本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日銀会合の結果と植田日銀総裁会見に要注目(2024年12月19日)

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December 19, 2024

【前日の為替概況】ドル円、154円後半まで大幅反発 ユーロドルは11/22安値に迫る

18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は154.80円と前営業日NY終値(153.46円)と比べて1円34銭程度のドル高水準だった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控える中、ポジション調整目的のドル買いが先行すると比較的狭い範囲ながらも底堅く推移した。
その後、FOMCの結果が伝わると全般ドル買いが加速。
取引終了間際には一時154.87円と11月22日以来の高値を更新した。

米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り0.25%の追加利下げを決めたと発表。
ただ、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。
加えて、パウエルFRB議長が会見で「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性」「金利は中立水準にかなり近づいた」「金利調整プロセスの新たな段階に入った」などと発言すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが広がった。

なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.522%前後と5月31日以来の高水準を付けた。

ユーロドルは続落。
終値は1.0353ドルと前営業日NY終値(1.0491ドル)と比べて0.0138ドル程度のユーロ安水準だった。
FOMCのドット・プロットで「来年の利下げペースが従来の想定よりも緩やかになる」との見通しが示されると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。
5時30分前には一時1.0344ドルと11月22日以来の安値を更新した。

ユーロ円も続落。
終値は160.26円と前営業日NY終値(161.00円)と比べて74銭程度のユーロ安水準。
5時30分前に一時159.82円と本日安値を付けた。
FOMCの結果が「タカ派的利下げ」と受け止められると、米株式市場でダウ平均が1100ドル超下落。
ナイト・セッションの日経平均先物も大証終値比830円安の3万8370円まで急落し、リスク・オフの円買いが優勢となった。

ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。
ポンド円は一時194.08円、豪ドル円は96.18円、NZドル円は86.95円、カナダドル円は106.98円、スイスフラン円は171.38円、南アフリカランド円は8.42円まで値を下げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日銀会合の結果と植田日銀総裁会見に要注目

本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な利下げを受けて続伸が予想される中、日経平均株価の動向に注視しながら日銀金融政策決定会合の結果と植田日銀総裁会見を見極める展開となる。

FOMC声明は、9月の「追加的調整を検討」から「追加的調整の程度とタイミング(extent and timing)を検討」へと変更され、ドット・プロットでは、2025年の利下げ回数が9月の4回から2回に減ったことで、ドルは全面高の展開となっている。

日銀会合では、数社のメディアからの報道「消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっている中で、日銀は追加利上げを急ぐ状況にはないと認識」を受けて、0.25%の利上げは見送られることが見込まれている。

想定されているシナリオは以下の通りとなっている。
・今回は利上げ見送りだが、1月には0.25%の追加利上げが示唆される
・今回と1月は、第2次トランプ米政権の政策を見極めるため利上げ見送りが示唆される
・春闘での賃上げ状況が確認でき、日米の政策の不透明感が払拭される4月以降の利上げが示唆される

植田日銀総裁の会見では、11月末に報じられた利上げを示唆した見解と利上げ見送り判断との整合性に注目することになる。

植田総裁は、「利上げのタイミングについては、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいているといえる。
インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になればリスクが大きいため、場合によっては対応しないといけなくなる」と述べていた。
しかし、政策判断に重要な指標として賃金動向やトランプ次期米大統領の政策とその影響の見極めが必要、とも述べており、利上げ見送りの伏線が張られていた。

ドル円が日銀会合の結果や植田日銀総裁の会見を受けてドル買い・円売りに拍車がかかった場合、三村財務官の円買い介入のデビュー戦の可能性には警戒しておきたい。
神田前財務官による円買い介入のデビュー戦は、2022年9月22日の黒田前日銀総裁のハト派的な会見を終えた後の円安局面だった。

ドル円のテクニカル分析での上値の目処は以下の通りとなる。
・155.55円(7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線)
・156.75円(11月15日高値)

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.25%で据え置き)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見

<海外>
○09:00 ◇ 12月ANZ企業信頼感
○16:00 ◇ 1月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲22.5)
○16:45 ◇ 12月仏企業景況感指数(予想:96)
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.50%に引き下げ)
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○18:00 ◇ 10月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:4.75%で据え置き)
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○22:30 ☆ 7-9月期米GDP確定値(予想:前期比年率2.8%)
○22:30 ◎ 7-9月期米個人消費(確定値、予想:前期比年率3.6%)
○22:30 ◎ 7-9月期米コアPCE(確定値、予想:前期比年率2.1%)
○22:30 ◎ 12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/189.0万人)
○24:00 ◎ 11月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○24:00 ◎ 11月米中古住宅販売件数(予想:前月比3.2%/年率換算409万件)
○20日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表(予想:10.00%に引き下げ)
○20日06:00 ◎ 10月対米証券投資動向

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

18日17:35 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「空から降ってくるお金は良い結果にならない」
「インフレ目標を変更する意向はない」
「インフレ、賃金、成長、PMIを注視する」
「金利は2%前後に落ち着くと思う」
「ユーロがパリティなら競争力をそれほど失わないだろう」
「ユーロの大幅な下落は関税の成長への影響を緩和し、インフレへの影響を大きくするだろう」
「関税の影響は為替レートの反応次第だ」

19日00:08 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」
「特定の金利の道筋を確約しないことが賢明」

19日04:02 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「今年初め以来、労働市場の状況は概ね緩和しており、失業率は上昇しているが依然として低い」
「インフレ率は委員会の2%のインフレ目標に向けて進展しているが、依然としてやや高い水準にある」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクはほぼ均衡していると判断」
「経済の見通しは不確実で、委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視している」
「目標を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを0.25%引き下げ、4.25-4.50%にすることを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジの追加調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の決定に反対したのはハマック米クリーブランド連銀総裁で金利据え置きを主張」

19日04:35 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「労働市場の状況は引き続き堅調」
「企業投資は強化され、住宅は引き続き弱い」
「消費支出は引き続き堅調」
「労働市場の状況は2019年ほどタイトでなくなっている」
「経済活動は堅調なペースで拡大」
「インフレは2%の目標にかなり近づいている」
「長期的なインフレ期待はしっかりと抑制されているようだ」
「追加調整を検討する上で慎重姿勢を強める可能性」
「政策は利下げ開始前よりも大幅に緩和」
「FRBは金利に関して事前に設定された方針をとっていない」
「当局者は来年の政策金利を高く予想、インフレ率の上昇と一致」
「金利は中立水準にかなり近づいたが、依然として制限的」
「インフレを巡るリスクと不確実性は高まっている」
「来年の利下げはデータに応じて行われる」
「一部メンバーは潜在的な政策変更を予測に反映させた」
「金利が中立水準に近いことも慎重になるもう1つの理由」
「金利調整プロセスの新たな段階に入った」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=11月22日以来の高値更新、155円後半が視野に>

ドル円1219

パラメータ1219

大陽線引け。
153円前半の前日安値の手前で支えられて反発。
再び154円台に乗せると、11月22日以来の高値となる154.87円まで上げ幅を拡大した。

日足一目均衡表・雲の上限は153.10円台まで値を上げ、この後も上昇する見込み。
昨日高値を超えると転換線も153.20円台から水準を切り上げる。
それら水準を支持とし、11月20日高値155円後半を目標に買いスタンスで臨みたい。

レジスタンス1 155.89(11/20高値)
前日終値 154.80
サポート1 153.80(ピボット・サポート1)
サポート2 153.11(日足一目均衡表・雲の上限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=年初来安値に迫る、転換線・基準線が抵抗帯>

ユーロドル1219

パラメータ1219

大陰線引け。
1.05ドル前半で頭を抑えられて下値を試す展開に。
1.04ドルを割り込むと、11月22日につけた年初来安値に迫る1.0344ドルまで大きく売り込まれた。

日足一目・基準線は1.04ドル後半で下向き。
昨日安値を割り込むと、同線の下に位置する転換線が水準を切り下げる。
本日は両線を抵抗帯に売りスタンス。
11月安値を下抜けると、1.02ドル台の22年11月22日安値を目指す展開か。

レジスタンス1 1.0483(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0353
サポート1 1.0240(2022/11/22安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=200日線を睨みながら雲の中で方向感探る>

ポンド円1219

パラメータ1219

陰線引け。
195円後半まで上昇するも前日高値が抵抗となり下落。
200日線を割り込み、194円手前まで売られる場面があった。

日足一目・転換線は基準線を僅かに下回っているが、明日には上回ってくる見込み。
続落した場合、両線が位置する193.20円台では売り圧力が緩むか。
195円の200日線を睨みながら、厚い雲の中で方向感を探る展開が続きそうだ。

レジスタンス1 195.90(12/17高値)
前日終値 194.67
サポート1 193.25(日足一目均衡表・転換線)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=転換線が強い抵抗、8月以来の85円台を意識>

NZドル円1219

パラメータ1219

大陰線引け。
88円前半の日足一目・転換線を下抜けると下げ足を速めた。
約3カ月ぶりの87円割れまで売り込まれ、そのまま安値圏で引けた。

週前半に一目・雲の重さを確認し下落基調を強めている。
2手連続の大幅安の揺り戻しはあるかもしれないが、88円前半の転換線は強い抵抗となるか。
下サイドは8月以来の85円台も意識されつつある。

レジスタンス1 88.12(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 86.95
サポート1 85.77(8/7安値)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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DZH Finacial Research

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