January 28, 2025
【前日の為替概況】ドル円、3日続落 中国新興企業の最新AI優位性を懸念して米株先物急落
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。
終値は154.51円と前営業日NY終値(156.00円)と比べて1円49銭程度のドル安水準だった。
中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落するとリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となった。
20時30分過ぎには一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.49%台まで低下したことも相場の重し。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。
米10年債利回りが4.56%台まで低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えした。
4時30分過ぎには154.72円付近まで下値を切り上げた。
ユーロドルは3営業日ぶりに小反落。
終値は1.0492ドルと前営業日NY終値(1.0497ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ安水準だった。
欧州時間発表の1月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことなどを受けてユーロ買い・ドル売りが先行。
米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、22時過ぎに一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けた。
ただ、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなった。
4時過ぎには1.0479ドル付近まで押し戻された。
ユーロ円は反落。
終値は162.12円と前営業日NY終値(163.68円)と比べて1円56銭程度のユーロ安水準。
米株価指数先物の急落などを背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り、欧州時間には一時161.55円まで値を下げた。
ただ、NY市場に入るとドル円の下げ渋りや現物のダウ平均の持ち直しなどを手掛かりに買い戻しが入り、下げ幅を縮めた。
【本日の東京為替見通し】ドル円、市場参加者減少の中で株価動向に要警戒か
昨日は、中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の競争力に対する懸念から、半導体株を中心として急落。
日本株のみならず欧米株も下落してリスク回避ムードが強まった。
このショック的な動きの影響が本日の株式市場に残るようならば、引き続き株価動向に神経質な展開が見込まれる。
株安局面ではドル円やクロス円に下落圧力が掛かりやすいだろう。
本日のアジア市場は、中国や台湾、韓国などが休場となるのをはじめ、シンガポールや香港が短縮取引となるなど、市場参加者の減少により流動性の低下が懸念される中、一度動き出すと荒っぽい動きとなる恐れがある点には注意したい。
ただ、こうした動きが落ち着きを見せるようならば、本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的な売買が手控えられる展開もあり得る。
また、本日は日銀が14時に「12月の全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を公表予定。
同月のコア指数は前年比+3.0%と1年4カ月ぶりに3%台に乗せている。
植田日銀総裁は24日の会見で「今後も日銀の経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことに変わりはない」と発言している。
前回発表された11月の数値(刈込平均値:+1.7%、加重平均値:+0.9%、最頻値:+1.1)と比べ、上昇の幅や日銀が目標としている物価水準の2%にどの程度近づいたか確認しておきたい。
そのほか、昨日午前の相場変動要因となったトランプ米大統領による政策への警戒は緩めないようにしたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.2%)
<海外>
○09:30 ◇ 12月豪NAB企業景況感指数
○16:45 ◇ 1月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○18:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米耐久財受注額(予想:前月比0.6%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○23:00 ◇ 11月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○23:00 ◎ 11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.3%)
○23:30 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、パネルディスカッションに参加
○24:00 ◎ 1月米消費者信頼感指数(予想:105.6)
○24:00 ◎ 1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲12)
○29日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
27日12:16 米ホワイトハウス
「コロンビアが米国から送還された不法移民の受け入れに同意」
「コロンビアに対する関税は保留」
27日17:22 ラガルドECB総裁
「中央銀行の独立性が、世界各地で疑問に晒されている」
「中銀の独立性が失われれば、経済は不安定化する恐れ」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=雲の上限前後が引き続きサポートになるか注目>
下影大陰線引け。
一時153.72円と、昨年12月18日以来の安値を付けた。
一目均衡表・雲の上限153.88円を割り込んだ同水準では下げ止まり、154円半ばへ戻してNYを引けている。
雲の上限前後が引き続きサポートになるか注目だが、同水準は本日154.08円へ切り上がる。
下押しが再開した場合の下値は、昨日安値前後をめどにしておいた方がよいだろう。
レジスタンス1 155.24(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 154.51
サポート1 153.72(1/27安値)
サポート2 153.34(2024/12/18安値)
<ユーロドル=雲の中で動意を鈍らす>
極小陰線引け。
一目均衡表・雲の中で動意を滞らせた。
先々の低下余地を残す一目・雲の下限1.0461ドル付近までの下押しも想定しておきたい。
雲を下抜けた際のめどは、24日安値1.0412ドル前後。
やや下で推移する、上昇傾向の一目均衡表・転換線1.0397ドル付近も下げ渋りのポイントになりそうだ。
レジスタンス1 1.0568(2024/12/10高値)
前日終値 1.0492
サポート1 1.0412(1/24安値)
<ポンド円=上昇傾向の雲上限や90日線を追えず下振れ>
下影大陰線引け。
194円後半で上昇傾向の一目均衡表・雲の上限や90日移動平均線を追い続ける展開には至らず、一時192.17円まで大きく下振れた。
しかし、先週末安値192.08円を割り込むまでには至らず。
今後の上昇が見込まれる一目・転換線192.05円もやや下値に控えており192円前半はサポートになるとみる。
レジスタンス1 193.70(1/27レンジ61.8%水準)
前日終値 193.13
サポート1 192.17(1/27安値)
<NZドル円=雲下抜けで三役陰転が点灯ではあるが>
下影大陰線引け。
前週末の上昇で一目均衡表・雲の上抜けが視野に入るも失速。
昨日は雲の下限を再び割り込み、三役陰転が点灯した。
ただ、一目・転換線は30日に一目・基準線を上抜く見通しであり、相場が基準線88.20円を回復するようならば再び雲の下限突破を試す展開もあるか。
下値は前日安値87.58円付近を割り込むと、17日安値86.69円を見にいく展開も想定できる。
レジスタンス1 88.64(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 87.95
サポート1 87.21(1/20安値)
Provided by
DZH Finacial Research
「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。
豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。