本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):米大統領・上下両院議会選挙の開票状況を見極めて行く展開(2024年11月6日)

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November 6, 2024

【前日の為替概況】ドル円、151.34円まで下落 ユーロドルは1.0937ドルまで上げ幅拡大

5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。
終値は151.62円と前営業日NY終値(152.13円)と比べて51銭程度のドル安水準だった。
本日の米大統領選の結果に注目が集まる中、ポジション調整目的のドル売りが先行。
市場では「民主党のハリス副大統領、共和党のトランプ前大統領の支持率は依然として拮抗しており、予断を許さない情勢との見方から、この日は持ち高調整の商いが中心となっている」との声が聞かれた。

24時発表の10月米ISM非製造業景況指数が56.0と予想の53.8を上回ったことが分かると152.19円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
好調な米10年債入札を受けて米長期金利が低下に転じた影響もあり、5時前には一時151.34円と10月23日以来の安値を更新した。

ユーロドルは続伸。
終値は1.0930ドルと前営業日NY終値(1.0878ドル)と比べて0.0052ドル程度のユーロ高水準だった。
市場の関心が米大統領選に向かう中、NY勢が本格参入したあとはポジション調整目的のドル売りが優勢となった。
米10年債利回りが低下に転じたこともドル売りを促し、前日の高値1.0915ドルを上抜けて一時1.0937ドルと10月14日以来の高値を付けた。

なお、米ISM非製造業景況指数が予想より強い内容だったことが分かると、伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
市場では「6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げ予想を動かす内容ではない」との指摘があった。

ユーロ円は小反発。
終値は165.73円と前営業日NY終値(165.48円)と比べて25銭程度のユーロ高水準。
24時前に一時165.53円付近まで下押ししたものの、1時30分過ぎには166.04円と日通し高値を付けた。
もっとも、そのあとは165.44円付近まで押し戻されるなど、一進一退の動きとなった。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

【本日の東京為替見通し】米大統領・上下両院議会選挙の開票状況を見極めて行く展開

本日の東京外国為替市場のドル円は、米大統領・上下両院議会選挙の開票状況を見極めていく展開か。
波乱要因として、次期大統領と上下両院議会の勢力図が異なるネジレ議会となる場合や選挙結果に対して法的な異議申し立てが行われる場合なども想定しておきたい。

先週までの市場動向は、「レッド・スウィープ」(トランプ大統領誕生・上下両院で共和党が勝利)を念頭に置き、トランプ候補の関税引き上げ、減税や大規模財政支出によるインフレ加速懸念(トランプ・フレーション)から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が活発化していた。
ドル指数は4カ月ぶりの高水準を記録し、米10年債利回りは4.38%台まで上昇していた。

しかし、激戦7州の有権者の投票行動への警戒感から、トランプ・トレードの一部巻き戻しとなっており、米10年債利回りは4.30%を割り込み、ドル円は、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線を一時割り込んできている。

「レッド・スウィープ」となった場合、以下のような公約の実現が予想される。
・個人所得税の最高税率引き下げ(時限措置)を延長または恒久化
・キャピタルゲイン課税は変わらず、法人税減税を検討
・規制監督はエネルギーと金融を中心に緩和
・輸入品目に新たな関税を賦課(中国60%、その他10%)

地政学リスク関連では、ウクライナへの軍事支援に消極的なためウクライナの敗北の可能性が高まり、イスラエルにイラン核関連施設への攻撃を煽っていたため、第5次中東戦争の可能性が高まることになる。

トランプ候補が勝利宣言を出すような状況になった場合、「噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」となり、トランプ・トレードの手仕舞いとなるのか、それともトランプ・トレードが再開するのか要警戒となる。

ドル円が155円を上抜けて160円方向へ上昇していった場合、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。

「ブルー・スウィープ」(ハリス大統領誕生・上下両院で民主党が勝利)」となった場合は、以下のような公約の実現が予想される。
・個人所得税の最高税率は引き上げ、高所得層のキャピタルゲイン課税を引き上げる
・法人税増税を検討、現行の関税は継続する

ハリス候補が勝利宣言を出した場合、トランプ・トレードの手仕舞いが予想されるものの、減税と財政出動を公約に挙げているため、ドルの下値は限定的だと思われる。

参考までに、複数の米メディアが「大統領選予測のノストラダムス」と呼ぶアメリカン大学のアラン・リクトマン特別栄誉教授は、ハリス副大統領の勝利を予測している。
リクトマン教授は、1984~2020年の米大統領選で、ほぼすべての予測を的中させた歴史家だが、連勝記録が2024年まで伸びるのだろうか。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ☆ 9月19-20日分の日銀金融政策決定会合議事要旨

<海外>
○16:00 ◎ 9月独製造業新規受注(予想:前月比1.5%/前年同月比▲2.1%)
○17:50 ◎ 10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:48.3)
○17:55 ◎ 10月独サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○18:30 ◎ 10月英建設業PMI(予想:55.5)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.6%/前年比▲3.5%)
○20:00 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、あいさつ
○23:30 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○24:00 ◇ 10月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○7日02:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○7日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○7日03:00 ◎ 10月ブラジル貿易収支(予想:49.76億ドルの黒字)
○7日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:11.25%に引き上げ)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

5日09:54 玉木国民民主党代表
「目先の金融政策で為替を動かそうとしても表面的だ」
「円安はデジタル貿易赤字是正や原発再稼働など構造的なアプローチが必要」

5日12:34 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「長期的なインフレ期待はインフレ目標と整合的であり、この状態を維持することが重要」
「ヘッドラインインフレは大幅に低下し、しばらくの間は低下したままが見込まれるが、基調インフレは依然として高すぎる」
「11月の予測は、インフレ率が持続的に目標範囲に入り、中央水準に近づくまでにはまだ時間がかかることを示唆」
「インフレの上振れリスクに引き続き警戒する必要性」
「インフレ率が持続的に目標範囲に向かうと理事会が確信するまで、政策は十分に制限的である必要」
「引き続きデータとリスク評価の変化に基づいて決定を下す」
「インフレ率を目標に戻すために必要なことを行う」
「インフレ率が目標の中央値に持続的に回復するのは2026年」
「様々な指標は労働市場の状況が引き続き逼迫していることを示唆」

5日13:36 ブロックRBA総裁
「インフレ抑制の仕事、最後の部分は容易ではない」
「金利は当面、景気抑制的に維持する必要がある」
「インフレは、上振れリスクまだあると認識」
「経済が予想以上に落ち込めば行動する用意がある」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=200日線を念頭に置いた取引き、下値余地探るか>

ドル円1106

パラメーター1106

陰線引け。
日足一目・転換線が抵抗水準として働き続落。
151円半ばで上向きの200日移動平均線も割り込み、約2週間ぶりの安値圏まで売られた。

本日は151.61円の200日線を念頭に置いた取引き。
同線の下で推移するようだと、10月21日以来の150円割れも意識され始めそうだ。
なお、152.60円台の転換線は昨日安値を下抜けると水準を切り下げてくる。

レジスタンス2 153.88(10/28高値)
レジスタンス1 152.61(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 151.62
サポート1 150.50(10/22安値)
サポート2 149.10(90日移動平均線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=200日線が支持、基準線を巡る攻防にも注目>

ユーロドル1106

パラメーター1106

陽線引け。
200日移動平均線が支持となり続伸。
1.09ドル台に乗せると、10月14日以来の高値となる1.0937ドルまで上げ幅を広げた。

200日線は1.0871ドルと僅かに水準を切り上げて、本日も支持水準として強く意識されるか。
足もとでは1.0922ドルまで低下してきた日足一目・基準線を巡る攻防に注目。
同線は今週末には1.09ドル手前まで低下する見込み。

レジスタンス1 1.0997(10/8高値)
前日終値 1.0930
サポート1 1.0871(200日移動平均線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線の上を維持できるかがポイントに>

ユーロ円1106

パラメーター1106

陽線引け。
165円半ばから上値を試すも、166円台に乗せたところでは頭を抑えられた。
165円前半で上向きの日足一目・転換線が支持水準として働いている。

転換線は本日165.32円に位置し、同線の上を維持できるかがポイントに。
もしクリアに下抜けるようだと、164.70円台で上向きの200日移動平均線が次の下値めどとなる。

レジスタンス1 166.69(10/31高値)
前日終値 165.73
サポート1 164.77(200日移動平均線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=101円の節目を意識した展開か>

豪ドル円1106

パラメーター1106

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回っているほか、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
足もとでは100円台に乗せてきた基準線付近で支えられており、転換線100.53円を念頭に置きつつ上値を伸ばせるかに注目か。

本日は先月29日以降抵抗となっている節目101円を超えると、先月23日高値101.69円に向けた一段高もあるだろう。

レジスタンス1 101.69(10/23高値)
前日終値 100.65
サポート1 100.01(11/4安値)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


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