November 28, 2024
【前日の為替概況】ドル円、一時10/21以来の安値150.46円まで下落 ユーロドルは反発
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。
終値は151.09円と前営業日NY終値(153.08円)と比べて1円99銭程度のドル安水準だった。
7-9月期の米国内総生産(GDP)改定値は市場予想通りの結果となったものの、同時に発表された個人消費やコアPCE、10月米耐久財受注額が予想を下回ると全般ドル売りが先行した。
ただ、その後発表の10月米個人消費支出(PCE)や個人所得が予想を上回ると買い戻しが入り、151.80円付近まで下げ渋る場面があった。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視しているPCE価格指数(デフレーター)や変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは市場予想と一致した。
もっとも、月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると再び弱含んだ。
米7年債入札後に米長期金利が低下幅を拡大したことも相場の重しとなり、一時150.46円と10月21日以来の安値を更新した。
200日移動平均線が位置する152.00円を下抜けたことでテクニカル的にも売りが出やすかった。
ユーロドルは反発。
終値は1.0566ドルと前営業日NY終値(1.0489ドル)と比べて0.0077ドル程度のユーロ高水準だった。
シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が過度な利下げに慎重な姿勢を示したことから、ECBの大幅利下げ観測が後退。
NY市場に入ってもユーロ買い・ドル売りが出た。
米長期金利の低下に伴うドル売りや、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時1.0588ドルと日通し高値を更新した。
明日28日の米感謝祭の祝日を前にポジション調整目的のドル売りも出たようだ。
ユーロ円は続落。
終値は159.66円と前営業日NY終値(160.58円)と比べて92銭程度のユーロ安水準。
欧州市場では一時159.10円と10月2日以来の安値を付けたものの、NY市場では下げ渋る展開に。
ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、160.06円付近まで下げ幅を縮める場面があった。
【本日の東京為替見通し】米休場でドル円の上値は限定的か、日米政局動向には要注意
本日の東京時間のドル円は上値が限られるか。
昨日はドルの下げ幅が大きくなったことで、多少のドルの買い戻しが入る可能性はある。
しかしながら、本日から米国市場は感謝祭休場となる。
米金利を上昇させ、ドルを反転させるようなイベントに欠けるため、ドル円は引き続き上値が重い展開になりそうだ。
本日は本邦から市場を動意づけるような主だった経済指標の発表はない。
対外対内証券売買契約等の状況が東京時間9時前に発表される程度であり、トレンドを作るような値動きになりにくいだろう。
経済イベントの予定は少ないものの、日米の政治動向には目を向けておきたい。
日本では本日から臨時国会が召集される。
10月末の総選挙後初めての論戦の場となることで、過半数を確保できていない与党の対応が注目される。
なお、臨時国会の会期は12月21日までの24日間になる見込み。
米国からは予定にはないものの、トランプ次期大統領の動向が注目される。
先日の関税についての発表がSNS(TruthSocial)で突如行われたが、今後も予告なく同氏が重要政策を発表する可能性もある。
なお、日本時間早朝にシェインバウム・メキシコ大統領がトランプ氏と電話会談を開いたと伝わった。
25%の関税導入についてメキシコやカナダの対応で、トランプ氏の動向に変化が生じた場合は市場が急に動意づくリスクはありそうだ。
ドル円以外では豪ドルの動きに警戒したい。
本日はGDPの形成要素である7-9月期豪民間設備投資が発表される。
市場では4-6月期の-2.2%から+0.9%程度まで上昇するとの予想になっている。
市場予想と結果に開きが生じた場合には、豪ドルが動意づきそうだ。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○臨時国会召集
<海外>
○09:00 ◇ 11月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 7-9月期豪民間設備投資(予想:前期比0.9%)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:3.25%で据え置き)
○16:00 ◇ 10月トルコ貿易収支(予想:57億ドルの赤字)
○17:55 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○18:30 ◇ 10月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.3%/前年比▲0.2%)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.1)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲13.7)
○22:00 ◎ 11月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.3%)
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ経常収支(予想:92.5億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:50 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○29日02:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○米国(感謝祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
27日10:07 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明
「経済状況が予測どおりに推移し続ければ、来年初めにOCRをさらに引き下げることができると予想」
「総合インフレが中間点に近づき、コアインフレ指標が中間点に収束していることから、委員会は金融政策の抑制を引き続き解除することに自信を深めている」
「2025年末時点の政策金利見通しは3.6%」
「2026年末時点の政策金利見通しは3.2%」
27日11:12 オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁
「フォワード予測は2月の50bp利下げと整合性がとれている」
「軌道は8月よりも急激な金利低下を示唆」
「今日の会合では25bpや75bpの利下げは考慮しなかった」
「OCR(政策金利)は2025年末までに中立水準近辺に達する見通し」
「関税の引き上げはインフレを押し上げるというのがコンセンサス」
27日17:23 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「さらなる利下げには慎重になる必要がある」
「金融緩和は段階的に行うべきで、中立水準を下回るべきではない」
「中立金利は2-3%と推定され、現在の預金金利3.25%からそれほど遠くない」
「景気後退のリスクは現時点では見られない」
「インフレは2025年に2%目標に到達する見込み」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=200日線の下で引け、下値余地探る展開続くか>
大陰線引け。
152円付近の200日線を下抜けると下げ足を速め、10月後半以来の150円半ばまで下落した。
一巡後151円台を回復するも3手連続の陰線引け。
200日線の下で引けており、下値余地を今後も探ることになるか。
昨日安値150.46円を割り込むようだと、149円前半の日足一目・雲の上限が意識され始める。
上サイドの揺り戻しがあった場合も200日線辺りまでか。
レジスタンス1 152.00(200日移動平均線)
前日終値 151.09
サポート1 149.96(ピボット・サポート1)
サポート2 149.22(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=20日高値を超えても21日線辺りが抵抗>
陽線引け。
1.0470ドル台で横ばいの日足一目・転換線が支持となり、1.05ドル台で上値を試した。
21日高値を超えて1.05ドル後半まで上げ幅を拡大している。
目先の上値ポイントは20日高値1.0610ドルだが、超えたとしても1.0636ドルで横ばいの基準線やその上に控える21日線辺りでは買いの勢いが緩みそうだ。
下値は転換線が支持となるかを見極めることになる。
レジスタンス1 1.0640(21日移動平均線)
前日終値 1.0566
サポート1 1.0473(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=雲の下限を念頭に置いた取引き続く>
陰線引け。
日足一目・雲の中で売り優勢となり、一時雲を割り込み190円後半と先月2日以来の安値圏まで下落した。
一巡後は雲の中に再び入り込むも、5手連続の陰線引け。
雲の下限は本日も191.08円に位置し、昨日に一度下抜けたものの暫くは同水準を念頭に置いた値動きか。
雲を下回って推移すると、約2カ月ぶりの190円割れが視野に入る。
上値は、昨日高値の上で低下基調の90日線が抵抗水準と想定。
レジスタンス1 192.66(90日移動平均線)
前日終値 191.60
サポート1 190.42(10/2安値)
<NZドル円=三役逆転が点灯も雲の下限は近いところに>
陰線引け。
89円前半の一目・雲の下限を割り込み、2カ月超ぶりの安値圏88円後半まで売られた。
89円台を回復するも6手連続の陰線引け。
一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線の下、雲の下限も下回って引けた。
強い売りシグナルとされる三役逆転が点灯したが、雲の下限が近いため解消される可能性は残る。
89円後半の昨日高値を目先の上値めどと見込む。
レジスタンス1 89.89(11/27高値)
前日終値 89.04
サポート1 88.11(9/19安値)
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DZH Finacial Research
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