October 25, 2024
【前日の為替概況】ドル円、4日ぶり反落 米長期金利低下、ダウ平均や日経平均先物下落も重し
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。
終値は151.83円と前営業日NY終値(152.76円)と比べて93銭程度のドル安水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.17%台まで低下すると全般ドル売りが先行。
ダウ平均や日経平均先物が下落したことなども相場の重しとなり、2時30分過ぎに一時151.55円と日通し安値を更新した。
この日発表された前週分の米新規失業保険申請件数や10月米購買担当者景気指数(PMI)速報値、9月米新築住宅販売件数が予想より強い内容となり、米長期金利が低下幅を縮小した場面では152円台前半まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。
なお、植田日銀総裁はワシントンで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に会見し、「円安に伴う物価情勢への分析に時間的余裕がある」「円安だけでなく、米経済も含めて全体を見る必要がある」などと発言。
また、加藤財務相は「為替市場での過度な変動に注意を払う必要がある」と会合で話したことを明らかにした。
ユーロドルは4日ぶりに反発。
終値は1.0828ドルと前営業日NY終値(1.0782ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州市場序盤には一時1.0771ドルまで値を下げたものの、前日に付けた7月3日以来の安値1.0761ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
NY市場では良好な米経済指標が相次いだものの、米長期金利が低下したため全般ドル売りが進み、5時過ぎに一時1.0830ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.01まで低下した。
ユーロ円は4日ぶりに反落。
終値は164.40円と前営業日NY終値(164.69円)と比べて29銭程度のユーロ安水準。
ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開が続いた。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、東京CPIや仲値後は衆院選を見据えた動きか
本日の東京市場では、週末の衆院選を前に、10月の全国消費者物価指数(CPI)の先行指標となる10月東京都区部CPIを確認することになるか。
市場予想はコア・前年比が+1.7%と前回9月の+2.0%を下回り、4月以来の低い伸びになると見られている。
日銀のインフレ目標である2%を下回るようだと、早期利上げ観測が後退して円売りの材料視されるかもしれない。
また、本日はゴトー(5・10)日ということもあり、東京仲値の値決めに向けて神経質な値動きになりやすい点には注意したい。
週末の衆院選について、自民・公明合わせても過半数に届かないとの見方はある程度織り込まれている様子。
選挙直前で不安定な展開となる可能性はあり、引き続き各種報道には注意が必要とみる。
一方で売買が手控えられて様子見ムードとなることも想定される。
そのほか、今週の東京タイムでドル円相場を動かした時間外の米10年債利回りにも引き続き注目したい。
昨日ポジション調整の動きで金利は低下したが、週初からの上昇が一服するようなら、ドル円は落ち着いた動きになるかもしれない。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 10月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比1.7%)
○08:50 ◇ 9月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.7%)
○14:00 ◇ 8月景気動向指数改定値
<海外>
○08:01 ◇ 10月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲21)
○12:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)、年次レポート公表
○15:45 ◇ 10月仏消費者信頼感指数(予想:94)
○17:00 ◎ 10月独Ifo企業景況感指数(予想:85.6)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:20.00%に引き上げ)
○21:30 ◎ 8月カナダ小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.3%)
○21:30 ◎ 9月米耐久財受注額(予想:前月比▲1.0%/輸送用機器を除く前月比▲0.1%)
○23:00 ◎ 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:69.0)
○24:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○国際通貨金融委員会(IMFC、ワシントン)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
24日11:05 青木官房副長官
「為替の動向を高い緊張感を持って注視」
「為替相場は安定的に推移することが重要」
「為替介入に関してはコメントを控える」
24日11:18 加藤財務相
「(円安について)足もとでは一方的な動きがみられている」
「(為替について)緊張感をさらに高めて注視していきたいと考えている」
「為替市場の動向や介入に関して具体的には言及しない」
「G20で今日は為替の議論はなかった。明日もそういった議論にならないのではないか」
25日03:25
「足もと、為替含めた金融市場はボラティリティが大きい」
「G20では為替のコミットメントを再確認した」
「為替市場での過度な変動に注意を払う必要がある」
24日14:05 バスレ・スロベニア中銀総裁
「ECBは金利を『段階的』に引き下げ続けるべき」
「インフレ目標の達成不足や中立金利を下回る水準への金利引き下げについて、今すぐに議論する必要はない」
24日14:11 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「ECBは12月に0.25%の利下げを行う可能性がある」
「0.50%の利下げはありそうにないが、不可能ではない」
「10月の予防的な利下げが、12月に休止するのに十分だったという結論に達する可能性もある」
24日17:18 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は出遅れており、より急速な利下げを検討すべき」
「できるだけ早く中立的な金利水準に戻すべき」
24日21:22 カザークス・ラトビア中銀総裁
「政策金利に関して、あらゆる選択肢が残されている」
24日21:53 ナーゲル独連銀総裁
「性急な利下げには否定的」
「金融政策に予断は待っていない」
24日21:55 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「インフレ率は鈍化しているが、インフレ目標2%には届いていない」
25日02:13 ミュラー・エストニア中銀総裁
「緩やかに回復していくと引き続き確信」
「最善の政策選択は慎重な利下げ」
25日02:14 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「最新の基調インフレ指標は1.9%から2.8%で推移し、ピーク時の3.4%から7.5%の範囲から大幅に低下した」
「サービス業のインフレ率は依然として高いが、低下すると予想」
「賃金上昇圧力は2024年第2四半期に4.5%と依然として高いが、2023年第2四半期のピークである5.6%からは低下している。」
「2025年にかけて賃金圧力がさらに緩和されることを示唆している」
「デフレーションは2025年の目標達成に向けて順調に進んでいる」
25日02:54 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「我々はデータに依存している」
「欧州経済は我々が考えていたよりも弱い」
「現段階で0.50%利下げについて議論する必要はない」
25日03:35 植田日銀総裁
「米経済についての楽観論が少し広がりつつある」
「時間的な余裕はある」
「円安だけでなく、米経済も含めて全体を見る必要がある」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を支えとした底堅さ続くか>
陰線引け。
23日に大陽線を形成して7月31日以来の高値153.19円まで上昇した後を受け、調整の動きが151.55円まで進んだ。
23日の大陽線を帳消しにするまでの動きにはなっていない。
200日移動平均線151.42円を割り込むような場面も想定しておきたいが、緩やかな上昇傾向維持が見込まれる一目均衡表・転換線151.02円も支えとなり、底堅い推移が続くとみる。
レジスタンス2 153.19(10/23高値)
レジスタンス1 152.59(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 151.83
サポート1 151.02(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=転換線前後の攻防>
陽線引け。
1.0810ドル台で低下中の5日移動平均線を上回って、1.0830ドルまで戻した。
次は一目均衡表・転換線1.0839ドル前後の攻防となる。
1.08ドル割れまで低下する可能性を残す同線の抵抗を明確にこなすのは5日線ほど容易ではないとみる。
伸び悩んで再び下値を探るリスクも想定して臨みたい。
レジスタンス1 1.0901(10/16高値)
前日終値 1.0828
サポート1 1.0761(10/23安値)
<ユーロ円=現水準を維持して再び雲を上抜くことできるか>
陰線引け。
23日に一時165.02円と、一目均衡表・雲の上限164.93円を上回ったものの、雲を上回る水準での滞空時間は限られた。
ただ、昨日163.81円まで下押し後に164円台へ戻す底堅さも見せている。
週明けに雲の上限が163.93円へ低下して抵抗になる可能性もある一方、現水準を維持することで日柄経過を味方に雲を上回ることも可能。
緩やかな上昇が続く見込みの一目・転換線163.44円も下値に控えており、底堅い推移が続くと予想する。
レジスタンス1 165.02(10/23高値)
前日終値 164.40
サポート1 163.81(10/24安値)
<豪ドル円=転換線を下回る水準では底堅さ示す>
陰線引け。
調整の動きが100.45円まで続いた。
しかし一目均衡表・転換線100.57円を下回る同水準では底堅さを示して、100.80円台へ戻してNYを引けている。
転換線付近の底堅さを背景に再び上値を試し、昨日高値や23日につけた直近高値101.69円の上抜けから上昇が勢いづく流れを想定する。
レジスタンス2 102.03(7/11-8/5下落幅の61.8%戻し)
レジスタンス1 101.43(10/24高値)
前日終値 100.82
サポート1 100.27(21日移動平均線)
Provided by
DZH Finacial Research
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