期のレベルに戻せば、イランは深刻な経済的苦境に陥るだろう」
「イランに対して最大限の経済的圧力をかけることができる」
「(ロシアへの制裁の可能性について尋ねられて) プーチンがどのように交渉のテーブルにつくかによる」
「他国が関税を下げない場合、関税は非常に大幅なものになる可能性」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線の動向に沿い戻り試すことできるか注視>

ドル円0217

パラメータ0217

陰線引け。
152.70円台で推移する200日移動平均線を下回る動きとなった。
同線は相場の強弱を判断する上での節目とされている。

先週末の戻りは一目均衡表・転換線153.23円の手前で抑えられた格好だが、本日152.87円へ低下した同線は、現状からすればここで底打ちする可能性がある。
転換線の動向に沿って戻りを試し、200日線を回復できるか注視する局面といえよう。

レジスタンス1 153.15(2/14高値)
前日終値 152.31
サポート1 151.65(2/11安値)
サポート2 151.16(2/10安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=目先は90日線前後の攻防>

ユーロドル0217

パラメータ0217

小陽線引け。
一時1.0514ドルと、1月27日につけた年初来高値1.0533ドルに迫る動きとなった。
同高値の上抜けから、一目均衡表・雲の上限を試す展開も視野に入りつつある。
目先は1.0519ドル前後で低下中の90日移動平均線付近の攻防か。
下押した場合の目先の支えは1.0438ドル前後で推移する5日線。
深押しとなっても、上昇が見込まれる一目・転換線1.0397ドルが支えとなるだろう。

レジスタンス1 1.0558(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0492
サポート1 1.0438(5日移動平均線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=基準線前後の攻防、弱含む場面あるか>

ユーロ円0217

パラメータ0217

小陰線引け。
一目均衡表・基準線159.85円前後の攻防となった。
上値は先週末高値や160.37円前後で低下中の21日移動平均線前後が重そう。
159.55円前後で上昇中の5日移動平均線を割り込む場面もあり弱含む展開も想定しておきたいが、今後の上昇が見込まれる一目・転換線158.40円がやがて支えとなり、相場の持ち直しを支援するとみる。

レジスタンス1 160.26(2/14高値)
前日終値 159.83
サポート1 159.02(2/13安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=基準線が支えも12日高値や雲が重し>

豪ドル円0217

パラメータ0217

小陽線引け。
一目均衡表・基準線96.54円前後で底堅さを示すものの、96.70円付近で推移する21日移動平均線前後が重く、方向感が出なかった。
基準線前後の底堅さを背景に、徐々に上値を試す展開を想定する。
ただ、12日高値97.33円や一目均衡表・雲の下限97.58円が重しとなりそう。

レジスタンス1 97.33(2/12高値)
前日終値 96.74
サポート1 96.00(2/13安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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