December 30, 2024
【前日の為替概況】ドル円、4日ぶり小反落 株安でリスク・オフ
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに小反落。
終値は157.87円と前営業日NY終値(157.99円)と比べて12銭程度のドル安水準だった。
米株式市場でダウ平均が一時560ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比350円安の3万9880円まで下げるとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。
アジア時間に付けた安値157.51円を下抜けて一時157.35円まで値を下げた。
前日に158.08円と7月17日以来の高値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りも出た。
ただ、前日の安値157.08円がサポートとして働くと買い戻しが優勢となり、157.95円付近まで持ち直した。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.62%台まで上昇したことも相場を下支えした。
連休明けの欧州市場は本日から通常取引となったものの、依然として休暇中の市場参加者は多く流動性が低下。
薄商いの中、値が振れやすい面もあったようだ。
ユーロドルは小幅ながら続伸。
終値は1.0426ドルと前営業日NY終値(1.0422ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ高水準だった。
独長期金利の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時過ぎに一時1.0444ドルと日通し高値を付けたものの、新規材料に乏しい中、積極的に上値を追う展開にはならなかった。
その後、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.0415ドル付近まで下押しする場面があった。
もっとも、年末年始の休暇に入る市場参加者も多く、狭い範囲内での推移にとどまった。
今日の安値はアジア時間に付けた1.0405ドルで今日1日の値幅は0.0039ドル程度だった。
ユーロ円は小反落。
終値は164.59円と前営業日NY終値(164.65円)と比べて6銭程度のユーロ安水準。
23時過ぎに一時164.83円と11月15日以来の高値を付けたものの、1時30分前には164.18円付近まで押し戻された。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値164.04円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
引けにかけては164.77円付近まで持ち直している。
【本日の東京為替見通し】ドル円、日米金融政策の思惑から底堅い展開か
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ダウ平均や日経平均先物の下落を嫌気して157.35円まで下落した後、米10年債利回りが4.62%台まで上昇したことなどで157.95円付近まで持ち直した。
ユーロドルは独長期金利の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りで一時1.0444ドルまで上昇した後、米長期金利の上昇で1.0415ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、年末・月末に向けて動きづらい展開が予想される中、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制への警戒感から上値は限定的だと思われる。
先週のドル円は、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的な利下げと日銀のハト派的な利上げ見送りを受けて158円台まで上昇したが、加藤財務相の円安牽制発言を受けて伸び悩む展開となった。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感が高まりつつあるものの、これまでは、「注視」「適切対応」「憂慮」という口先介入の段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆する切迫感は感じられない。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では159円台半ばにある。
本邦勢による円売りは、1-11月の貿易赤字が約5.5兆円、1-9月の新NISA(少額投資非課税制度)による投資信託が約10.1兆円、そして海外企業の買収などの円売りが加わる。
ちなみに、日本の今年の経常収支は1-10月で約25兆円の黒字だが、円転されないため、円買い要因とはならない。
そして、海外勢による円売りとしては、円・キャリートレードの再燃などが挙げられる。
日銀が現状の円安による輸入物価上昇への警戒感を強めていない現状では、ドル買い・円売りに歯止めをかける措置としては、7月のような本邦通貨当局による円買い介入しかないように思われる。
また、トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○全国の証券取引所、大納会
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○17:00 ◇ 12月スイスKOF景気先行指数(予想:101.0)
○23:45 ◎ 12月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:42.8)
○24:00 ◎ 11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.8%/前年比7.9%)
○ロシア(振替休日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
27日11:06 加藤財務相
「為替、足もとでは一方的また急激な動きもみられる」
「為替はファンダメンタルズを反映し安定推移が重要」
「為替動向を憂慮しており、行き過ぎた動きには適切対応」
「投機的な動向も含め為替市場の動向を憂慮」
27日15:46 石破首相
「(予算案・重要法案否決時の衆院解散)当然あり得る」
「内閣不信任案可決なら民意を問うこと当然あり得る」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=5日線を割り込むような調整も想定>
下影小陰線引け。
高値圏158円付近で伸び悩んでいる。
157.63円前後で推移する5日移動平均線を割り込むような調整も想定しておきたい。
ただ、現水準155.71円から上昇が見込まれる一目均衡表・転換線がやがて支えになってくるとみる。
レジスタンス2 159.45(7/12高値)
レジスタンス1 158.86(7/16高値)
前日終値 157.87
サポート1 156.89(12/24安値)
サポート2 156.14(12/23安値)
<ユーロドル=転換線こなしても21日線や基準線が重し>
小陽線引け。
1.04ドル台前半で低下中の一目均衡表・転換線前後に重さが感じられる推移となっている。
転換線は現水準1.0428ドルから、明日には1.0396ドルへ低下する見込み。
相場が現行の1.04ドル前半を維持するだけで転換線を上抜けて抵抗を1つこなすことになるが、1.0469ドル前後で低下中の21日移動平均線や一目・基準線1.0487ドルが重しになりそう。
レジスタンス1 1.0487(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0426
サポート1 1.0343(12/20安値)
<ユーロ円=200日線の上抜けは転換線が上昇してからか>
下影小陰線引け。
200日移動平均線164.72円を回復しきれず、下振れる場面もあった。
164.07円前後で上昇中の5日線前後では底堅さを示しており、200日線を巡る攻防が続くか。
しかし、上抜けてくるのは現水準162.33円から164円台へ上昇してくる見込みの一目均衡表・転換線が切り上がり、支援となってきてからかもしれない。
レジスタンス1 165.43(11/8高値)
前日終値 164.59
サポート1 163.32(12/26安値)
<豪ドル円=雲の下限に沿った戻りへの期待も>
下影小陰線引け。
低下傾向の一目均衡表・基準線98.28円前後で動きが抑えられがちだった。
基準線は明日にも97.92円へ低下する見込み。
同線の動きに沿って相場が下押す展開も想定しておくべきだが、現水準を維持して基準線を上抜く展開も期待できる。
基準線を上抜けば、98円前半から後半へ向けて上昇する一目・雲の下限に沿って戻りを試すことができるだろう。
レジスタンス1 98.74(12/19高値)
前日終値 98.12
サポート1 97.56(12/23安値)
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DZH Finacial Research
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