October 22, 2024
【前日の為替概況】ドル円、反発 米10年債利回り7月26日以来の高水準を記録
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。
終値は150.84円と前営業日NY終値(149.53円)と比べて1円31銭程度のドル高水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1956%前後と7月26日以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。
目先レジスタンスとして意識されていた17日の高値150.32円や一目均衡表雲の上限150.70円を上抜けると上昇に弾みが付いた。
取引終了間際には一時150.89円と8月1日の高値に面合わせした。
なお、ローガン米ダラス連銀総裁は「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」と述べたほか、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「向こう数四半期にわたり、緩やかな利下げを予想している」との見解を改めて示した。
ユーロドルは反落。
終値は1.0815ドルと前営業日NY終値(1.0867ドル)と比べて0.0052ドル程度のユーロ安水準だった。
米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると、4時前に一時1.0811ドルと17日の安値に面合わせした。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.02と8月2日以来の高値を付けた。
なお、この日発表の9月米景気先行指標総合指数は前月比0.5%低下と予想の0.3%低下を下回ったものの、相場の反応は限られた。
ユーロ円は反発。
終値は163.13円と前営業日NY終値(162.48円)と比べて65銭程度のユーロ高水準。
ドル円の上昇につれた買いが入ると、取引終了間際に一時163.16円と日通し高値を付けた。
ただ、ユーロドルの下落につれた売りも出たため、伸び悩む場面もあった。
ダウ平均の下落や日経平均先物の失速も相場の重し。
【本日の東京為替見通し】ドル円、株・長期金利を眺めつつ200日線も視野に
本日の東京市場では、昨日に続き主だった経済イベントや要人発言が予定されていないこともあり、ドル円相場は株価や時間外の米長期金利を眺めながらの展開が予想される。
そうした中、テクニカル面では、昨日の上昇により日足・一目均衡表で三役好転の強い買いシグナルが点灯。
流れとしては上方向を試しやすくなっている。
この流れが東京市場でも続くようならば、目先は200日移動平均線151.36円を巡る攻防となることも考えられる。
一方、27日投開票の衆院選の争点が物価高対策となっていることもあり、本邦通貨当局による円安抑制や、口先介入には注意が必要だろう。
3カ月弱ぶり高値水準となる150円台後半に上昇したことで、きっかけがあればドル売り・円買いが入りやすいことに留意したい。
なお、本日は日銀から、9月全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標(刈込平均値、最頻値、加重中央値)が公表予定。
基調的なインフレ率はCPI公表日の2営業日後の14時を目途に公表され、8月は前年比でそれぞれ、刈込平均値が1.8%と7月から横ばいだったが、加重平均値は0.7%、最頻値が1.3%と7月より低下した。
18日に発表された9月CPIは、ヘッドライン・コア指数は前月から伸び鈍化するも、コアコアは前月から伸びが加速とまちまちな結果であった。
結果に注目したい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○07:40 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○17:30 ◎ 9月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.4%)
○21:30 ◇ 9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.5%)
○21:30 ◇ 9月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲1.6%)
○22:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:05 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○22:25 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○22:45 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:45 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、パネルディスカッションに参加
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、あいさつ
○23:00 ◎ 10月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲17)
○23日02:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○23日03:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○23日04:15 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、パネッタ伊中銀総裁、講演
○BRICS首脳会議(ロシア・カザン、24日まで)
○国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(ワシントン、26日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す▲はマイナス
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください
【前日までの要人発言】
21日16:10 シムカス・リトアニア中銀総裁
「ディスインフレのトレンドは、着実に進行中」
「景況感の下振れリスクが高まっている」
21日16:22 シムカス・リトアニア中銀総裁
「12月会合までいくつかのデータが発表されるため、予想は難しい」
「政策金利は抑制的ではなくなっている」
「欧州中央銀行(ECB)は主要政策金利を2-3%の中立水準に引き下げる公算が大きい」
「インフレ率の低下が定着した場合は、一段の利下げが必要になる可能性」
「インフレ率が低下傾向にあるのは確実」
21日16:33 カザークス・ラトビア中銀総裁
「ECBの利下げは持続可能な経済成長を促進することはできない」
「インフレ率が低下するにつれて、金利は引き続き低下するだろう」
「金利はまだ経済成長を抑制している」
「インフレは引き続き低下しているが、経済は弱い」
21日20:38 カジミール・スロバキア中銀総裁
「12月の会合ではすべての選択肢が残されている」
「12月の会合は幅広くオープン」
「インフレ低下のペースが加速し続ければ、さらなる緩和を行う強い立場にある」
「インフレ低下の道筋が確固たるものであるという確信が高まっている」
「サービス部門のインフレについて、さらなる証拠が必要」
21日22:10 ローガン米ダラス連銀総裁
「経済が予想通りなら、段階的な利下げを予想」
「FRBは政策選択において機敏に動く必要がある」
「経済は力強く安定している」
「雇用市場の下振れリスク、インフレ目標への継続的なリスクを認識」
「バランスシート縮小と利下げは同じ方向」
21日23:25 グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「消費低迷のリスクは目標以下のインフレ率であり、より急速な利下げが必要になる」
「金融緩和には慎重かつ緩やかなアプローチが適切」
22日02:56 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「財政赤字の拡大は金利上昇を意味する」
「インフレを引き起こしたのは労働市場ではない」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=200日線の回復うかがう展開を予想>
陽線引け。
17日に上値が抑えられた150.32円を上抜けて一時150.89円と、8月1日高値に並ぶ水準まで上昇した。
昨日はいったん下回った一目均衡表・転換線前後の底堅さが期待できる状態となってきた。
上昇中で本日149.60円に位置する同線付近や150円前半で切り上がる5日移動平均線をサポートに、151.36円前後で推移する200日線の回復をうかがう展開を予想する。
レジスタンス1 151.46(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 150.84
サポート1 150.20(5日移動平均線)
サポート2 149.60(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=転換線が抵抗となり200日線回復は困難か>
陰線引け。
1.0872ドルと、まだ緩やかながら低下中の200日移動平均線にワンタッチする場面もあった。
しかし押し返され、17日安値1.0811ドルに並ぶ水準まで下落している。
低下中で現在1.0883ドルに位置する一目均衡表・転換線が、今週末にも200日線を下回ってくる公算。
再び200日線に挑むにしても多少時間がかかると考えられ、転換線が抵抗となり200日線回復を困難にするだろう。
レジスタンス1 1.0883(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0815
サポート1 1.0778(8/1安値)
<ポンド円=196円台への定着を目指す>
陽線引け。
194-195円台に主要な日足テクニカル指標が多く集まり方向感の出にくさを示唆していたが、一目均衡表・雲の上限194.11円付近では底堅く、徐々に水準を切り上げてきた。
一目均衡表・転換線194.82円を上回るレンジへ移行してきており、上昇傾向の同線を支えに上値を狙う展開が想定できる。
18日に一時196.05円をつけたものの押し返された、196円台への定着を目指す展開か。
レジスタンス1 196.77(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 195.86
サポート1 194.82(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=雲上限付近の攻防>
小陽線引け。
90.57円まで下押したが、91円手前に戻してNYを引ける底堅さを示した。
一目均衡表・雲の上限91.05円付近の攻防で、このところ上抜いても押し戻される動きとなりがち。
再び押し返され、90円台で下値を探る展開も想定しておきたい。
レジスタンス1 91.68(90日移動平均線)
前日終値 90.97
サポート1 90.08(10/16安値)
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DZH Finacial Research
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