本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、今週の日米金融政策への思惑から底堅い展開か(2024年12月16日)

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December 16, 2024

【前日の為替概況】ドル円、153.80円と11/26以来の高値更新、ユーロ円も161円半ばまで上昇

13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続伸。
終値は153.65円と前営業日NY終値(152.63円)と比べて1円02銭程度のドル高水準だった。
欧州時間に伝わった「日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合で、政策金利引き上げの見送りを検討している」「米経済の先行きに不透明感が高まっているうえ、春闘の賃上げ動向を確認したい考えで、利上げを急ぐ必要はないとの判断に傾きつつある」との観測報道をきっかけに全般円売りが優勢となった。

一方、17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げ実施がほぼ織り込まれており、今後の米利下げペースが緩やかになるとの見方から米長期金利が上昇基調を強めるとドル買いも広がった。
2時30分過ぎには一時153.80円と11月26日以来の高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4046%前後と11月22日以来の高水準を付けた。

ユーロドルは6営業日ぶりに反発。
終値は1.0501ドルと前営業日NY終値(1.0468ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測を背景に足もとで相場下落が続いていただけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買いが先行した。
ユーロ円やユーロポンドの上昇につれた買いも入ると、22時過ぎに一時1.0524ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日の高値1.0531ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.0482ドル付近まで下押しした。

なお、ユーロポンドは一時0.8322ポンドまで上昇した。
欧州時間発表の10月英の国内総生産(GDP)や鉱工業生産が軒並み予想を下回り、英経済の先行き不透明感が高まりユーロ買い・ポンド売りが進んだ。

ユーロ円は反発。
終値は161.37円と前営業日NY終値(159.78円)と比べて1円59銭程度のユーロ高水準。
日銀の年内利上げ観測後退を受けた円売りが優勢となり、22時過ぎに一時161.56円と11月26日以来の高値を付けた。
ユーロドルの伸び悩みにつれた売りが出ると160.97円付近まで値を下げたものの、下押しは限定的。
2時前には161.50円付近まで再び強含んだ。

【本日の東京為替見通し】ドル円、今週の日米金融政策への思惑から底堅い展開か

本日の東京外国為替市場でドル円は、今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合への思惑から底堅い展開が予想される。

17-18日のFOMCでは、0.25%の追加利下げ(⇒4.25-50%)はほぼ確実視されている。
しかしながら来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、ドル買い要因となっている。
一方、18-19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げは見送られるとの見方が高まっており、こちらは円売り要因だ。

「フェドウオッチ」が織り込むFOMCの金融政策は以下の通り。
・2024年12月17-18日:0.25%の利下げ(※FF金利4.25-50%)確率は約96%
・2025年1月28-29日:据え置き(※FF金利4.25-50%)確率は約78%
・2025年3月18-19日:0.25%の利下げ(※FF金利4.00-25%)確率は約52%

「翌日物金利スワップ」が織り込む日銀金融政策決定会合での利上げ確率は以下の通り。
・2024年12月18-19日:約16%
・2025年1月23-24日:約54%
・2025年3月18-19日:約21%

ドル円のテクニカル分析での上値の目処としては、11月15日の高値156.75円、そして7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線(12/16:155.70円~12/20:155.50円)などが挙げられる。

なお先週は、中国当局がトランプ関税に対する対抗措置として人民元安を検討、との報道があった。
これに対して、トランプ次期米大統領の貿易・製造業担当上級顧問に就くピーター・ナバロ氏は、中国が通貨を安くすればさらに関税を引き上げる選択肢もあり得ると警告した。

トランプ次期米大統領は、今年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた時に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、円安や人民元安を牽制する突発的な発言の可能性には引き続き警戒しておきたい。

先週末13日には、格付け会社ムーディーズが、予想外のタイミングでフランスの格付けを「Aa2」から「Aa3」へ引き下げた。
米格付け会社ムーディーズは、米大統領選挙前の10月に「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していたことで、米国債格下げリスクにも警戒しておきたい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◎ 10月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比1.2%/前年比0.7%)
○13:30 ◇ 10月第三次産業活動指数(予想:前月比▲0.1%)

<海外>
○11:00 ◎ 11月中国鉱工業生産(予想:前年比5.3%)
○11:00 ◎ 11月中国小売売上高(予想:前年比4.6%)
○16:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○16:30 ◇ 11月スイス生産者輸入価格
○17:15 ◎ 12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:43.0)
○17:15 ◎ 12月仏サービス部門PMI速報値(予想:46.7)
○17:30 ◎ 12月独製造業PMI速報値(予想:43.1)
○17:30 ◎ 12月独サービス部門PMI速報値(予想:49.3)
○17:45 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.3)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:49.5)
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI速報値(予想:48.2)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○21:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○21:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○22:15 ◇ 11月カナダ住宅着工件数(予想:24.82万件)
○22:30 ◎ 12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:12.0)
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI速報値(予想:49.8)
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI速報値(予想:55.7)
○23:45 ◎ 12月米総合PMI速報値(予想:55.1)
○17日01:30 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○ショルツ独首相の信任投票
○南アフリカ(和解の日)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

13日16:22 ミュラー・エストニア中銀総裁
「インフレの一時的な上下は避けられない」
「インフレ期は過ぎ去った」
「市場は1.00%の追加利下げを予想している」

13日16:25 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「来年の市場金利予想に違和感はない」
「インフレ率を2%に戻せるという自信が高まっている」
「来年もさらなる利下げがあるだろう」
「ECBの金利は依然として中立水準を大きく上回っており、利下げの余地がある」

13日16:59 カザークス・ラトビア中銀総裁
「必要であれば、より大幅な利下げも可能」
「金利に関しては段階的に進めるのが適切」
「金利の大幅な引き下げがまだ必要」
「中立金利は3%よりも2%に近い」
「金利の方向性は明らかに下向き」

13日17:42 中国人民銀行(PBOC)
「中国は国債取引操作を強化する」
「人民銀行は為替レートの行き過ぎリスクを断固として防止」

13日18:15 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「ベースラインシナリオが維持されれば、利下げは継続される」
「今後の会合でさらなる利下げを行うことは論理的」
「欧州経済の活力不足は課題」
「昨日優勢だった考えは0.25%の利下げを継続することだった」

13日19:51 バスレ・スロベニア中銀総裁
「月次データは製造業の不振とサービス業の成長鈍化の両方で引き続き弱い成長を示している」
「サービス業のインフレ率は依然として高いが、ここ数カ月は賃金上昇率の低下もあり着実に緩和している」
「インフレ率は着実に目標に近づいている」
「サービス業のインフレ率低下により、目標への回帰に対する確信が強まった」

13日20:00 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「さらなる利下げのペースと回数はインフレ次第」
「ECBの金利に関する方向性は明確」

13日21:11 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「ユーロ圏の金利水準は引き続き引き締め的である」
「政策において最も重要な言葉は段階的アプローチである」
「昨日のECBの決定は幸いにも完全に合意に基づくものだった」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=一目・基準線を下値めどに買いスタンス継続>

ドル円1216

パラメータ1216

陽線引け。
152円半ばを下押し水準に152.70円で横ばいの日足一目・基準線を超え、11月26日以来の高値圏153円後半まで上値を伸ばした。
5手連続の陽線引け。

一目・転換線は151円半ばまで水準を切り上げ、雲の上限も152円を超えてきており、上向きトレンド継続が示唆される。
本日は下値めどを基準線として買いスタンスで臨みたい。
雲の中に入る込むようだと様子見スタンスとなる。

レジスタンス2 155.89(11/20高値)
レジスタンス1 154.72(11/25高値)
前日終値 153.65
サポート1 152.70(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 152.02(日足一目均衡表・雲の上限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=基準線から転換線が抵抗帯となるか見極め>

ユーロドル1216

パラメータ1216

陽線引け。
1.0453ドルまで下値を広げたところで売りが一巡し、1.05ドル前半まで切り返した。
12日高値には届かなかったものの、9日の極小陰線を含み6手ぶりの陽線引け。

日足一目・基準線は1.05ドル後半から1.0532ドル付近まで水準を切り下げてきた。
本日は同線と1.0542ドルの転換線が抵抗帯として働くかを見極める展開。
超えて行くようだと6日以来の1.06ドル台が意識される。

レジスタンス1 1.0542(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0501
サポート1 1.0425(11/26安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=約1カ月の下落幅の半値や90日線を巡る攻防>

ユーロ円1216

パラメータ1216

大陽線引け。
159円後半から上昇し、160円後半の一目・基準線や雲の下限を超えて11月26日以来の161円台乗せ。
161円半ばの90日線付近で買いが一服した。

10月末から12月初旬まで下落した半値戻しが161.44円近辺。
90日線も161.56円に位置しており、本日はそれら水準を巡る攻防が注目される。
大幅高の反動で雲を再び割り込むようだと、21日線付近までの下押しはあるかもしれない。

レジスタンス1 162.49(11/22高値)
前日終値 161.37
サポート1 160.34(21日移動平均線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=12日高値を超えることが出来るかがポイント>

豪ドル円1216

パラメータ1216

陽線引け。
97円手前で支えられて上昇し、雲の下限98円には僅かに届かなかったものの、3手連続の陽線引け。

雲の中に一時入り込んだ12日の高値98.07円を超えると、98円半ばまで低下してきた基準線や98円後半の90日線が視野に入る。
ただし逆に厚い雲が重しとなれば、96円後半の転換線までの下押しも想定しておきたい。

レジスタンス1 98.54(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 97.77
サポート1 96.79(日足一目均衡表・転換線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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