December 27, 2024
【前日の為替概況】ドル円、一時158.08円と7月17日以来の高値更新
26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。
終値は157.99円と前営業日NY終値(157.33円)と比べて66銭程度のドル高水準だった。
植田和男日銀総裁は25日の講演で、「今後の金融政策運営はトランプ次期米政権の動向や来年の春闘に向けた動きを注視していく」との考えを改めて表明。
円安が進行する状況下でも従来の姿勢に変化はなかった。
日銀は追加利上げに慎重との見方が広がる一方、米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースは鈍るとの見方が強まっており、円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。
この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことが分かると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6393%前後と5月2日以来の高水準を更新。
ドル円にも買いが入り、1時過ぎに一時158.08円と7月17日以来の高値を付けた。
なお、米7年債入札が「堅調」だったことが分かると米10年債利回りが低下に転じたため、ドル円も157.88円付近まで伸び悩む場面があったが、下押しは限定的だった。
ユーロドルは3営業日ぶりに小反発。
終値は1.0422ドルと前営業日NY終値(1.0407ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準だった。
ユーロ円など一部ユーロクロスの上昇につれた買いが入ると一時1.0430ドルと日通し高値を付けたものの、上値は限定的だった。
クリスマス翌日の26日は欧州市場がボクシングデーのため休場。
米国でも休暇中の市場参加者が多く、閑散取引の中で動意に乏しい展開が続いた。
ユーロ円は反発。
終値は164.65円と前営業日NY終値(163.58円)と比べて1円07銭程度のユーロ高水準。
日銀が早期利上げに慎重との見方が広がる中、円売り・ユーロ買いが優勢になった。
3時30分前には一時164.75円と11月20日以来の高値を付けた。
【本日の東京為替見通し】東京都区部CPIなどを確認しつつ、株・米長期金利をながめる展開か
本日の東京為替市場でドル円は、発表が予定されている複数の本邦経済指標を見定めながらの取引か。
まずは12月東京都区部消費者物価指数(CPI)に注目したい。
同指標は全国CPIの先行指標とされている。
前週に日銀金融政策決定会合を行った直後であり、次回会合は1カ月近く先と間があるほか、植田日銀総裁が会見で「次の利上げ判断に至るには、もう1ノッチ欲しい」「春闘・トランプ政策、長い期間見ないと全体像判明しない」などの見方を示した。
これを受けて早期利上げ期待が後退していることもあり、市場の反応は限られるかもしれないが、数値は確認しておきたいところ。
市場予想は前年比コアが+2.5%と前月の+2.2%を上回り、3月以来の高い伸びが見込まれている。
また、本邦株式市場の反応も確認しておきたいところであり、こちらが反応するようならば為替相場への波及もあり得る。
また、東京都区部CPIの後には、日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18・19日分)も公表予定。
内容を通して、日銀の追加利上げの時期を見極めることになろう。
そのほか、本邦株価の動向や時間外の米長期金利の動きも気になるところだ。
昨日の日経平均は39500円を上回って引けており、市場では年内4万円乗せへの期待も高まっている様子。
本日も株高となる場面ではドル円やクロス円の上昇を後押しする可能性がある。
米10年債利回りは約8カ月ぶり高値水準に上昇しており、時間外の推移にも目を配らせておきたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 11月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 11月有効求人倍率(予想:1.25倍)
○08:30 ◎ 12月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.5%)
○08:50 ◎ 11月鉱工業生産速報(予想:前月比▲3.5%/前年比▲3.2%)
○08:50 ◇ 11月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比1.7%)
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18-19日分)
○14:00 ◇ 11月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲0.1%)
<海外>
○22:30 ◇ 11月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○28日01:00 ◎ 11月ロシア失業率(予想:2.3%)
○28日03:00 ◇ EIA週間在庫統計
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
26日の金融市場では、要人の発言は特になかった。
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=下値を着実に切り上げる、7/16高値が上値めど>
陽線引け。
157円前半で支えられて上値を試す展開に。
7月半ば以来の158円台乗せで上昇は一服するも、下押し幅も限られた。
4手連続の陽線引け。
今週初から後半にかけて着実に下値を切り上げてきた。
短期的なすう勢を示す5日線も157円台で上向きであり、本日も上値余地を試す場面があるか。
上値めどは7月16日高値圏158.86円をまずは想定。
24日安値を下値めどとする。
レジスタンス2 159.45(7/12高値)
レジスタンス1 158.86(7/16高値)
前日終値 157.99
サポート1 156.89(12/24安値)
サポート2 156.14(12/23安値)
<ユーロドル=転換線を巡る攻防、超えると基準線が視野に>
小陽線引け。
1.03ドル後半で下げ渋り、1.04ドル前半でじり高となった。
日足一目・転換線の手前では伸び悩むも、2手連続の陽線引け。
転換線は本日も1.0439ドルで横ばい。
1.03ドル後半で下げ渋っており、本日はまず同線を巡る攻防に注目。
超えると、21日線や基準線が位置する1.04ドル後半が抵抗となるか確かめに行く展開か。
目先の下値めどは23・24日安値。
レジスタンス1 1.0483(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0422
サポート1 1.0384(12/23・24 安値)
<ポンド円=下値切り上げ続く、19日高値を意識>
陽線引け。
197円手前から買い優勢となり、一時198円台に乗せた。
19日の大陽線後に小反落した後は、下値を切り上げる展開が続いている。
日足一目・雲の上で底堅く推移しており、19日高値198.95円が意識されてきた。
ただ雲の上限は本日から196円割れとなり、来週以降も下向きなのは気になる。
高値トライに失敗するようだと、雲付近への調整も想定しておきたい。
レジスタンス1 198.95(12/19高値)
前日終値 197.90
サポート1 197.03(12/26安値)
<NZドル円=下向き基準線を念頭に、雲の下限が抵抗>
小陰線引け。
89円台に乗せて、日足一目・基準線を超えたところで頭を抑えられた。
88円台後半まで押し戻されて終えている。
基準線は88.60円台まで水準を切り下げてきた。
本日は同線を念頭に置きながらの取引か。
上放れた場合でも89.30円台で横ばいの雲の下限が重しとなる。
下放れでは88円手前の転換線を目指す展開を想定する。
レジスタンス1 89.37(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 88.77
サポート1 88.02(日足一目均衡表・転換線)
Provided by
DZH Finacial Research
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