本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、下値が意識されやすい NY時間には重要イベント控える(2025年2月7日)

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February 7, 2025

【前日の為替概況】ドル円、一時151.24円まで下げる ユーロ円も12/4以来の安値更新

6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続落。
終値は151.41円と前営業日NY終値(152.61円)と比べて1円20銭程度のドル安水準だった。
10-12月期米非農業部門労働生産性速報値や10-12月期米単位労働コスト速報値、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが先行。
前日の12月毎月勤労統計の結果や本日の田村直樹日銀審議委員の発言を受けて、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい面もあり、4時30分過ぎには一時151.24円と昨年12月11日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。

前日の赤沢経済再生相や本日の加藤財務相の発言を受けて、「日本政府要人からインフレを意識する発言が出たことで、日銀の利上げ継続は既定路線とみる市場参加者が増えたようだ」との指摘もあった。

ユーロドルは3営業日ぶりに小反落。
終値は1.0383ドルと前営業日NY終値(1.0403ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ安水準だった。
ポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行すると、21時30分過ぎに一時1.0353ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は下げ渋った。
低調な米経済指標が相次いだことでユーロ買い・ドル売りがじわりと強まると1.0396ドル付近まで下値を切り上げた。

ユーロ円は続落。
終値は157.27円と前営業日NY終値(158.75円)と比べて1円48銭程度のユーロ安水準。
日銀の追加利上げ観測を背景に円買い・ユーロ売りが入ると、4時30分過ぎに一時157.04円と昨年12月4日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。

メキシコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を現行の10.00%から9.50%へ引き下げることを決めたと発表。
声明では「インフレ環境によりさらなる利下げが可能」「0.50%のさらなる利下げの可能性」との見解が示された。
今回の利下げは昨年3月に政策金利を過去最高の11.25%から引き下げ始めて以来、最大の利下げ幅。
今後も同様の利下げを行う可能性が示唆されるとペソ売りで反応した。
ドルペソは20.4164ペソから20.51ペソ台までペソ安に振れたほか、ペソ円は7.41円台から7.37円台まで下押しした。

【本日の東京為替見通し】ドル円、下値が意識されやすい NY時間には重要イベント控える

昨日のドル円は、200日移動平均線付近での上値の重さを確認すると下値を模索する動きとなった。
本日の東京市場では、同線を明確に下抜けたことで下値が意識されやすい地合いの中、1月米雇用統計や日米首脳会談を前に株価や長期金利をながめながらの取引か。

足元のドル円は、円買いとドル売りの両輪により下げている状態である。
円買いのきっかけは、4日に植田日銀総裁が「デフレではなくインフレの状態にある」と発言したことである。
昨日は田村日銀審議委員からタカ派的な発言が伝わっており、日銀の早期利上げ期待が高まるとの見方と共に円買いが優勢となった。

本日は12月全世帯家計調査・消費支出の発表が予定されている。
市場予想は前年比+0.2%と5カ月ぶりにプラスに転じると見られている。
11月は同-0.4%であった。
日銀の早期利上げ期待に影響を与えるかと共に、発表後の本邦の長期金利や株式市場の反応にも注目したい。

また、今晩の1月米雇用統計を前に、今週は弱い米指標が散見されることでドルが売られていることも見逃せない。
昨日は弱い米指標が相次いだことを受けてドル売りが強まると、ドル円は151円台前半まで下値を広げた。
こちらは米国要因のためこの流れを変えるのは容易ではなく、東京市場でもドル円の重しとなることが予想される。
引き続き、米長期金利の動向にも目を配っておきたい。

そのほか、石破首相が就任後初となる、トランプ米大統領との日米首脳会談が予定されている。
現時点では石破首相からは経済や安全保障問題などを話す意向が伝わっているものの、「アメリカ・ファースト」を掲げ、ディール外交を好むトランプ大統領が、日本に対し何かしら注文を付けてくることは想像に難くない。
会談に関する観測記事などが出れば過敏に反応することも想定される。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◇ 12月家計調査(消費支出、予想:前年比0.2%)
○08:50 ◇ 1月外貨準備高
○14:00 ◇ 12月景気動向指数速報値(予想:先行108.3/一致116.6)

<海外>
○07:00 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、ビデオあいさつ
○07:10 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.25%に引き下げ)
○16:00 ◎ 12月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.6%/前年同月比▲2.1%)
○16:00 ◇ 12月独貿易収支(予想:170億ユーロの黒字)
○16:45 ◇ 12月仏貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏経常収支
○17:00 ◇ 1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲30.5)
○17:45 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00 ◎ 1月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.61%)
○21:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ☆ 1月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.8%)
○22:30 ☆ 1月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.0万人/失業率4.1%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.8%)
○23:25 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:71.1)
○24:00 ◇ 12月米卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○8日01:00 ◎ 12月ロシア失業率(予想:2.4%)
○8日02:00 ◎ クーグラーFRB理事、講演
○8日03:00 ◎ 1月ブラジル貿易収支(予想:30.15億ドルの黒字)
○8日05:00 ◇ 12月米消費者信用残高(予想:123.5億ドル)
○日米首脳会談(ワシントン)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

6日09:58 加藤財務相
「デフレ脱却と断ずるには至っていない」
「現状物価が上がっているという意味ではインフレ」

6日10:16 ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長
「影響の全体像がより明確になるまで、現在の引き締め的な政策水準を維持する方針」
「トランプ政権の政策巡る影響、総合的効果を検討する必要」
「100bp低下してもFEDレートは依然として引き締め的」

6日10:33 田村日銀審議委員
「物価安定の目標実現の確度が高まるにつれて、金融緩和の度合いを調整する方針」
「中立金利、最低でも1%程度とみている」
「2025年度後半には少なくとも1%程度まで短期金利引き上げておくことが、物価目標達成の上で必要」
「0.75%への利上げタイミング、適切に判断していく」
「0.75%に利上げしても実質金利は大幅にマイナス、経済引き締める水準にはまだ距離」
「企業の価格転嫁や人手不足を背景とした賃金上昇が進み、物価の上振れリスクが高まっている」
「供給制約によるインフレリスクを抑えるため、適切なタイミングで利上げを実施し、物価安定を維持する」
「適時かつ段階的に短期金利を引き上げつつ、経済・物価の反応を丁寧に確認し、適切な短期金利の水準を探り必要」
6日14:13 
「懇談会では金利よりも円安の方が大変といった声も」
「見通し通りであれば中立金利にもっていくことが先決」
「中立金利は1%と決め打ちしているわけではない」
「利上げのペースや一定水準を念頭に置く方が適時・段階的に調整が可能になる」
「物価上振れリスクはだんだん膨らんでいる」
「利上げペースで半年に1回などの予断は持っていない」
「利上げペースはデータ・情報次第」
「次の利上げ時期に予断を持っておらず特段考えていない」
「政策金利0.75%の壁は特に意識していない」

6日16:32 中国商務省
「中国は一方的ないじめ的措置に対して必ず必要な措置を講じ、断固として権利を守る」

6日21:01 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
「MPCは9対0で4.50%への引き下げを決定」
「1年後のCPIは+3.0%(前回は2.7%)」
「2年後のCPIは+2.3%(前回は2.2%)」
「3年後のCPIは+1.9%(前回は1.8%)」
「2025年GDP予測は+0.75%(前回は+1.50%)」
「インフレの持続性リスクを注視」
「2028年第1四半期までに政策金利は4%になる」
「ディングラ委員とマン委員が0.50%の大幅利下げを支持」
「最近の利下げ後も金融政策は明らかに制限的だが、制限の程度については見解が分かれる」
「段階的かつ慎重な利下げが必要」
「米国の関税を注視、保護主義の強化は世界経済にマイナスの影響」

6日21:56 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「スタグフレーションという言葉は使わない」
「ディスインフレの傾向が定着している」
7日01:17
「意見割れたMPC投票は意思表示のツールではない」

7日03:17 ベッセント米財務長官
「強いドル政策はトランプ政権下で堅持」
「強いドルは4つの意味を持つ。まずは信頼から始まる」
「パウエルFRB議長と建設的な会談を行った」

7日04:26 メキシコ中銀声明
「2026年第3四半期にインフレが3%目標に近づく予想」
「利下げ幅を巡り4対1で意見が分かれた。1名が0.25%の利下げに投票」
「インフレ見通しにより大幅な利下げ」
「インフレ環境によりさらなる利下げが可能」
「米国の政策変更により不確実性が高まっている」
「0.50%のさらなる利下げの可能性」

7日04:30 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「雇用は完全雇用付近で落ち着いているようだ」
「インフレ進展が停滞しているように見えるのは、主にベース効果による」
「不確実性が増したことでFRBを取り巻く環境はより不透明になり、利下げペースを緩める理由となる」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=三役逆転が点灯中、下値警戒感が続く>

ドル円0207

パラメータ0207

大陰線引け。
152円割れから反発するも152円後半の200日線を超えたところで買い戻しは一服。
再び緩み始めると、約2カ月ぶりの安値圏151円前半まで下値を広げた。

日足一目の位置関係は「転換線が基準線の下、遅行スパンも実線の下、雲の下で引け」と、強い売りシグナルとされる三役逆転が点灯中。
下値への警戒感が続くなか、まずは昨年12月10日安値150.90円をこなせるか注目したい。

レジスタンス1 152.89(2/6高値)
前日終値 151.41
サポート1 150.90(2024/12/10安値)
サポート2 150.00(心理的節目)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=一目・雲の下限を見据えて方向感探る展開>

ユーロドル0207

パラメータ0207

陰線引け。
1.04ドルで伸び悩み、1.03ドル半ばまで反落。
ただ昨日まで1.0337ドルで並ぶ日足一目・転換線や基準線が支持となった。
下げ幅を縮小するも4手ぶり陰線引け。

雲の下限は本日も1.0385ドルに位置しており、まだ暫く同水準を見据えながら方向感を探る展開が続くか。
転換線が本日1.0310ドル台に低下しており、下押すようだと同線がまずは下値めどとなる。

レジスタンス1 1.0467(1/30高値)
前日終値 1.0383
サポート1 1.0318(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=2日連続の大幅下落、揺り戻しにも注意>

ポンド円0207

パラメータ0207

大陰線引け。
191円手前から失速し、190円割れで下げ渋る場面もあったが売り圧力は弱まらず。
12月初旬以来の188円台に突入し、188円手前まで下げ幅を大きく広げた。

昨年12月3日安値を僅かに割り込んだところで下げ止まっており、本日も188円付近が目先の攻防水準として意識される。
大幅下落が2日続いた後だけに揺り戻しにも注意。
その場合は先月17日安値189.34円がまずは意識されるだろう。

レジスタンス1 189.34(1/17安値)
前日終値 188.30
サポート1 187.44(2024/9/19安値)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=3日安値を下抜けると転換線が水準切り下げ>

NZドル円0207

パラメータ0207

陰線引け。
86円後半を頭に下値を試し、86円を割り込んだ。
長い下ヒゲを作った3日の安値を前に下げ止まるも、2手連続の陰線引けとなった。

日足一目・転換線は本日87円を下回ってきた。
3日安値85.70円を下抜けて安値を更新すると、その度に同線は水準を切り下げる。
下値余地を探る展開が想定されるなか、転換線をバックに売りスタンスで臨みたい。

レジスタンス1 86.97(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 85.92
サポート1 85.07(ピボット・サポート2)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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