November 5, 2024
【前日の為替概況】ドル円一時151.54円まで下落、トランプ・トレードの利食いで
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は152.13円と前営業日NY終値(153.01円)と比べて88銭程度のドル安水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.26%台まで低下すると全般ドル売りが先行。
市場では「米大統領選の投開票を明日5日に控える中、米共和党候補のトランプ前大統領の勝利を意識して進んでいたドル買いを巻き戻す動きが出た」との声も聞かれ、21時前に一時151.54円と日通し安値を更新した。
ただ、10月25日の安値151.46円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開に。
200日移動平均が位置する151.57円も重要なポイントとして意識され、3時30分過ぎには152.20円付近まで下げ幅を縮めた。
米10年債利回りが4.32%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
ユーロドルは反発。
終値は1.0878ドルと前営業日NY終値(1.0834ドル)と比べて0.0044ドル程度のユーロ高水準だった。
米長期金利の大幅低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時過ぎに1.0915ドルと日通し高値を付けた。
ただ、5日の米大統領選挙など重要イベントを控えて、積極的に上値を追う展開にはならなかった。
米長期金利が低下幅を縮めると次第にユーロ売り・ドル買いが出て、6時過ぎには1.0874ドル付近まで下押しした。
ユーロ円は小反落。
終値は165.48円と前営業日NY終値(165.77円)と比べて29銭程度のユーロ安水準となった。
ただ、NYの取引時間帯に限れば165.50円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円は米大統領選挙待ち、豪ドルはRBA政策金利に要注目
本日の東京外国為替市場のドル円は、中東情勢に警戒しながら、今夜の米大統領選挙の投開票を控えて動きづらい展開が予想される。
本日の米大統領・上下両院議会選挙の投開票では、「レッド・スウィープ」(トランプ大統領誕生・上下両院で共和党が勝利)と「ブルー・スウィープ」(ハリス大統領誕生・上下両院で民主党が勝利)」を両極端にして、ネジレ議会の組み合わせを見極めていくことになる。
これまでの市場動向は、レッド・スウィープを念頭に置き、トランプ候補の関税引き上げ、減税や大規模財政支出によるインフレ加速懸念から、トランプ・トレード(米国債売り・ドル買い)が優勢となってきた。
ドル指数は4カ月ぶりの高水準を記録し、米10年債利回りは4.38%台まで上昇していた。
トランプ候補が勝利宣言を出した場合、「思惑・噂で仕掛けて、事実で手仕舞え」となるのか、それともトランプ・トレードがさらに加速するのか、要警戒となる。
昨日は、2016年と2020年の選挙でトランプ氏が勝利し、今回も共和党優勢が伝えられていたアイオワ州(選挙人6名)で、ハリス氏の支持が47%とトランプ氏の44%を上回ったことが報じられたことで、トランプ・トレードの一部が巻き戻しとなった。
ドル円は151.54円まで下落し、一時200日移動平均線の151.57円を下回った。
リスクシナリオは、ハリス候補が勝利した場合であり、トランプ陣営は、開票・集計結果に異議を申し立てる方針を示唆している。
また、激戦7州の開票が長引く可能性には警戒しておきたい。
票の集計に関する規則により、ジョージアやペンシルベニアのような激戦州で勝者が決定するには、最低でも数日を要するとのことである。
豪ドル/ドルは、豪準備銀行(RBA)政策金利発表に注目することになる。
市場予想は4.35%で据え置きとなっており、利下げ開始は来年前半と見込まれている。
7-9月期豪消費者物価指数(CPI)は前年比で前回の3.8%から2.8%へと低下していたが、トリム平均値はさほど低下していなかった。
声明文での利下げ開始時期への言及に要注目となる。
中東情勢に関する直近の報道は以下の通りとなっており、本日も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
先週、米ニュースサイト「アクシオス」が、イスラエル情報機関による情報として、「イランが米大統領選挙に向けて、イラク領内から大規模な報復攻撃を準備している」と報じた。
2日付けの報道では、バイデン米政権がイランに対して「イスラエルを攻撃したら抑制できない規模の報復を行う恐れがある」として自制を求めたと報じられた。
さらに、イランの最高指導者ハメネイ師は、米国とイスラエルがイランや連携する民兵組織を攻撃したら「間違いなく壊滅的な対応を受ける」と警告していた。
リスクシナリオとしては、本日、イランがイスラエルに対して報復攻撃をして、イスラエルとイランの軍事衝突が激化した場合、バイデン米政権の中東政策の失敗となりうるため、トランプ候補に有利となるのかもしれない。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月マネタリーベース
〇東京証券取引所の立会内取引終了時刻が15時30分まで延伸(5日から)
<海外>
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比1.4%)
○10:45 ◎ 10月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%で据え置き)
○15:45 ◇ 10月スイス失業率(季節調整前、予想:2.5%)
○16:45 ◇ 9月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.6%)
○17:45 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○18:30 ◎ 10月英サービス部門PMI改定値(予想:51.8)
○22:30 ◇ 9月カナダ貿易収支(予想:8.0億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 9月米貿易収支(予想:841億ドルの赤字)
○23:45 ◎ 10月米サービス部門PMI改定値(予想:55.3)
○23:45 ◎ 10月米総合PMI改定値(予想:54.3)
○24:00 ☆ 10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.8)
○6日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○6日03:30 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○米大統領選の投開票
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
4日の金融市場では、要人の発言は特になかった。※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、孕み線で反落して上昇中の転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 153.88(10/28高値)
レジスタンス1 152.67(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 152.13
サポート1 151.46(10/25安値)
サポート2 150.50(10/22安値)
<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、孕み線で反発して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は200日移動平均線1.0870ドルを念頭に置き、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0953(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0878
サポート1 1.0842(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=11/1高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、孕み線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線197.59円を念頭に置き、1日高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 198.38(11/1高値)
前日終値 197.12
サポート1 195.38(10/31安値)
<NZドル円=10/31高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回っているものの、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
抱き線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線91.14円を念頭に置き、10月31日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 91.83(10/31高値)
前日終値 90.85
サポート1 89.74(日足一目均衡表・雲の上限)
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