October 30, 2024
【前日の為替概況】ドル円一時153.87円まで上昇、米10年債利回りが4.33%台へ上昇
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅に3日続伸。
終値は153.36円と前営業日NY終値(153.29円)と比べて7銭程度のドル高水準だった。
米10年債利回りが上昇したことを受けて欧州時間からの買いが継続。
21時30分過ぎには一時153.87円と本日高値を付けたが、昨日高値の153.88円には届かず伸び悩み。
9月米JOLTS求人件数が744.3万件と予想の800.0万件を大幅に下回ったことが伝わると153.04円付近まで失速した。
ただ、同時に発表された10月米消費者信頼感指数が良好な内容だったほか、米金利が上昇幅を拡大すると153.75円近辺まで持ち直す場面も見られた。
一方で、米7年債入札が好調だったことで米金利が一転低下したこともあり戻りも限られ、その後は153円台半ばを中心としたもみ合いとなった。
ユーロドルは小幅に続伸。
終値は1.0819ドルと前営業日NY終値(1.0812ドル)と比べて0.0007ドル程度のユーロ高水準だった。
米長期金利の上昇に伴うドル買い圧力に押される形で売りが先行し、昨日安値の1.0782ドルを下抜けて1.0769ドルまで値を下げた。
ただ、低調な米雇用指標をきっかけに反発。
米金利の一転低下も支えとなり、引けにかけて1.0810ドル台まで持ち直した。
市場では「週末の10月米雇用統計や来週の米大統領選を控えてドル相場は気迷いムードが強い」との声が聞かれた。
ユーロ円は3日続伸。
終値は165.91円と前営業日NY終値(165.73円)と比べて18銭程度のユーロ高水準だった。
ドル絡みの取引が中心となったためユーロ円自体の方向感は出ず、165円台半ばから後半を中心としたもみ合いに終始した。
【本日の東京為替見通し】ドル円、日本の政局に注目 豪ドルは豪CPIに要注目か
本日の東京外国為替市場のドル円は、円安要因となっている混迷の日本政局関連のヘッドライン、米長期金利や日経平均株価の動向に注目しながらの展開が予想される。
本日から開催される日銀金融政策決定会合では、政治情勢の不確実性が高まっていることで、現状の金融政策の維持が見込まれている。
植田日銀総裁は、先週末のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。
追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べていた。
また植田総裁は9月の会合で、円安修正が物価見通しの上振れリスクを低下させていること、米国経済に下振れリスクがあることを指摘していた。
この2つの要因に、日本の政治情勢の不確実性が加わったため、追加利上げまでの「時間的な余裕」を拡大させていると思われ、円安要因になっている。
日銀の金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ市場では、来年6月までに0.25%の利上げが行われ、無担保コールレート(オーバーナイト物)が0.50%になることが示唆されている。
なお、本邦通貨当局による円安への対応としては、25日に三村財務官が「加藤財務相が米財務長官と会談で為替について議論した。
投機的な動きも含めて緊張感を高めて注視している」との見解を示していた。
加藤財務相も「投機的動向含め、為替市場動向を緊張感をさらに高めて注視」と述べている。
神田前財務官は、ドル売り・円買い介入の目安にボラティリティーの上昇を挙げており、ボリンジャー・バンド+2σ付近で円買い介入を断行していた。
現状のドル円相場の+2σは、154円付近にあるため、一応警戒しておきたい。
9時30分発表の7-9月期豪消費者物価(CPI)は前期比+2.9%と予想されており、4-6月期の同比+3.8%からの伸び率鈍化が見込まれている。
豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値は同比+3.5%予想と、こちらも前回+3.9%から減速する見込みだ。
依然としてRBAはインフレに対し警戒を緩める姿勢を見せていないが、ディスインフレの傾向が鮮明になった場合には、11月、12月の豪準備銀行(RBA)理事会での利下げ観測が高まることになる。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○14:00 ◇ 10月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.7)
<海外>
○09:30 ◎ 9月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.4%)
○09:30 ◎ 7-9月期豪CPI(予想:前期比0.3%/前年同期比2.9%)
○15:30 ◎ 7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.3%)
○15:30 ◇ 9月仏消費支出(予想:前月比0.1%)
○17:00 ◇ 10月スイスKOF景気先行指数(予想:105.0)
○17:55 ◎ 10月独雇用統計(予想:失業率6.1%/失業者数変化1.50万人)
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比▲0.3%)
○18:00 ☆ 7-9月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比0.1%)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比0.8%)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:96.3)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲12.5)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.8%/前年比1.2%)
○21:15 ☆ 10月ADP全米雇用報告(予想:11.4万人)
○21:30 ☆ 7-9月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率3.0%)
◎ 7-9月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率3.3%)
◎ 7-9月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率2.1%)
○22:00 ◎ 10月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.2%/前年比1.8%)
○23:00 ◎ 9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比1.0%/前年比▲1.0%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○24:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○31日00:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○31日01:00 ◎ 9月ロシア失業率(予想:2.4%)
○31日03:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○31日05:15 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
29日11:10 加藤財務相
「投機的動向含め、為替市場動向を緊張感をさらに高め注視」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
29日19:20 赤沢経済財政相
「円安、実体経済に様々な影響があり注視してゆく」
「円安、賃金が十分上昇していなければ所得や消費の下押しになりうる」
29日22:53 プーチン露大統領
「ロシアは核戦力を準備態勢に置く必要がある」
「核兵器の使用は最後の手段である」
「ロシアは軍拡競争に参加したくない」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=10/28安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
3手連続陽線で200日移動平均線や転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は28日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 155.22(7/30高値)
レジスタンス1 153.88(10/28高値)
前日終値 153.36
サポート1 152.41(10/28安値)
サポート2 151.49(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=10/23安値を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陽線で転換線をわずかに上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は1.0817ドルに低下している転換線を念頭に置き、23日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0901(10/16高値)
前日終値 1.0819
サポート1 1.0761(10/23安値)
<ポンド円=10/29安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は29日安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 201.19(7/24高値)
前日終値 199.61
サポート1 198.05(10/29安値)
<NZドル円=上昇中の基準線を支持に押し目買いスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
孕み線で反落したものの、依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は91.31円に上昇している転換線を念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 92.05(10/23高値)
前日終値 91.60
サポート1 91.08(日足一目均衡表・基準線)
Provided by
DZH Finacial Research
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