本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、トランプ米大統領の就任式を控えて動きづらい展開か(2025年1月20日)

ニュース

January 20, 2025

【前日の為替概況】ドル円156.37円まで上昇、ダウ平均や米10年債利回りの上昇で

17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。
終値は156.30円と前営業日NY終値(155.16円)と比べて1円14銭程度のドル高水準。

本日発表の中国経済指標が良好な結果となり同国景気への懸念が和らいだほか、国際通貨基金(IMF)が今年の米成長率を上方修正したことが好感されて、ダウ平均が一時500ドル超上昇。
投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。

12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったことも相場の支援材料となり、2時前には一時156.37円と日通し高値を更新した。

なお、欧州の取引時間帯には「日銀は来週23-24日に開く金融政策決定会合で、追加利上げを検討」「政策委員の過半が追加利上げを支持する見通し」との観測報道が伝わったものの、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。

ユーロドルは反落。
終値は1.0273ドルと前営業日NY終値(1.0301ドル)と比べて0.0028ドル程度のユーロ安水準。
良好な米経済指標が相次いだことでユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0265ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0261ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移したこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0330ドルと日通し高値を付けた。
ただ、15日の高値1.0354ドルや一目均衡表基準線が位置する1.0356ドルがレジスタンスとして働くと再び上値が重くなった。
米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、6時30分前には1.0269ドル付近まで押し戻された。

もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。
米国市場は明日から3連休に入るほか、20日にはトランプ氏が大統領に就任する。
市場では「様子見ムードが強く積極的な商いは手控えられた」との声が聞かれた。

ユーロ円は3日ぶりに反発。
終値は160.56円と前営業日NY終値(159.85円)と比べて71銭程度のユーロ高水準。
ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時本日高値となる161.01円まで値を上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、トランプ米大統領の就任式を控えて動きづらい展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、ニューヨーク市場がキング牧師誕生日のため休場となり、トランプ米大統領の就任式が開催されるため動きづらい展開が予想される。

14日に氷見野良三日銀副総裁は、23、24両日に開く金融政策決定会合について「焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する」と述べ、20日に就任するトランプ米大統領の演説内容などを見極めて結論を出す考えを明らかにした。

15日に植田日銀総裁は「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」と述べた。

すなわち、本日のトランプ米大統領の就任演説が想定外の内容でない限り、今週末の日銀金融政策決定会合では0.50%への追加利上げの可能性が高いことになるため、ドル円の上値を抑える要因となっている。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率は80%台となっている。

トランプ米大統領の就任演説や大統領令に関しては、これまでのトランプ氏の発言などから、トランプ関税、減税、移民送還、そして外交政策(ウクライナ、中東、グリーンランド、パナマ運河)などが想定される。

リスクシナリオとして、第1次トランプ米政権と同様に、金融緩和とドル安指向を改めて明言した場合には、要警戒となる。

第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長候補のウォラーFRB理事は、先日、「関税引き上げにより物価上昇圧力の可能性が高まる」としながらも、「物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、FRBは予想よりも早くより速いペースで利下げする可能性が高まる」、とのトランプ次期米大統領の要望に沿った見方を示した。

目先のトランプ次期政権にとっての懸念材料は、債務上限の引き上げ、あるいは効力の再停止に関する議会の判断となる。

先週末17日にイエレン米財務長官は、連邦債務の法定上限突破を回避するため、21日から会計上の特別措置を始めると発表し、債務上限の引き上げか一時停止を議会に要請した。

トランプ次期政権下では、共和党がホワイトハウスと上下両院を支配しているため、債務上限問題はこれまでのように難航する懸案にはならないと予想されているが、昨年末には、共和党の保守強硬派が債務上限の引き上げ、停止に難色を示したことで警戒しておきたい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◎ 11月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲0.8%/前年比4.2%)
○13:30 ◇ 11月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 11月設備稼働率
○13:30 ◇ 11月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)

<海外>
○16:00 ◇ 12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○16:30 ◇ 12月スイス生産者輸入価格
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏建設支出
○23:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○23:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○トランプ氏が米大統領就任
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス、24日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

17日11:09 加藤財務相
「金利は市場において決められるもの」

17日15:22 日銀関係筋
「日銀、0.5%への利上げなら、緩和度合い調整、の方針維持」
「日銀、米新政権発足後の市場波乱なければ来週会合で利上げの公算」

17日19:21 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「次回のECB理事会では金融政策の緩和を継続すべきだ」
「利下げは段階的に、データに基づいて行われるべきだ」

17日19:35 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「金融政策は適度に引き締め的な状態」
「FRBは今後の利下げを検討する際に非常に慎重」
「12月時点で経済は予想以上に強かった」
「インフレは依然として問題」

17日20:07 ナーゲル独連銀総裁
「インフレは依然高水準、不確実性は強い」
「欧州中央銀行(ECB)は利下げを急ぐべきではない」

17日21:01 テイラーMPC委員
「最近のデータは悲観的な内容となっている」

17日23:07 エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事
「急激な金利引き下げはサービスインフレを上昇させる可能性」
「長期間の高金利維持は目標を下回るリスク」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上昇している基準線を支えに転換線目指すか>

ドル円0120

パラメータ0120

大陽線引け。
一時12月19日以来となる155円を割り込むものの、16日の下落時の下げ幅をすべて取り戻し反発した。
先週欧州入り後は日足一目・基準線を上回ると、同線近辺が支えになったが、本日は基準線は156円台まで上昇している。

本日は基準線近辺で買いで臨み、17日の半値を割り込むようだと手仕舞い。
上昇した場合でも一目・転換線近辺では利食っておきたい。

レジスタンス2 158.20(1/14高値)
レジスタンス1 156.93(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 156.30
サポート1 155.68(1/17レンジの半値押し)
サポート2 154.98(1/17安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=急低下してきた転換線を割り込めば下押しか>

ユーロドル0120

パラメータ0120

陰線引け。
陽線と陰線を繰り返す展開が続いている。
上値は日足・基準線が依然として重しになっているが、15日安値1.0260ドルを16・17日共に割り込めなかった。

本日も基準線を超えるまでは売りで臨みたい。
1.0260ドル台まで低下してきた転換線や15日安値を割り込めば下値をトライしに行くか。
13日安値1.0178ドルを割り込んだら追撃売りを仕掛け、パリティを目指す展開になりそうだ。

レジスタンス1 1.0356(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0273
サポート1 1.0239(1/14安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=雲上限や転換線が抑えになるか>

ユーロ円0120

パラメータ0120

大陽線引け。
16日安値をわずかに割り込み、12月13日以来の安値を更新したが、すぐに反発した。
ただ16日高値には届かず、2日間大きなレンジの中で上下を繰り返した。

本日は16日高値近辺で売りで臨み、日足・雲上限か低下してきた転換線で手仕舞い。
余裕がある場合は162円に並ぶ重要なポイント(90日線162.17円、基準線162.32円、21日線162.56円)まで引き付けるか。

レジスタンス1 161.09(1/16高値)
前日終値 160.56
サポート1 159.73(1/17安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=97円台の重要ポイントが重しになるか>

豪ドル円0120

パラメータ0120

陽線引け。
12月19日以来の水準まで下落するものの、96円の大台は割り込めず3手ぶりの陽線引け。

97円前半から後半にかけては、97.36円に転換線、97.49円に基準線、97.72円に雲下限など複数の重要チャートポイントが控えている。
先週も14・15日には98円手前が重しになったが、本日は売りで臨みこれらの水準を超えた場合は手仕舞い。
余裕があれば98円乗せまではキープしたい。

レジスタンス1 97.49((日足一目均衡表・基準線)
前日終値 96.79
サポート1 96.07(1/17安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

OANDA CFD

Provided by
DZH Finacial Research

「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。 豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする
一覧へ戻る

ホーム » マーケットニュース » 本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、トランプ米大統領の就任式を控えて動きづらい展開か(2025年1月20日)